遺言書の効力はどこまで?相続で無効になるケース・ならないケース

相続で遺言書の効力が及ぶ範囲と、無効になるケース・ならないケースを判定する記事のアイキャッチ

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親の遺言書が見つかったけれど、『これって本当に有効なの?』と気になっていませんか。日付があいまいだったり、内容に納得できなかったりすると、なおさらですよね。

結論から言うと、遺言書は形式を守っていれば強い効力があり、遺産の分け方は原則として遺言のとおりになります。ただ、形式の不備で無効になるケースや、効力が及ばない部分もあるんです。この記事では、有効・無効の分かれ目をケースで判定していきます。

目次

遺言書の効力は、どこまで及ぶ?

このケースの結論

自筆の遺言書なら、全文・日付・氏名を自分で書いて押印してあれば、形式の面では有効です。有効な遺言書があれば、誰がどの財産を受け取るかは遺言のとおりになります。ただし、子や配偶者の遺留分までは奪えず、遺言で外された相続人は金銭で遺留分を請求できます。

遺言書で決められるのは、財産の分け方だけではありません。

  • 誰にどの財産を相続させるか、遺贈するか
  • 相続分の割合を決めること
  • 遺言執行者を決めること
  • 子を認知すること
  • 特別受益の持ち戻しを免除すること

一方で、「兄弟仲よく暮らすこと」「葬儀は家族だけで」といった希望は、気持ちとしては伝わっても、法的に従わせる効力はありません。

持ち戻しの免除については持ち戻しの計算で詳しく見られます。

無効になるケース・ならないケースの判定表

ケース判定理由・注意
本文をパソコンで作り、署名だけ自筆無効自筆証書遺言は全文の自書が必要
財産目録だけパソコン・通帳コピー有効2019年1月13日以降に作った遺言書で、各ページに署名押印があれば認められる
日付が「令和〇年〇月吉日」無効日付が特定できない
押印がない無効自書と押印が必要
夫婦で1枚の遺言書を連名で作った無効2人以上が同じ書面ですることはできない
書いた時に認知症が進み判断能力がなかった無効になりうる医師の記録や当時の様子で争われる
遺留分を侵害する内容有効遺言自体は有効。侵害された人は金銭で請求できる
公正証書遺言形式の不備は起きにくい公証役場で証人2人の立ち会いのもと作る
自筆の遺言書の形式ごとに、有効・無効を判定したケース別の分岐表

『家庭裁判所で検認したから、有効ってことですよね?』と思う方は多いはずです。実は、検認は遺言書の状態を記録する手続きで、有効かどうかを判断するものではないんです。

「母の字じゃない気がするんですが、検認が済んだら争えないんですか?」
「検認は有効・無効を決める場ではありません。無効だと考えるなら、別に話し合いや裁判で争うことになります」

検認の流れは自筆遺言を見つけたケース別の流れで確認できます。

書き直しや、相続人が先に亡くなったケースは?

遺言書は、何度でも書き直せます。新旧の遺言書で内容がぶつかる部分は、新しいほうが優先されます。ぶつからない部分は、古いほうもそのまま有効です。

例えば、5年前の遺言書に「自宅は長男、預金は次男」、去年の遺言書に「自宅は長女」と書かれていたケース。自宅は新しい遺言書のとおり長女に、預金は古い遺言書のとおり次男に渡ります。

書き直す時は、古い遺言書を撤回する一文を入れておくと、どちらが有効かで迷いません。

もう一つ迷いやすいのが、受け取るはずの人が先に亡くなったケースです。

例えば、「自宅を長男に相続させる」と書いた父より先に、長男が亡くなっていたケース。この場合、その部分は原則として効力を失い、長男の子が当然に引き継ぐわけではありません。自宅は、相続人全員の話し合いで分けることになります。

これは公正証書遺言でも同じです。『長男が先に亡くなったら孫に』と書き添えておく(予備的な遺言)と、この問題を避けられます。

ケース結論注意
新しい遺言書と古い遺言書があるぶつかる部分は新しいほうが優先日付の新旧で判断する
遺言で相続させる人が先に亡くなったその部分は原則として効力を失う予備的な遺言があればそれに従う
相続人全員が遺言と違う分け方に合意分け直せることが多い遺言執行者がいる場合や受遺者がいる場合は確認が要る

遺留分の金額は遺留分はいくらかのケース別計算で確かめてみてください。

遺言のとおりに分けると相続税の申告が要る、遺留分の請求で取得額が変わりそう、不動産の評価が絡む。こんなケースは、税金の計算を税理士にまとめて頼むと楽です。個別の判断は税理士に確認を。

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よくある質問

遺言書があっても、遺産分割協議はできますか?

相続人全員(受遺者がいればその人も)が合意すれば、遺言と違う分け方にできることが多いです。遺言で分割が禁止されている場合などは別です。

遺言書の効力に期限はありますか?

遺言書そのものに有効期限はありません。何年前に書いたものでも、形式を満たしていれば有効です。

法務局に保管した自筆の遺言書なら、無効になりませんか?

保管の時に形式は確認されますが、内容が有効かまでは保証されません。判断能力などで争いになることはあります。

まとめ

この記事の要点
  • 形式を守った遺言書があれば、遺産の分け方は原則として遺言のとおりになる
  • 本文のパソコン作成・「吉日」の日付・押印なしは無効
  • 財産目録はパソコンや通帳コピーでもよく、各ページに署名押印する
  • 検認は有効・無効を決める手続きではない
  • 受け取る人が先に亡くなった部分は効力を失うので、予備的な遺言で備える
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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