相続の専門家は誰を選ぶ?税金・登記・争い・書類のケースで決める依頼先

相続の専門家を税金・登記・争い・書類のケースから選ぶ方法を紹介する記事のアイキャッチ

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相続の手続きを調べ始めると、税理士・司法書士・弁護士・行政書士と、専門家の名前がいくつも出てきますよね。『結局、うちは誰に頼めばいいの?』と迷う方も多いはずです。

結論から言うと、依頼先は「何に困っているか」で決まります。税金なら税理士、登記なら司法書士、もめごとなら弁護士、書類なら行政書士です。ここでは、よくあるケースから依頼先を逆引きしていきます。

目次

うちの相続は誰に頼めばいい?

このケースの結論

夫が亡くなり、妻と子2人が自宅を含む遺産8,000万円を相続するケースなら、相続税の申告が必要なので税理士、自宅の名義変更があるので司法書士の2人に頼むのが基本の形です。家族でもめていないなら、弁護士の出番はまずありません。逆に、兄弟で分け方がまとまらないなら、税理士より先に弁護士への相談を考えるケースです。

まず、4つの専門家が何を扱うかを押さえておきましょう。ここは役割がはっきり分かれています。

専門家主に頼めること頼めないこと
税理士相続税の申告、財産の評価、特例の判断登記の代理、もめごとの交渉
司法書士相続登記の代理、戸籍の確認相続税の申告、もめごとの交渉の代理
弁護士遺産分割の交渉・調停の代理、遺留分の請求相続税の申告(税理士の独占業務)
行政書士戸籍の収集、遺産分割協議書の作成登記の代理、交渉の代理、相続税の申告

相続税の申告は税理士の独占業務です。登記の代理は司法書士、遺産分割の交渉や調停の代理は弁護士の仕事なんです。

『全部まとめて1人に頼めないの?』と思いますよね。窓口を1つにしたい時は、ほかの専門家と連携している事務所を選ぶという方法があります。

ケース別に依頼先を逆引きしてみる

よくある相続の状況から、誰に頼むかを並べてみました。相続税の額は、calc.pyで検算した法定相続分どおりの家族全体の納付額です。

ケース相続税依頼先理由・注意
妻と子2人・遺産4,000万円・預金だけ0円自分で、または行政書士基礎控除4,800万円以下で申告不要。銀行の手続きと協議書が中心
妻と子2人・遺産8,000万円・自宅あり175万円税理士+司法書士申告と登記の両方がいる。特例の判断は税理士
子2人・遺産1億円・兄弟で分け方がもめている770万円弁護士+税理士交渉の代理は弁護士。申告期限の10か月は待ってくれない
子がいない夫婦・兄弟2人が遺産6,000万円を相続216万円税理士+司法書士兄弟姉妹は2割加算。戸籍集めも重くなる
借金が多そうで相続するか迷う不明弁護士か司法書士相続放棄は知った時から3か月以内に家庭裁判所へ
悩みの種類(税金・登記・争い・書類)から税理士・司法書士・弁護士・行政書士へ分かれるケース別の分岐表

表を見ると、1人の専門家だけで済むケースは意外と少ないことが分かりますよね。特に不動産がある家は、税理士と司法書士の両方に関わってもらう形が多くなります。

借金があるかもしれない時は、期限に注意

表の最後のケースは、ほかと急ぐ度合いが違います。相続放棄は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があるからです。

『葬儀が終わってから考えよう』と思っていると、3か月はあっという間ですよね。しかも、亡くなった人の財産を処分したり使ったりすると、放棄できなくなることもあります。

借金の額がはっきりしない時は、期間を延ばす申立てもできます。プラスの財産の範囲でマイナスを引き継ぐ限定承認という方法もあり、こちらは相続人全員でそろって申述します。どれを選ぶかで手続きが変わるので、早めに弁護士か司法書士へ相談してみてください。

税理士に頼むかどうかの細かい目安は、遺産額と財産の種類で決める判定表で確かめられます。

司法書士と税理士、どっちが先?

『司法書士と税理士、どっちに先に連絡すればいいの?』という声はよく聞きます。結論から言うと、相続税がかかりそうなら税理士が先です。

理由は期限です。相続税の申告は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内。相続登記は、不動産の取得を知った日から3年以内なので、税金のほうが先に締め切りが来ます。

さらに、誰が自宅を相続するかで小規模宅地等の特例が使えるかが変わります。分け方を決める前に税理士の意見を聞いておくと、登記をやり直すような事態を避けやすくなります。

逆に、遺産が基礎控除以下で相続税がかからない家なら、司法書士に登記を頼むだけで済むこともあります。

依頼先を決める順番
  1. 遺産のざっくりした額を出し、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べる
  2. 家族でもめているかを確かめる。もめているなら弁護士に相談する
  3. 相続税がかかりそうなら税理士に相談し、分け方の方向を決める
  4. 不動産があれば司法書士に登記を頼む
  5. 預金だけで手続きが中心なら、行政書士に書類を頼むか自分で進める

行政書士と司法書士の違いは?

相続で迷いやすいのが、行政書士と司法書士の違いです。どちらも書類を扱うので、似て見えますよね。

違いが出るのは「登記」です。不動産の名義変更の申請を代わりにできるのは司法書士で、行政書士はできません。

行政書士が力を発揮するのは、戸籍を集めて相続人を確定させる作業や、遺産分割協議書を作る場面です。不動産がなく、預金や車の名義変更が中心の家なら、行政書士で足りることもあります。

戸籍がそろったら、法務局で法定相続情報一覧図の写しを無料で出してもらえます。銀行ごとに戸籍の束を出し直さずに済むので、預金の口座が多い家ほど助かります。

例えば、こんな会話になる家もあります。

「実家は賃貸だったし、残ったのは預金と車だけ」
「それなら登記はいらないから、協議書を作ってもらえば足りそうだね」

一方、同じ預金だけの家でも、相続人どうしで分け方がもめているなら話は別です。行政書士は交渉の代理ができないので、弁護士の出番になります。

相続税がかかる家は、まず税理士に

ここが大事なところです。専門家を何人も頼む家ほど、最初に誰に相談するかで段取りが変わります。

相続税がかかる家は、財産の評価と申告が全体の中心になります。土地の評価や二次相続まで考えた分け方は、税理士に相談しながら決めていくと、ほかの手続きも進めやすくなるんです。

自宅の土地がある、相続人が多い、申告期限の10か月が近いといったケースなら、相続税に詳しい税理士に早めに相談しておくと、司法書士への依頼も含めた全体の順番が見えてきます。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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弁護士が必要になるケースは、もめている・遺言に不満などのケース別で詳しく紹介しています。費用の目安が知りたい方は遺産相続の弁護士費用のケース別試算もどうぞ。

よくある質問

相続税の相談を司法書士にしてもいいですか?

一般的な話を聞くことはできても、相続税の申告書を作って出すのは税理士の独占業務です。税額の計算や特例の判断が必要なら、税理士に相談しておきましょう。

弁護士に頼むと、相続税の申告もしてもらえますか?

弁護士は遺産分割の交渉や調停の代理を扱いますが、相続税の申告は別です。もめている家は、弁護士と税理士の両方に関わってもらう形が多くなります。

費用をかけずに相談できる窓口はありますか?

市区町村の無料相談、税理士会の相談、法テラス(収入要件あり)、税務署の電話相談センターなどがあります。まずはそこで、どの専門家に頼むべきかを聞いてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 税金は税理士、登記は司法書士、もめごとは弁護士、書類は行政書士
  • 不動産があって相続税がかかる家は、税理士と司法書士の両方に頼む形が多い
  • 相続税がかかりそうなら、申告期限が先に来るので税理士から相談する
  • 預金だけで相続税がかからない家は、行政書士か自分で進めることもできる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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