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親が亡くなったと後から聞いた。『遺言書があったらしいけど、自分には何も知らされていない』。そんな状況で不安になっている方もいるはずです。
結論から言うと、遺言書の種類によっては、相続人に通知が届かないまま話が進むことがあります。ただ、知らされなかった側にも確かめる方法と、取れる対応があるんです。この記事では、知らされない側の目線でケースごとに見ていきます。
遺言書を相続人に知らせないまま相続は進む?
生きているうちに遺言書の中身を家族に知らせる義務はありません。亡くなった後も、公正証書遺言は相続人に自動で通知されず、法務局に保管した遺言書も、誰かが閲覧などをするか、遺言者が通知先を指定していなければ通知されません。一方、自筆の遺言書を家庭裁判所で検認する時は、相続人全員に検認の期日が知らされます。
遺言書は、書いた本人がいつでも書き直せる書類です。だから生前は秘密にしておけます。
書く側の目線でいうと、秘密にしたい理由は人それぞれです。生前に揉めたくない、気が変わった時に書き直しやすい。そんな事情もあります。
ただ、誰にも在りかを伝えないと、遺言書が見つからないまま遺産分割が終わってしまうことも。秘密にするなら、法務局の指定者通知や遺言執行者の指定で、亡くなった後に届く道を作っておくと安心です。
問題は亡くなった後ですよね。種類ごとに、知らせが届くかどうかが変わります。
| 遺言書の種類 | 相続人への知らせ | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 公正証書遺言 | 自動では届かない | 相続人が公証役場で遺言の有無を検索してもらえる |
| 自筆証書遺言(法務局で保管) | 誰かが閲覧等をすると全員に届く | 遺言者が指定した人(最大3名)には、死亡が確認されると通知が届く |
| 自筆証書遺言(自宅などで保管) | 検認の時に届く | 家庭裁判所が相続人全員に検認の期日を知らせる |
| 遺言執行者がいる場合 | 執行者から届く | 遺言執行者は遺言の内容を相続人に知らせる立場にある |
法務局の通知は「関係遺言書保管通知」と「指定者通知」の2つです。相続人の誰かが遺言書を閲覧したり証明書をもらったりすると、ほかの相続人全員にも保管の事実が伝わります。

離婚した親の相続で、知らされなかったケースは?
例えば、父が離婚して再婚し、再婚相手と暮らしていたケース。前妻との間の子も、父の子なので相続人です。
遺言書で「全財産を妻に相続させる」と書かれていれば、預金の解約や相続登記は、子の協力なしで進められます。だから、前妻の子が知らないまま手続きが終わることもあるんです。
『じゃあ、もう何もできないの?』と思いますよね。そんなことはありません。
子には遺留分があります。妻と子1人が相続人なら、子の遺留分は財産全体の4分の1です。遺言書で何ももらえなくても、金銭で請求できます。
遺留分侵害額の請求は、相続開始と侵害を知った時から1年で消えます。知らされていない間は1年の数え始めになりません。ただ、相続開始から10年たつと請求できなくなります。
| ケース | 知らされなかった子ができること | 注意 |
|---|---|---|
| 遺言書で一切もらえない | 遺留分侵害額を金銭で請求 | 知った時から1年・相続開始から10年 |
| 遺言書がなく、勝手に分けられた | 遺産分割のやり直しを求める | 協議は相続人全員の合意が必要なので、子抜きの協議は成り立たない |
| 遺言書を相続人が隠していた | 隠した人の相続資格を問題にできる | 遺言書を隠したり破いたりした人は相続欠格になりうる |
「父の遺言で全部再婚相手に、と書いてあるなら諦めるしかないですか?」
「遺留分は請求できます。まず遺言書の写しと、財産の中身を確かめるところから始めましょう」
金額の出し方は遺留分はいくらかのケース別計算で確認できます。
遺言書があるか確かめる方法は?
知らされていないなら、自分から確かめにいきます。
- 公証役場で、公正証書遺言があるか検索してもらう
- 法務局で、保管されている遺言書があるか証明書を請求する
- 家庭裁判所の検認の通知が届いていないかを確認する
- 戸籍を集めて、自分以外の相続人が誰かを確かめる
戸籍は、2024年3月1日から始まった広域交付で、本籍地以外の市区町村窓口でもまとめて請求できるようになりました。
『兄弟に聞いても教えてくれない』というケースは本当によくあります。そんな時も、公的な窓口に直接請求できるのは心強いですよね。検認の流れは自筆遺言を見つけたケース別の流れで確かめられます。
遺言の中身が分かり、遺留分を請求すると相続税の申告にも関わる、財産に土地が多い。こんなケースは、遺留分の金額と税金の負担を税理士にまとめて見てもらうと楽です。個別の判断は税理士に確認を。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
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よくある質問
公正証書遺言は相続人に通知されますか?
自動では通知されません。相続人が公証役場で検索を依頼すると、遺言があるかどうかを確かめられます。
遺言書の開示を求めることはできますか?
相続人なら、公正証書遺言の謄本や、法務局で保管された遺言書の証明書を請求できます。自筆の遺言書は検認の場で内容を確認できます。
知らないうちに相続税の申告期限が過ぎていたら?
申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。亡くなったことを後から知ったなら、その日から数えます。
まとめ
- 生前に遺言書の中身を家族に知らせる義務はない
- 公正証書遺言は自動では通知されず、公証役場で検索できる
- 法務局保管の遺言書は、閲覧等や指定者通知で相続人に伝わる
- 自筆の遺言書の検認では、相続人全員に期日が知らされる
- 知らされなかった子も遺留分を請求でき、知った時から1年が期限





