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『親の遺産って、みんなどれくらい相続しているんだろう』。自分の家と比べたくて、平均額を調べている方も多いはずです。
結論から言うと、国税庁が公表している平均は「相続税がかかった家」だけの数字で、ふつうの家の目安にはなりにくいんです。この記事では、その平均の読み方と、家族構成と遺産額から自分がもらえる額を出す方法を見ていきます。
相続の平均額は、結局いくらなの?
国税庁の令和5年分のデータでは、相続税がかかった人の遺産(課税価格)の平均は、亡くなった人1人あたり1億3,891万円です。ただ、相続税の対象になったのは亡くなった人の9.9%だけ。申告はしたけれど税額が出なかったケースの平均は5,065万円でした。自分の取り分は「遺産額×その人の取り分」で考えるほうが実感に合います。
数字を並べると、こうなります。
| 国税庁の数字(令和5年分) | 金額・人数 |
|---|---|
| 亡くなった人の数 | 1,576,016人 |
| 相続税がかかった人(被相続人) | 155,740人 |
| 課税割合 | 9.9% |
| 1人あたりの課税価格(相続税がかかったケース) | 1億3,891万円 |
| 1人あたりの課税価格(申告したが税額が出なかったケース) | 5,065万円 |
| 1人あたりの相続税額(相続税がかかったケース) | 1,930万円 |
出典は国税庁「令和5年分 相続税の申告事績の概要」です。
『平均1億円超え?うちとは全然違う…』と感じた方もいますよね。それで大丈夫なんです。
この平均は、相続税がかかった9.9%の家だけで計算したものです。残りの90.1%の家は、遺産が基礎控除以下などで相続税がかからず、この数字に入っていません。
もう1つ、この「1人あたり」は、亡くなった人1人あたりの遺産の合計です。相続人が何人かで分ければ、1人がもらう額はその何分の1かになります。
ちなみに、真ん中の値(中央値)はこの資料には出ていません。平均は金額の大きい家に引っ張られるので、ふつうの家の感覚より高めに出やすいと覚えておきましょう。
相続財産の中身はどうなっている?
相続税がかかった家の財産は、何が多いのでしょうか。同じ資料に、財産の内訳の割合が出ています。
| 財産の種類 | 割合(令和5年分) |
|---|---|
| 現金・預貯金等 | 35.1% |
| 土地 | 31.5% |
| 有価証券 | 17.1% |
| 家屋 | 5.0% |
| その他 | 11.4% |

現金・預貯金と土地を合わせると、全体の66.6%を占めています。つまり、遺産の額はお金だけで決まるわけではありません。
例えば、預金は少なくても、都市部に自宅の土地がある家は遺産額が大きくなりやすいです。逆に、預金が多くても土地が地方なら、全体はそれほど大きくならないこともあります。
家族構成と遺産額で、1人いくらもらえる?
ここからが本題です。平均よりも、自分の家の遺産額と家族の形で考えたほうが、もらえる額のイメージがつかめます。
遺産を法定相続分どおりに分けた場合の、1人あたりの相続額と納める相続税を計算しました。
| 遺産額(課税価格) | 家族の形 | 1人あたりの相続額 | 1人あたりの相続税 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 配偶者と子2人 | 配偶者1,500万円・子750万円ずつ | 全員0円(申告不要) |
| 3,000万円 | 子1人 | 3,000万円 | 0円(申告不要) |
| 5,000万円 | 配偶者と子2人 | 配偶者2,500万円・子1,250万円ずつ | 配偶者0円・子5万円ずつ |
| 5,000万円 | 子2人 | 2,500万円ずつ | 40万円ずつ |
| 5,000万円 | 子1人 | 5,000万円 | 160万円 |
| 1億円 | 配偶者と子2人 | 配偶者5,000万円・子2,500万円ずつ | 配偶者0円・子157万5,000円ずつ |
| 1億円 | 子2人 | 5,000万円ずつ | 385万円ずつ |
| 1億円 | 子1人 | 1億円 | 1,220万円 |

同じ1億円でも、子1人で相続すると1,220万円、子2人なら1人385万円です。相続人が多いほど基礎控除が増え、1人あたりの税率も下がるからなんです。
配偶者がいる家では、配偶者の税額軽減で配偶者の分は0円になります。ただし、この軽減を使うには申告が要ります。
「親の遺産で1億円近く入った」ケースはどう考える?
『親の遺産で1億円近く入ったけど、これって多いの?』という声もあります。先ほどの平均と比べてみましょう。
例えば、父が先に亡くなっていて、母の遺産1億円を子2人で相続するケースです。
| 計算の段階 | 金額 |
|---|---|
| 課税価格の合計 | 1億円 |
| 基礎控除(相続人2人) | 4,200万円 |
| 課税遺産総額 | 5,800万円 |
| 相続税の総額 | 770万円 |
| 1人あたりの相続額 | 5,000万円 |
| 1人あたりの納付額 | 385万円 |
遺産全体の1億円は、相続税がかかった家の平均(1億3,891万円)より少ないです。ただ、相続税の対象は亡くなった人の9.9%なので、全体で見れば大きな相続だと言えます。
ここで気を付けたいのが、相続額と手元に残るお金は違うという点です。1億円のうち土地が多いと、相続税を現金で納めるための預金が足りないこともあります。
相続税は10か月以内に原則現金一括で納めます。土地を売って納めるのか、延納を使うのかも、早めに考えておきましょう。
自分の家の相続額を見積もる手順
平均と比べるより、自分の家の数字を出してみるほうが役に立ちます。手順はシンプルです。
- 誰が相続人になるかを確認する(配偶者、子、親、兄弟姉妹の順)
- 財産を書き出す(預金・自宅の土地と建物・株・保険など)
- 借金や葬式費用を差し引く
- 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比べる
- 法定相続分で分けた時の1人あたりの額を出す
例えば、家族でこんな会話になることがあります。
「実家の土地って、いくらぐらいなんだろう」「路線価を見れば目安が分かるらしいよ」
土地は、市街地なら国税庁が毎年7月1日に公表する路線価で評価します。家族構成と財産を1枚にまとめるやり方は、相続の全体図の作り方で紹介しています。
遺産がそれほど多くない家の手続きは、遺産が少ない場合の相続が参考になります。
計算してみて基礎控除を超えそうな家や、土地の評価が難しそうな家は、税理士に一度見てもらうと安心です。特に相続人が1人だけで税額が大きくなるケースは、特例が使えるかで納める額が変わります。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
相続の平均額は、ふつうの家の目安になりますか?
なりにくいです。国税庁が公表している1人あたり1億3,891万円は、相続税がかかった家(亡くなった人の9.9%)だけの平均です。自分の家の遺産額と家族構成で計算したほうが、実感に近い数字になります。
相続の中央値は分かりますか?
国税庁の「相続税の申告事績の概要」には中央値は出ていません。平均は遺産の多い家に引っ張られるので、高めに出やすい点に注意しておきましょう。
遺産が5,000万円なら、子1人あたりいくらもらえますか?
法定相続分どおりなら、子2人だけで相続すると2,500万円ずつで相続税は40万円ずつ、配偶者と子2人なら子は1,250万円ずつで相続税は5万円ずつです。実際の取り分は遺言や話し合いで変わります。
まとめ
- 相続税がかかった家の遺産の平均は、亡くなった人1人あたり1億3,891万円(令和5年分)
- 相続税の対象は亡くなった人の9.9%で、平均はふつうの家より高めに出る
- 相続財産は現金・預貯金等35.1%、土地31.5%が中心
- 1億円を子2人で相続すると1人5,000万円、相続税は385万円ずつ(法定相続分どおり)
- 平均と比べるより、家族構成と遺産額から自分の取り分を出すほうが役に立つ




