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相続税の申告を税理士に頼むことになった。『この報酬、長男の自分が全部払うの?兄弟で割るもの?』と、言い出しにくさも含めてモヤモヤしている方も多いはずです。
結論から言うと、誰が払うかは法律で決まっておらず、相続人の話し合いで決めます。この記事では、立て替え・遺産から支払い・按分のケースごとに、決め方と注意点を見ていきます。
わが家のケースだと、税理士費用は誰が払うのがいい?
例えば、父が亡くなり母と子2人が相続し、長男が代表して税理士に依頼したケース。このケースなら、長男がいったん立て替え、遺産分割の時に「報酬は遺産から払う」か「取得割合で按分する」と決めて精算するのが、もめにくい形です。相続税の計算では、税理士報酬を遺産から差し引くことはできません。
税理士費用は、依頼の契約をした人に支払いの義務があります。ただ、申告は相続人みんなのための作業なので、全員で分けるのが自然ですよね。
負担のしかたは、大きく4つのケースに分かれます。
| ケース | 払い方 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 代表者が立て替えた | 後で各相続人から精算 | 精算方法を協議書かメモに残しておく |
| 遺産(預金)から払った | 実質的に取得割合で負担 | 誰がいくら取得したかの計算がずれないように |
| 法定相続分で按分 | 決めやすい | 実際の取得額と差があると不公平感が出やすい |
| 取得した財産の割合で按分 | 納得感が出やすい | 遺産分割が決まってからでないと計算できない |

『立て替えたままでいいや』と思っても、後で兄弟の関係がこじれた時に言い出しづらくなることも。精算方法は、早めに言葉にしておきましょう。
按分するといくらずつ?取得割合と法定相続分で比べると
具体的な数字で見てみます。税理士報酬は自由化されていて公的な基準はありませんが、遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われることが多いです。
例えば、遺産1億円を母と子2人で相続するケースなら、目安は50万〜100万円です。ここでは報酬を80万円と仮定します。
| 決め方 | 母 | 長男 | 次男 |
|---|---|---|---|
| 法定相続分(1/2・1/4・1/4) | 40万円 | 20万円 | 20万円 |
| 取得割合(母6,000万円・子2,000万円ずつ) | 48万円 | 16万円 | 16万円 |
| 長男が全額負担 | 0円 | 80万円 | 0円 |
取得割合で分けた場合の相続税も確認しておきます。遺産1億円・相続人3人なら基礎控除は4,800万円、相続税の総額は630万円です。母は配偶者の税額軽減で0円、子はそれぞれ126万円になります。
『母は税金0円なんだから、報酬も子どもだけで払えば?』という声が出ることもありますよね。実は、配偶者の税額軽減は申告して初めて使える特例です。母にも申告の手間と恩恵があるので、母も負担に入るのが筋が通りやすいんです。
例えば、こんな話し合いになります。
「報酬80万円、取得した額の割合で分けるのはどう?」
「それなら母さんが48万円、僕らが16万円ずつだね。協議書にも書いておこう」
税金の分け方そのものは悩み別の相続の相談先や、申告の流れをまとめた遺産規模別の申告手順もあわせて見てみてください。
税理士・司法書士・弁護士の費用は相続税で差し引ける?
ここは誤解が多いところです。相続税の計算で遺産から差し引ける債務は、亡くなった人が死亡した時点で実際にあった借入金や未払金などに限られます(国税庁 タックスアンサー No.4126)。
相続税申告の税理士報酬、相続登記の司法書士報酬、遺産分割の弁護士費用は、どれも亡くなった後に相続人が頼んだものです。なので、遺産から差し引くことはできません。
葬式費用とも別物です。葬式費用として差し引けるのは、火葬・埋葬・通夜・読経料などに限られます(国税庁 タックスアンサー No.4129)。
| 費用 | 遺産から差し引ける? | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 相続税申告の税理士報酬 | 差し引けない | 死亡後に相続人が依頼した費用 |
| 相続登記の司法書士報酬・登録免許税 | 差し引けない | 同上 |
| 遺産分割の弁護士費用 | 差し引けない | 同上。依頼した本人が払うのが基本 |
| 亡くなった人が生前に頼んでいた仕事の未払い報酬 | 差し引ける場合がある | 死亡時の未払金に当たるか、税理士に確認を |
| 通夜・火葬・読経料 | 差し引ける | 葬式費用として |
支払うタイミングにも気をつけたいところです。預金が凍結されて払えない時は、預貯金の仮払い制度で、1金融機関ごとに上限150万円まで単独で払い戻せます。
- 誰の名前で税理士・司法書士と契約するか決めた
- 立て替えた人と金額を、領収書つきで記録した
- 負担の割合(法定相続分・取得割合・遺産から)を相続人全員で合意した
- 合意した内容を遺産分割協議書かメモに残した
代表者が全額を負担して精算しないままにする場合の扱いは、家庭ごとに事情が違います。気になる時は、依頼する税理士に最初に聞いておきましょう。
相続人が3人以上いる、土地がある、遺産から報酬を払いたいといったケースは、見積もりの段階で費用の分け方まで相談できる税理士に頼むと、話し合いがスムーズです。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
相続放棄した人も税理士費用を負担しますか?
相続放棄した人は遺産を取得しないので、負担に入らないのが一般的です。ただし、生命保険金を受け取って相続税の申告が要る場合は、その分の負担を話し合っておきましょう。
税理士費用を経費として所得税で引けますか?
相続税申告の報酬は、相続税の計算で遺産から差し引けません。所得税での扱いはケースによるので、依頼する税理士に確認してください。
司法書士の費用はいつ払いますか?
請求の時期は事務所ごとに違うので、依頼する時に確認しておきましょう。登録免許税も登記の申請時に要るので、誰がいつ払うかを先に決めておくと安心です。
まとめ
- 税理士費用を誰が払うかは法律で決まっておらず、相続人の話し合いで決める
- 代表者が立て替えた時は、精算方法を協議書かメモに残しておく
- 報酬80万円・遺産1億円の例では、取得割合なら母48万円・子16万円ずつ
- 税理士・司法書士・弁護士の費用は、相続税の計算で遺産から差し引けない




