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父が亡くなって登記簿を取ってみたら、実家の土地がまだ祖父の名義だった。『父の名前になっていると思っていたのに』と驚く方も多いはずです。
結論から言うと、祖父名義の土地は、祖父の相続をやり直すところから始めます。話し合いに入る人は、父が祖父より後に亡くなったか、先に亡くなったかで変わります。
この記事では、ケースごとに誰と何を決めるかと、かかる費用と期限が分かります。
祖父名義のままの土地は、誰と話し合えばいい?
祖父名義の土地は、祖父の相続人全員で遺産分割協議をして、名義を移します。父が祖父より後に亡くなっていれば、父の相続人(母と自分たち兄弟)が父の立場を引き継いで話し合いに入ります。父が祖父より先に亡くなっていれば、母は入らず、孫である自分たちが直接の相続人です。
ポイントは、祖父が亡くなった時と、父が亡くなった時の順番です。
| ケース | 祖父の土地の話し合いに入る人 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 祖父の後に父が亡くなった | 父の兄弟姉妹(叔父・叔母)と、父の相続人(母・自分・兄弟) | 父が受け継ぐはずだった立場を、父の相続人が引き継ぐ。いわゆる数次相続 |
| 父が祖父より先に亡くなっていた | 父の兄弟姉妹と、孫である自分・兄弟 | 孫が父に代わって相続人になる代襲相続。母は入らない |
| 父が一人っ子で、祖母も亡くなっている | 父の相続人だけ | 話し合う相手が少なく、進めやすい |
| 叔父・叔母もすでに亡くなっている | その配偶者や子(いとこ)まで | 世代が進むほど人数が増える |
例えば、祖父の子が父と叔父と叔母の3人で、叔母がすでに亡くなっているとします。この場合、叔母の夫や、いとこにも連絡を取ることになります。
『顔も知らない親戚に連絡するの?』と不安になりますよね。ただ、全員の合意がないと名義は移せないんです。放っておくほど人数が増えるので、早く動くほど楽になります。
誰が相続人になるかの基本の形は、家族図10パターンで確かめてみてください。

名義を移さないままだと、何が困る?
相続登記は2024年4月1日から義務になりました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記が必要です。
この義務は、2024年4月1日より前の相続にもかかります。祖父の相続がずっと前でも対象で、期限は2027年3月31日か、取得を知った日から3年以内の遅い方です。
正当な理由なく登記をしないと、10万円以下の過料の対象になります。2027年3月31日まで、もうそれほど時間はありません。
ほかにも、名義が祖父のままだと困る場面があります。
- 土地を売ることも、担保に入れることもできない
- 実家を建て替える時に話が進まない
- 次の世代になるほど相続人が増え、話し合いが難しくなる
期限までに話し合いがまとまりそうにない時は、相続人申告登記という簡単な制度があります。自分が相続人だと法務局に申し出れば、登記の義務を果たしたことになります。ただ、名義は祖父のままなので、売るにはあらためて登記が必要です。
祖父名義の土地を相続するのに、費用はいくらかかる?
かかるお金は、主に次のとおりです。
| 費用 | 目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 戸籍の取得費 | 市区町村の手数料 | 祖父の出生から死亡まで、相続人全員の分が要る |
| 法定相続情報一覧図の写し | 無料 | 法務局で交付。登記や銀行で戸籍の束の代わりに使える |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額 × 0.4% | 一定の土地には免税の措置がある |
| 司法書士の報酬 | 事務所ごとに異なる | 相続人が多いほど、戸籍集めと書類作りの手間が増える |
例えば、土地の固定資産税評価額が800万円なら、登録免許税は3万2,000円です。評価額は、毎年届く固定資産税の課税明細書で確かめられます。
途中の相続がいくつあるかで、申請の仕方や必要な書類が変わります。登記の進め方は司法書士に確認しておきましょう。
戸籍は、2024年3月1日から広域交付が始まっています。本籍地以外の市区町村の窓口でも、本人・配偶者・父母・子などの戸籍をまとめて請求できます。ただ、郵送や代理人では使えないので、窓口へ行く必要があります。
手続きはどの順番で進める?
- 登記簿で、土地の名義と面積を確かめる
- 祖父の出生から死亡までの戸籍と、相続人全員の戸籍を集める
- 法定相続情報一覧図を作り、相続人の一覧を確定する
- 相続人全員で、誰が土地を取得するか話し合い、遺産分割協議書を作る
- 土地の所在地を管轄する法務局へ相続登記を申請する
例えば、叔父とこんなやり取りになることもあります。
「あの土地は兄さん(父)の家が住んできたんだから、そっちの名義でいいよ」
「ありがとうございます。協議書に署名と押印をお願いしてもいいですか」
口約束で終わらせず、協議書に全員の署名と実印での押印をもらっておくことが大事です。登記の申請で使います。
母も亡くなっていて兄弟だけで決める場合の分け方は、両親とも亡くなった後の実家と預金の分け方も参考にしてみてください。
誰も使う予定がなく、手放したい土地なら、相続土地国庫帰属制度もあります。審査手数料は土地1筆14,000円、承認されると負担金が原則20万円です。建物がある土地や担保権のある土地は申請できません。
相続税の申告には影響する?
名義が祖父のままでも、税金の話は別に考えます。
父が祖父より後に亡くなったケースでは、父の相続税の計算に、祖父の土地のうち父が受け継ぐはずだった分も入ってきます。父の相続で申告が必要だった場合は、この分が漏れていないか見ておきましょう。
祖父名義の土地が1つ見つかった家では、ほかにも名義が古いままの土地や、家族が知らない口座が残っていることがあります。実家の土地だけでなく、山林や畑なども含めて一度洗い出しておくと安心です。探し方は、親の財産を子どもが把握していない時に探す手順で見られます。
もし相続税の申告が漏れていて、後から財産が見つかった場合は、期限後に延滞税や加算税がかかることがあります。気づいた時点で早めに相談するのが、結果的に負担を小さくする近道です。
自分が今回その土地を取得し、父の財産と合わせて基礎控除を超えそうなケースもあります。父の相続人が母と子2人なら基礎控除は4,800万円、子2人だけなら4,200万円です。
名義が古い土地が見つかって父の相続税の申告に影響しそう、土地の評価の仕方が分からない。こんなケースは税理士に頼むと楽です。登記は司法書士と分担して進めると、手続きの抜けも防げます。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
祖父の相続人の中に、連絡が取れない人がいたら?
全員の合意がないと遺産分割協議はできません。連絡がつかない時は、家庭裁判所の手続きを使う方法があるので、司法書士や弁護士に相談してみてください。
祖父名義の土地の固定資産税は、誰が払っているのですか?
家族の誰かの元に、固定資産税の納税通知書が届いていることがあります。誰に届いているかを確かめると、土地の評価額や、ほかに残っている土地の手がかりになります。
名義を移さないで、このまま住み続けてもいいですか?
住むこと自体はできますが、相続登記は義務です。2027年3月31日か、取得を知った日から3年以内の遅い方までに登記しておきましょう。
まとめ
- 祖父名義の土地は、祖父の相続人全員で話し合って名義を移す
- 父が祖父より後に亡くなれば母も話し合いに入り、先に亡くなっていれば孫が直接の相続人
- 2024年4月1日より前の相続も登記の義務があり、期限は2027年3月31日か取得を知って3年の遅い方
- 登録免許税は固定資産税評価額の0.4%、法定相続情報一覧図の写しは無料
- 父の相続税の申告に、祖父の土地の分が漏れていないか見ておく




