当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
相続税の申告をすることになったけれど、何の書類をそろえればいいのか分からない。国税庁の一覧を開いてみたら項目が多すぎて、手が止まってしまった方も多いですよね。
結論から言うと、どの家でも出す「基本の書類」は少しだけです。そこに、使う特例の分だけ書類が増えていきます。
この記事では、わが家のケースならどの書類が要るのかを、チェック表で確かめられるようにしました。
わが家のケースだと、どの書類が要る?
例えば、夫が亡くなり、妻と子2人が相続するケースです。財産が預貯金だけで特例を使わないなら、添付するのは「相続人全員が分かる戸籍の謄本(または法定相続情報一覧図の写し)」と「遺言書か遺産分割協議書の写し」が中心です。妻が配偶者の税額軽減を使うなら、相続人全員の印鑑証明書が加わります。自宅の土地に小規模宅地等の特例を使うなら、さらに特例の種類に応じた書類が増えます。
国税庁は、申告のときに出す主な書類を「提出書類一覧表」にまとめています。最新の版は国税庁「相続税の申告の際に提出していただく主な書類」で確認できます。
『全部の項目に目を通さないといけないの?』と不安になりますよね。実は、一覧表の大半は農地や非上場株式など、使う家が限られる特例の書類なんです。
3つのケースで、必要な書類の違いを並べてみます。
| ケース | 添付する主な書類 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 預貯金だけ・特例なし | 戸籍の謄本(または法定相続情報一覧図の写し)、遺言書か遺産分割協議書の写し、マイナンバーの本人確認書類の写し | どの家でも出す基本セット |
| 配偶者の税額軽減を使う | 基本セットに加えて、相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押したもの) | 税額が0円になっても申告と書類が要る |
| 自宅に小規模宅地等の特例を使う | 基本セットと印鑑証明書に加えて、住む人の状況に応じた書類 | 同居か、持ち家のない別居の子かで書類が変わる |

どの家でも出す「基本の書類」は何?
まずは、特例を使わない家でも出す書類から見ていきましょう。
- 亡くなった人のすべての相続人が分かる戸籍の謄本(相続開始の日から10日を過ぎた日以後に作ったもの)
- または、図の形式の法定相続情報一覧図の写し(子が実子か養子か分かる書き方のもの)
- 養子がいる場合は、その養子の戸籍の謄本か抄本
- 遺言書の写し、または遺産分割協議書の写し
- 申告書にマイナンバーを書いた人の本人確認書類の写し(番号確認と身元確認)
戸籍の束を何度も集めるのが大変なら、法務局で法定相続情報一覧図の写しを無料で交付してもらう方法があります。銀行や相続登記でも使い回せるので、相続人が多い家ほど楽になります!
本籍地が遠い場合は、戸籍証明書の広域交付も使えます。2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも、本人・配偶者・父母・子などの戸籍をまとめて請求できるようになりました。ただし、郵送や代理人での請求はできません。
e-Taxで申告するなら、本人確認書類の提示や写しの提出は要りません。
通帳のコピーや残高証明書は要るの?
『通帳を全部コピーして出さないといけないの?』という声はよく聞きます。
国税庁の提出書類一覧表には、通帳のコピーや残高証明書は入っていません。ただ、預貯金は相続開始日の残高で評価するので、その金額の根拠として残高証明書を取っておくと安心です。
通帳も、家族名義の預金が名義預金にあたらないかを確かめる材料になります。税務署から説明を求められた時に出せるよう、捨てずに保管しておきましょう。
「残高証明書って、全部の銀行で取るの?」
「口座がある銀行は全部です。取引がなさそうな銀行も、念のため問い合わせておくと抜けが防げますよ」
特例を使う家は、何が増える?
ここが大事なところです。特例は「申告して書類をつけた時だけ」使える仕組みなので、書類の漏れは税額に直結します。
配偶者の税額軽減を使うケース
例えば、妻が財産の多くを取得して、配偶者の税額軽減で妻の税額を0円にするケースです。
この場合は基本の書類に加えて、相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押したもの)が要ります。申告期限までに遺産分割がまとまらない時は、「申告期限後3年以内の分割見込書」も出しておきます。
『税金が0円なら、書類も出さなくていいのでは』と思いがちです。ただ、配偶者の税額軽減は申告して初めて使えるので、0円でも申告書と書類はそろえる必要があります。
自宅に小規模宅地等の特例を使うケース
自宅の土地に特定居住用宅地等の特例を使うと、330㎡まで評価額が80%減ります。そのぶん、書類も住む人の状況で変わります。
| ケース | 追加で出す主な書類 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 同居していた子が自宅の土地を取得 | 自分が住んでいることが分かる書類 | マイナンバーがあれば提出不要 |
| 持ち家のない別居の子が取得(いわゆる家なき子) | 相続開始前3年以内の住所が分かる書類、住んでいた家が自分や親族の持ち家でないことの書類など | 住所の書類はマイナンバーがあれば提出不要 |
| 親が老人ホームに入所していた | 親の戸籍の附票の写し、要介護認定などが分かる書類、施設の契約書の写しなど | 入所の事情によって特例が使えるかが変わる |
どのケースでも、基本の書類と相続人全員の印鑑証明書は出します。期限内に分割がまとまらない時の分割見込書も同じです。

要件を満たしているかどうかは、家族の住まいの経緯で細かく分かれます。使えるかは税理士に確認しておきましょう。
相続時精算課税を使っていた人がいるケース
生前に相続時精算課税で贈与を受けた人がいるなら、基本の書類に加えて、亡くなった人の戸籍の附票の写し(相続開始の日以後に作ったもの)が要ります。
書類集めはどの順番で進めると楽?
書類を集める順番を間違えると、同じ役所に何度も行くことになりがちです。おすすめの進め方はこうです。
- 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍と、相続人全員の戸籍を集める
- 法定相続情報一覧図を法務局で作ってもらう(任意)
- 預貯金の残高証明書、不動産の固定資産税評価証明書など、財産の金額が分かる書類を集める
- 遺産分割協議書を作り、相続人全員が実印を押して印鑑証明書をそろえる
- 使う特例ごとの追加書類を確認して集める
全体の流れは相続税申告の準備から提出までのケース別手順で、期限の数え方は亡くなった月別の申告期限の早見表で確かめられます。
綴じ方で気をつけること
国税庁の一覧表には、添付書類の出し方の注意も書かれています。
- 添付書類は機械で読み取るので、のりづけしない
- 複数枚になる時は、クリップ等で留めて出す
- 同じ書類が重なる時は、何枚も出さなくてよい
ホチキスで固く綴じたくなりますが、クリップで留めるのが基本です。
自分で集めるのが大変なケース
相続人が多くて戸籍が膨らむ家、不動産がいくつもある家、小規模宅地等の特例を使う家は、書類の種類も確認の手間も増えます。期限が近い時も、どの書類が足りないか見落としやすくなります。
こうしたケースは、申告書の作成と書類の確認をまとめて税理士に頼むと、集め直しの手間が減ります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
自力で申告できるかの目安は、相続税申告を自分でできる家のケース別判定で紹介しています。
よくある質問
相続税申告に通帳のコピーは必要ですか?
国税庁の提出書類一覧表には入っていません。ただ、預貯金の金額の根拠や名義預金の確認で説明を求められることがあるので、通帳は保管しておきましょう。
残高証明書は不要ですか?
一覧表の添付書類には入っていませんが、預貯金は相続開始日の残高で評価するため、金額の根拠として取っておくと安心です。定期預金は既経過利息も加えて評価します。
相続税が0円でも書類は出しますか?
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って0円になる場合は、申告が必要なので書類もそろえます。基礎控除以下でもともと0円なら、申告自体が不要です。
まとめ
- どの家でも出すのは、戸籍の謄本(または法定相続情報一覧図の写し)、遺言書か遺産分割協議書の写し、本人確認書類の写し
- 配偶者の税額軽減を使うなら、相続人全員の印鑑証明書が加わる
- 小規模宅地等の特例は、同居・持ち家のない別居の子・施設入所などのケースで追加書類が変わる
- 通帳のコピーや残高証明書は一覧表には無いが、金額の根拠として保管しておく
- 添付書類はのりづけせず、クリップ等で留める




