遺産分割をやり直すと税金がかかる?贈与とみなされる場合とかからない場合

遺産分割をやり直した時に税金がかかるかどうかを解説する記事のアイキャッチ

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実家は兄が相続すると協議書にまとめ、登記も済んだ。ところが、兄が実家に住めなくなり、弟に渡したいと言い出した。こんな時、もう一度分け直せばいいと考えがちですよね。

結論から言うと、全員の合意があれば遺産分割はやり直せます。ただ、税金の上では「相続」として扱われず、贈与や売買として税金がかかることがあるんです。この記事では、税金がかかるケースとかからないケースを比べます。

目次

遺産分割をやり直すと税金がかかる?

このケースの答え

有効にまとまった遺産分割を、全員の合意でやり直して財産を配り直すと、配り直しで受け取った分は相続で取得したものとは扱われません。兄から弟へ渡れば贈与税、代わりにお金を払えば兄に所得税がかかることがあります。当初の分割が無効だった時や、後から財産が見つかった時の追加の協議は別の扱いです。

国税庁の通達でも、当初の分割で各相続人のものになった財産を、分割のやり直しとして配り直した場合は、相続税の「分割」で取得したものにはならないとされています(国税庁:相続税法基本通達19の2-8 分割の意義)。

『家族の中で決め直すだけなのに、税金?』

そう感じますよね。ただ、税金の世界では、一度兄のものになった実家を弟に移すのは、兄から弟への財産の移動として見られるんです。

税金がかかるケースとかからないケースの違い

やり直しの理由によって、扱いが分かれます。

ケース結論理由・注意
分割は有効だったが、事情が変わって全員で配り直す贈与税や所得税の対象になりうる一度確定した財産の移動として扱われる
配り直しの代わりにお金を払う渡した側に譲渡所得の税金がかかることがある売買や交換として見られる
相続人の1人を外して協議していたやり直しても贈与にはならない全員が参加していない協議はそもそも無効
協議書にない預金が後から見つかった追加の協議で分ければ相続の扱い当初の分割をやり直すわけではない
期限内に分け方が決まらず仮に申告していた後で分けても相続の扱い未分割の申告から分割が確定しただけ
遺産分割のやり直しの理由によって、贈与扱いになるかどうかが分かれるケース別の分岐表

例えば、上のケースで兄が実家を弟に渡す場合。

「もともと兄さんが相続したことにして、あとで僕が引き継げばいいんじゃない?」

「でもそれだと、僕から君への贈与になるらしいんだ」

このように、気軽な配り直しが贈与として見られることがあります。家族の中の話でも、税金のルールは同じように当てはまるんです。贈与税の基礎控除は受け取る人ごとに年110万円なので、実家のような大きな財産では税金が出やすいんです。

登記や不動産の税金はどうなる?

不動産の場合は、登記の扱いも変わります。

相続による登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。ところが、やり直しで兄から弟に移す登記は相続ではなく贈与などを原因とするので、相続の時より高い税率になります。

また、不動産取得税は相続で取得した時にはかかりませんが、贈与で取得するとかかります。実家1軒の分け直しでも、税金が何種類も重なることがあるんです。

一方、相続人の一部が抜けていて協議が無効だった、というケースなら話は別。全員で協議し直した分け方は相続として扱われ、登記も相続を原因にできます。どちらに当たるかは、税理士や司法書士に確認しておきましょう。自分たちだけで「無効だったことにしよう」と決めても、税務署がそう見てくれるとは限りません。

やり直しの前にできること

『分け方を変えたいけど、税金はできるだけ避けたい』という方も多いはずです。

まずは、協議書に署名押印する前に、全員で分け方をよく確かめることです。数年先に誰が住むか、売る予定はあるかまで話しておくと、やり直しの芽を減らせます。協議書の書き間違いのような小さな直しなら、遺産分割協議書を書き間違えた時の訂正方法で済むこともあります。

法定相続分と違う割合で分けること自体は問題ありません。考え方は法定相続分と違う割合で遺産を分けても問題ない?で見てみてください。

協議がまとまった後に分け方を変えたい、相続税の申告もやり直すかもしれない。そんなケースは、動く前に税理士へ相談すると、余計な税金を払わずに済む道が見つかりやすくなります。

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よくある質問

協議書を作り直せば、やり直しの税金はかかりませんか?

書類を作り直しても、有効だった分割の後で財産を配り直すなら、贈与などの扱いになりえます。書類の形より、中身で判断されます。

相続税の申告後に分け方を変えたら、相続税はどうなりますか?

当初の分割が有効なら、相続税の申告は当初の分け方のままで、配り直した分は別に贈与税などの問題になります。当初の分割が無効だった場合の扱いは税理士に確認しておきましょう。

やり直しの登記は自分でできますか?

できなくはありませんが、相続を原因にできるか贈与などになるかで書類が変わります。迷う時は司法書士に相談しておくと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 全員の合意があれば遺産分割はやり直せる
  • 有効な分割の後の配り直しは、贈与税や所得税の対象になりうる
  • 協議が無効だった時、後から財産が見つかった時は相続の扱い
  • やり直しの登記は相続を原因にできず、税率も上がる
  • 署名押印する前に、全員で分け方をよく確かめておく
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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