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親の通帳を見返したら、亡くなる前に何度も大きな引き出しがある。『これ、何に使ったのか誰も分からない…税務調査で聞かれたらどうしよう』と不安になっている方も多いはずです。
結論から言うと、使い道を説明できれば相続財産から外れ、説明できなければ相続財産として扱われることがあります。この記事では、説明できるケースとできないケースで何が変わるかを見ていきます。
使途不明金は、税務調査でどう扱われる?
引き出したお金が、亡くなった人の医療費や生活費に使われたと領収書や記録で説明できれば、相続財産には入りません。家族が現金で預かっている、家族の口座に移っている、と分かれば相続財産に戻ります。使い道を誰も説明できない時は、亡くなった時点で現金として残っていたと見られ、申告漏れを指摘されることがあります。
使途不明金とは、亡くなる前の口座から引き出されたのに、何に使ったか分からないお金のことです。税務調査では、通帳の履歴から大きな引き出しを拾い、使い道を聞かれることがあります。
国税庁の令和6事務年度の調査では、相続税の実地調査9,512件のうち82.3%で申告漏れなどが見つかり、1件当たりの追徴税額は867万円でした。
説明できるかどうかで、扱いはこう変わります。
| 使い道のケース | 相続税での扱い | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 故人の入院費・介護費に使い、領収書がある | 相続財産に入らない | 使った記録で説明できる |
| 故人の生活費に少しずつ使っていた | 入らないことが多い | 引き出しの頻度や金額が生活費として自然か |
| 家族が現金で預かっている | 相続財産に入れる | 預かっているだけで中身は故人の財産 |
| 家族の口座に移っている | 贈与か名義預金として扱う | 7年以内の贈与は相続財産に足される |
| 誰も使い道を説明できない | 相続財産と見られることがある | 加算税・延滞税がかかることもある |

使い道を説明できないと、相続税はいくら増える?
例えば、親が亡くなり子2人が相続人のケースです。預金などで5,000万円を申告した後、調査で使途不明の引き出し1,000万円が現金で残っていたと見られたとします。法定相続分どおりの前提で比べます。
| ケース | 課税価格の合計 | 相続税の総額 | 各人の納付税額 |
|---|---|---|---|
| 当初の申告 | 5,000万円 | 80万円 | 40万円ずつ |
| 1,000万円を足した場合 | 6,000万円 | 180万円 | 90万円ずつ |
相続税は合計で100万円増えます。さらに、過少申告加算税や延滞税がかかることがあり、隠したと見られれば重加算税の対象になることもあります。
『そもそも何年前までさかのぼって聞かれるの?』と気になりますよね。期間に決まった線があるわけではないので、亡くなる前の引き出しは、申告前に一度見直しておきましょう。
調査で聞かれる前に、何を準備しておく?
ここが大事なところです。調査で聞かれてから記憶をたどるのは大変なので、申告の段階で説明できる形にしておくと安心です。
- 亡くなる前の通帳の履歴で、大きな引き出しに印をつける
- 入院費・介護費・施設費の領収書や請求書と照らし合わせる
- 家族が預かっている現金がないか、全員に確認する
- 家族名義の口座にお金が移っていないか確認する
- 説明できない分は、相続財産に入れるかを税理士と相談する
「この200万円、何だったか覚えてる?」
「たしか施設に入る時の入居金だったはず。契約書を探してみるよ」
こんなふうに、家族で記憶を寄せ合うだけでも説明できる分は増えます。
家族名義の口座が気になる時は名義預金と判定される口座のケースを、亡くなる前後の引き出しは相続前の預金引き出しの扱いも見ておきましょう。
兄弟が使い込んだ疑いがある時は?
使途不明金は、税金だけでなく兄弟の間の問題にもなります。親と同居していた兄が通帳を管理していて、引き出しの説明をしてくれない。よくあるケースですよね。
民法では、遺産の分割前に遺産が処分された場合でも、相続人全員の同意で、その財産を遺産として残っているものとみなして分けられます。処分した本人の同意は要りません。
話し合いでまとまらない時は、使った人に返還を求める請求を考えることになります。民法の一般的なルールでは、権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年で時効になります。ただ、請求の根拠や時期で扱いが変わるので、早めに弁護士に相談してみてください。
使途不明の引き出しが多い、兄弟で言い分が食い違っている、調査の連絡が来た。こんなケースは、相続税の申告と調査対応に慣れた税理士に頼むと、説明の準備から任せられて楽になります。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
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よくある質問
使途不明金があるだけで、税務調査の対象になりますか?
調査の対象になるかどうかは税務署が判断するので、使途不明金があるから調査になる、とは言い切れません。ただ、大きな引き出しは調査で聞かれやすいので、説明できる準備をしておくと安心です。
説明できない引き出しは、最初から申告に入れたほうがいいですか?
現金で残っている可能性が高いなら、申告に入れておくほうが後で加算税がかかる心配を減らせます。どこまで入れるかは、通帳の履歴を見ながら税理士と相談して決めてみてください。
申告した後に使途不明金に気づいたら、どうすればいいですか?
相続財産に入れるべきお金だと分かったら、税務署の調査を受ける前に修正申告を出すことを検討してみてください。早めに自分から直すほうが、負担が軽くなることがあります。
まとめ
- 使途不明金は、使い道を説明できるかどうかで扱いが変わる
- 領収書などで故人のために使ったと説明できれば、相続財産に入らない
- 家族が預かっている現金や家族の口座に移ったお金は、相続財産に戻る
- 説明できない時は現金で残っていたと見られ、相続税と加算税が増えることがある
- 兄弟の使い込みが疑われる時は、遺産に含めて分ける方法や返還請求があり、時効もある




