相続放棄の前後にしてはいけないこと|片付け・解約・支払いのケース別判定

相続放棄の前後にしてはいけないことを行動別のケースで判定する記事のアイキャッチ

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相続放棄をするつもりなのに、病院から入院費の請求が来た。携帯電話や公共料金も止めないといけない。どこまで手を付けていいのか、不安になりますよね。

結論から言うと、してはいけないのは「遺産を使う・売る・隠す」ことです。自分のお金で払う、遺産に手を付けずに保管する、といった行動なら問題になりにくいんです。

目次

相続放棄の前後にしてはいけないことは?

このケースではこうなる

例えば、母が亡くなり、借金があるので子が相続放棄を考えているケースです。母の口座から預金を引き出して入院費や生活費に使うと、相続を認めたとみなされ、放棄できなくなるおそれがあります。同じ入院費でも、子が自分のお金で払うなら遺産の処分には当たりません。放棄が受理された後でも、遺産を隠したり使ったりすると放棄の効果が否定されることがあります。

相続放棄の前に遺産を処分すると、相続を認めた(単純承認した)とみなされます。これを法定単純承認と言います。

さらに、放棄した後でも、遺産を隠す・こっそり使う・わざと財産目録に載せない、といった行動をすると、やはり単純承認とみなされます。『受理されたからもう安心』とは言い切れないんです。

行動ごとに、OKとNGを分けると次のとおりです。

行動判定理由・注意
故人の預金を引き出して使うNG遺産を使ったことになる
故人の預金を引き出し、使わずに保管避けたい使う意図を疑われやすい。引き出さないのが基本
故人の現金を使わずに保管OK財産を守るための保管は処分に当たらない
入院費・税金を自分のお金で払うOK遺産ではなく自分の財産で払っている
入院費・税金を遺産から払う避けたい遺産の処分と見られるおそれ
車や不動産を売る・名義を変えるNG典型的な処分
価値のある遺品を持ち帰る・捨てるNG形見分けでも高価な物は処分になりうる
故人の債権の取り立て・還付金を受け取って使うNG遺産を受け取って使ったことになる
相続放棄の前後の行動を、OK・避けたい・NGの3段階で分けたケース別の判定表

支払いをしてしまったケースはどうなる?

『もう入院費を払ってしまった』という方も多いはずです。

まず、どのお金で払ったかを確かめてみてください。自分の財布や口座から払ったなら、遺産を処分したことにはなりません。

故人の預金から払っていた場合は、判断が分かれます。葬儀費用のように、社会的に見て相当な額を遺産から出した場合は、放棄が認められた例もあります。とはいえ、すべてが許されるわけではありません。

ケース結論理由・注意
入院費を自分のお金で払った放棄に影響しにくい立て替えた分は戻らないことが多い
相当な額の葬儀費用を遺産から払った認められた例がある豪華すぎる葬儀や、それ以外への流用は別
住民税を遺産から払った判断が分かれる払う前に専門家に聞くのが安全
故人の借金を遺産から返した避けたい一部の債権者だけに返すと問題になりやすい

払ってしまった後は、領収書と、どの口座から出したかが分かる記録を残しておきましょう。

解約や片付けは、どこまでしていい?

携帯電話や公共料金の解約は、手続きとしては日常的なものですよね。料金を止めるための解約は、遺産の価値を減らす行為ではないので、問題になりにくいとされています。

ただし、解約で返ってくる保証金や払い戻し金を受け取って使うと、話が変わります。返金がある契約は、受け取らずにそのままにしておきましょう。

賃貸の部屋の解約や明け渡しは、借りる権利を手放すことになるので注意が必要です。片付けの線引きは相続放棄するなら家の片付けはどこまで?で詳しく見ています。

相続放棄はどこまで調べられる?バレる?

「預金を少し使ったこと、バレるのかな」
「家庭裁判所は全部を調べるわけではないけど、債権者は別だよ」

家庭裁判所は、放棄の申述について事情を尋ねる書面を送ってくることがあります。ここで事実と違う回答をするのはやめておきましょう。

放棄が受理されても、債権者が裁判で「遺産を使っていた」と争うことはできます。取引履歴を取り寄せられれば、引き出しの記録は残っています。

放棄が受理された後の連絡先や登記の対応は受理通知書が届いたらを参考にしてみてください。

借金だけでなく預金や土地もあって、放棄と相続のどちらが得か迷う。そんなケースは、税理士に財産の評価と相続税の見込みを出してもらうと、手を付ける前に判断できます。

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よくある質問

相続放棄の前に、故人の現金はどうしておけばいいですか?

使わずに、ほかのお金と混ざらないよう分けて保管しておきましょう。保管するだけなら処分には当たりません。

相続放棄の前に、故人の税金を払ってしまいました。もう放棄できませんか?

自分のお金で払ったなら放棄に影響しにくいです。遺産から払った場合は判断が分かれるので、早めに専門家に相談してみてください。

相続放棄の後なら、遺品を処分してもいいですか?

放棄の後でも、遺産を隠したり使ったりすると相続を認めたとみなされることがあります。放棄した後も、次の相続人などに引き渡すまでは手を付けないのが基本です。

まとめ

この記事の要点
  • 相続放棄の前後にしてはいけないのは、遺産を使う・売る・隠すこと
  • 入院費や税金を自分のお金で払うのは問題になりにくい
  • 遺産から払った支払いは、葬儀費用など一部を除いて判断が分かれる
  • 料金を止めるための解約は問題になりにくいが、返金を受け取って使うのは避ける
  • 放棄が受理されても、債権者があとで処分を争うことがある
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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