相続分割協議書はケースで文面が変わる|不動産あり・預金のみ・代償分割の文例

相続分割協議書の文例をケース別に紹介する記事のアイキャッチ

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家族で遺産の分け方が決まって、『この内容を書面にするには、どう書けばいいの?』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、相続分割協議書は「誰が・何を・どれだけ取得するか」が書いてあれば、決まった様式はありません。この記事では、不動産あり・預金のみ・代償分割のケースごとに文例を見ていきます。

目次

わが家のケースでは、どんな文面になる?

このケースの結論

自宅を長男が継ぐなら、不動産を登記記録どおりに書き、「長男が単独で相続する」と書きます。預金だけを分けるなら、金融機関名・支店名・口座番号まで書いて取得する人と金額や割合を決めます。家を継ぐ人がほかの相続人にお金を払う代償分割なら、払う金額と期限も書いておきます。

遺産分割協議書は、相続人全員で話し合って決めた内容の記録です。法律上の決まった書式はありませんが、登記や銀行の手続きで使うので、読み違えのない書き方にしておく必要があります。

ケース文面に入れる中心注意
不動産あり(母と子2人・自宅を長男)土地・建物の所在・地番・家屋番号など登記事項証明書のとおりに書く
預金のみ(子3人で均等に分ける)金融機関名・支店名・口座の種類・番号割合で書くか金額で書くかを決める
代償分割(長男が家を取得し次男に払う)取得する財産と、払う金額・期限払わなかった時に揉めないよう期限まで
代襲相続(亡くなった長男の子が参加)孫の氏名と、代襲相続人であること孫も署名・実印が必要
不動産あり・預金のみ・代償分割の3つのケースで、遺産分割協議書に書く財産と取得者がどう変わるかを並べた財産の内訳バー

不動産がある場合の文例

特に多いのが、このケースですよね。

例えば、父が亡くなり、母と長男・長女が相続人で、自宅を長男が継ぐケース。法務局の相続登記の記載例(遺産分割)には、協議書の例が載っています。それを参考にすると、次のような文面になります。

文例(不動産を長男が相続する場合)

令和〇年〇月〇日、〇〇市〇〇町〇番地 〇〇〇〇の死亡によって開始した相続の共同相続人である〇〇花子、〇〇一郎及び〇〇温子は、本日、その相続財産について、次のとおり遺産分割の協議を行った。
相続財産のうち、下記の不動産は、〇〇一郎が単独で相続する。
この協議を証するため、本協議書を3通作成して、それぞれに署名、押印し、各自1通を保有するものとする。
(日付・相続人全員の住所・署名・実印)
記
土地 所在 〇〇市〇〇町一丁目 / 地番 23番 / 地目 宅地 / 地積 123.45平方メートル
建物 所在 〇〇市〇〇町一丁目23番地 / 家屋番号 23番 / 種類 居宅 / 構造・床面積

『住所で書けば分かるんじゃない?』と思うかもしれません。

不動産は、住居表示の住所ではなく、登記記録の所在・地番・家屋番号で書きます。登記事項証明書を取って、そのとおりに書き写すのが近道です。

預金だけを分ける場合の文例

家がなく、預金だけを分けるケースも多いですよね。

例えば、母がすでに亡くなっていて、父の預金を子3人で分けるケース。口座ごとに誰が取得するかを書くか、全部をまとめて割合で書くかを決めます。

文例(預金を3人で均等に分ける場合)

1 下記の預金は、〇〇一郎、〇〇次郎及び〇〇花子が各3分の1の割合で取得する。
〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇〇
2 本協議書に記載のない財産が後日判明した場合は、〇〇一郎が取得する。

「金額で書いた方が分かりやすくない?」
「利息がついて端数が出るから、割合の方が楽だよ」

亡くなった日の残高と、解約する時の金額は少しずれることがあります。金額で書くと端数の扱いで揉めやすいので、割合で書く家が多いんです。

2つ目の「後日判明した財産」の一文は、入れておくと安心です。あとから口座が見つかった時に、もう一度全員で協議書を作り直さずに済みます。

代償分割・代襲相続の場合の文例

自宅しか大きな財産がなく、家を継ぐ人がほかの相続人にお金を払うのが代償分割です。

文例(代償分割の場合)

1 下記の不動産は、〇〇一郎が取得する。
2 〇〇一郎は、前項の不動産を取得する代償として、〇〇次郎に対し金〇〇〇万円を令和〇年〇月〇日までに支払う。

払う金額だけでなく、期限と払い方まで書いておくと、後のトラブルを防げます。

代襲相続がある場合は、亡くなった子の代わりに孫が協議に加わります。孫が未成年なら、親が代理人として加わるのが基本ですが、親自身も相続人の時は特別代理人が必要になることがあります。

例えば、父が亡くなる前に長男が亡くなっていて、長男の子(成人の孫)が代わりに加わるケース。前文の相続人の並びに、孫を代襲相続人として書き入れます。

文例(代襲相続人が加わる場合の前文)

令和〇年〇月〇日、〇〇〇〇の死亡によって開始した相続の共同相続人である〇〇花子、〇〇次郎及び〇〇太一(被相続人の長男〇〇一郎の代襲相続人)は、本日、その相続財産について、次のとおり遺産分割の協議を行った。

代襲が入ると、相続人の数や法定相続分が変わります。誰が相続人かを先に戸籍で固めてから協議書を書き始めるのが、作り直しを防ぐコツです!

作る時に確認したいこと

『全員が集まれないけど、どうやって署名をもらうの?』という方もいますよね。

全員が1枚の協議書に署名押印する方法のほか、同じ内容の協議書を郵送で回して署名押印してもらう方法もあります。相続人ごとに同じ内容の書面を作り、それぞれが署名押印する形をとる家もあります。

協議書を作る時のチェック
  • 相続人全員が協議に加わり、全員が署名と実印の押印をしているか
  • 相続人全員の印鑑証明書を用意したか(相続登記では有効期限なし)
  • 不動産は登記事項証明書のとおり、預金は口座番号まで書いたか
  • ページが複数ならつづり目に契印をしたか
  • 人数分作り、各自が1通ずつ持つようにしたか

相続登記に出す書類全体は相続登記の必要書類のケース別チェックリスト、相続人の関係を図にする方法は相続関係説明図のケース別記入例で確認できます。

遺産分割には法律上の期限はありません。ただ、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなり、原則として法定相続分で分けることになります。相続税がかかる家では、申告期限の10か月までにまとまるかどうかで、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例の使い方も変わってきます。

不動産があって評価が分からない、代償金の額で話がまとまらない、相続税の申告期限が近い。こんなケースは、協議書を作る前に税金の面から専門家に相談すると、分け方を決めやすくなります。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

遺産分割協議書のひな形はどこでもらえますか?

法務局のホームページにある相続登記の記載例(遺産分割)に、協議書の例が入っています。Word形式でもダウンロードできるので、名前や財産を書き換えて使えます。

遺産分割協議書は自分で作成しても大丈夫ですか?

自分で作れます。決まった様式はなく、手書きでもパソコンでも構いません。相続人全員の署名と実印、印鑑証明書がそろっていることが大切です。

相続人の1人が協議書への署名を拒んだらどうなりますか?

遺産分割協議は相続人全員の合意が必要なので、1人でも欠けると成立しません。話し合いでまとまらない時は、家庭裁判所の調停、それでも決まらなければ審判で分けることになります。

まとめ

この記事の要点
  • 協議書は「誰が・何を・どれだけ取得するか」が分かれば様式は自由
  • 不動産は登記記録どおり、預金は口座番号まで書く
  • 預金は割合で書くと端数で揉めにくい。後日判明した財産の一文も入れておく
  • 代償分割は払う金額と期限まで書く
  • 相続人全員の署名・実印と印鑑証明書がそろって初めて手続きに使える
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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