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親が亡くなって借金が見つかり、『相続放棄の書類って、自分で書けるの?』と不安になっている方も多いはずです。
結論から言うと、相続放棄申述書は裁判所の書式に沿って埋めれば、自分で書けます!この記事では、子が放棄する場合・兄弟が放棄する場合・期限が迫っている場合に分けて、書き方の違いを見ていきます。
わが家のケースでは、どこを書き分ける?
親の借金を理由に子が放棄するなら、「相続の開始を知った日」は親が亡くなった当日にし、添付する戸籍は親の死亡が載ったものと自分の戸籍で足ります。子が全員放棄して兄弟に順番が回ってきたなら、「先順位者の相続放棄を知った日」を選び、被相続人の出生から死亡までの戸籍が必要になります。
申述書の様式は、立場が違っても同じです。書き分けるのは「被相続人との関係」「相続の開始を知った日」の2か所と、添付する戸籍の量なんです。
| ケース | 被相続人との関係 | 相続の開始を知った日 | 添付する戸籍(共通分に追加) |
|---|---|---|---|
| 父が亡くなり、子が放棄 | 1 子 | 1 被相続人死亡の当日 | 被相続人の死亡の記載のある戸籍 |
| 亡くなった父の代わりに孫が祖父の相続を放棄 | 2 孫 | 祖父の死亡を知った日(当日なら1) | 上に加えて、亡くなった父の死亡の記載のある戸籍 |
| 子が全員放棄し、兄弟に順番が回った | 5 兄弟姉妹 | 3 先順位者の相続放棄を知った日 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍・父母の死亡の記載のある戸籍 |
| 疎遠で死亡を後から知った | 立場どおり | 2 死亡の通知をうけた日 | 立場どおり |

どの立場でも共通で要るのは、被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)と、放棄する人の戸籍謄本です。
子が放棄する場合の記入例
特に多いのが、このケースですよね。
例えば、父が亡くなり、借金の方が多いと分かったので長男が放棄するケース。申述書は、裁判所のホームページから成人用の書式をダウンロードできます(PDF・Word)。
- 提出先の家庭裁判所名と、提出する日付を書く
- 申述人欄に、本籍・住所・氏名・生年月日・職業を書く
- 被相続人との関係で「1 子」に〇を付ける
- 被相続人の本籍・最後の住所・氏名・死亡日を書く
- 相続の開始を知った日を書き、「1 被相続人死亡の当日」に〇を付ける
- 放棄の理由で「5 債務超過のため」に〇を付ける
- 収入印紙800円分を貼る(印紙に押印しない)
『申述書と申立書、どっちが正しい名前?』と迷う方もいます。
相続放棄は「申述」という手続きなので、正式には相続放棄申述書です。申請書や申立書と呼ばれることもありますが、裁判所の書式は1つなので気にしなくて大丈夫です。
放棄の理由に「関わりたくない」など、選択肢に無い事情を書きたい時は「6 その他」を選んで具体的に書きます。詳しくは相続放棄の理由欄の記入例で見ています。
兄弟に順番が回ってきた場合の書き方
ここが、特に間違えやすいところです。
子が全員放棄すると、次は父母、父母も亡くなっていれば兄弟姉妹が相続人になります。
「兄さんの子どもたちが放棄したって、今日はがきで知ったんだけど」
「じゃあ、その日から3か月以内に、私たちも放棄するかどうか決めないと」
兄弟の3か月は、兄が亡くなった日からではありません。自分が相続人になったと知った時から数えるので、「3 先順位者の相続放棄を知った日」に〇を付け、その日付を書きます。
添付する戸籍も増えます。兄弟が放棄する時は、被相続人の出生から死亡までの戸籍と、父母が亡くなっていることが分かる戸籍が必要です。ただ、先に放棄した人が出した戸籍は、同じ被相続人の事件なら出し直さなくてよいとされています。
未成年の子が放棄する時は、未成年者用の書式を使い、親権者が法定代理人として書きます。親と子がどちらも相続人で、子だけが放棄する場合などは、特別代理人の選任が必要になることがあります。
期限ぎりぎり、財産が分からない時はどうする?
『戸籍が全部そろわないうちに、3か月が来てしまいそう』という方もいますよね。
裁判所の案内では、申述の前にどうしても手に入らない戸籍は、申述した後に追加で出してもよいとされています。まずは申述書と手元の書類を期限内に出すことを優先してみてください。
財産の状況を調べても、3か月で判断がつかないケースもあります。その時は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることができます。
| 期限前の状況 | できること | 注意 |
|---|---|---|
| 戸籍の一部が届かない | 申述書を先に出し、戸籍は後から追加 | 申述自体は期限内に |
| 借金がどれだけあるか分からない | 期間の伸長を申し立てる | 伸長の申立ても期限内に |
| 遺品の整理を始めてしまった | 財産を処分・消費していないか確認 | 処分すると単純承認とみなされることがある |
なお、2026年の裁判所の書式には、財産の内容を書く欄がありません。財産が分からなくても、申述書そのものは書けます。
出す前にそろえるもの、出した後のこと
書き終えたら、提出先と添付書類をもう一度見直しておきましょう。
提出先は、放棄する人の住所地ではなく、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。例えば、東京に住む長男が、大阪で一人暮らしをしていた父の相続を放棄するなら、大阪の家庭裁判所に出すことになります。
- 申述書に記名押印し、収入印紙800円分を貼ったか(印紙に消印しない)
- 被相続人の住民票の除票か戸籍の附票を入れたか
- 自分の戸籍謄本を入れたか
- 立場に応じた被相続人の戸籍(死亡の記載のあるもの、または出生から死亡まで)を入れたか
- 連絡用の郵便切手を、申述先の裁判所が決めた額だけ用意したか
- 兄弟で一緒に放棄するなら、同じ書類を1通にまとめたか
『兄弟3人で放棄するなら、戸籍も3セット要るの?』と心配になりますよね。
同じ家庭裁判所に一緒に出すなら、同じ書類は1通で足ります。申述書と収入印紙は1人ずつ必要なので、そこだけ人数分用意してください。
もう1つ知っておきたいのが、生命保険金の扱いです。受取人が決まっている生命保険金は受取人固有の財産なので、放棄しても受け取れます。ただし、相続税の計算で使える生命保険金の非課税枠は、放棄した人は使えません。
申述した後は、家庭裁判所から照会書が届くことがあります。答え方は相続放棄の照会書の回答例を参考にしてみてください。
借金があるのか分からない、ほかの相続人と放棄するかどうか話がまとまらない、相続税がかかるほどの財産もある。こんなケースは、放棄するかどうかの判断から専門家に相談すると安心です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
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よくある質問
相続放棄申述書はどこでもらえますか?
裁判所のホームページから、成人用・未成年者用の書式をPDFかWordでダウンロードできます。被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所の窓口でももらえます。
相続放棄申述書は代筆してもいいですか?
申述するのは相続人本人なので、記名押印は本人がします。未成年者などの場合は、法定代理人が代わりに記名押印します。
費用はいくらかかりますか?
申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手が要ります。切手の額は家庭裁判所ごとに違うので、申述先の裁判所で確認してみてください。
自分が放棄したら、ほかの親族に何か伝えた方がいいですか?
放棄すると初めから相続人でなかったことになり、次の順位の人が相続人になります。例えば子が全員放棄すれば父母や兄弟姉妹に順番が回るので、その人たちに放棄したことを知らせておくと、期限の数え始めが分かりやすくなります。
まとめ
- 申述書の様式は1つ。書き分けるのは関係欄・知った日・添付戸籍
- 子が放棄するなら「死亡の当日」、兄弟なら「先順位者の放棄を知った日」が基本
- 兄弟が放棄する時は、被相続人の出生から死亡までの戸籍が要る
- 期限内に出せない戸籍は後から追加でき、判断がつかなければ期間の伸長ができる
- 費用は1人800円分の収入印紙と郵便切手






