親を長年介護してきた長女は遺産を多くもらえる?寄与分の目安

親を介護してきた長女が寄与分で遺産を多く受け取れるかを解説する記事のアイキャッチ

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何年も親の介護をしてきたのに、遺産は兄弟と同じ割合。それでは納得できない、という気持ちになりますよね。

結論から言うと、介護によって親の財産が減らずに済んだと言える場合は、「寄与分」として多めに受け取れる可能性があります。ただ、介護をしたというだけで自動的に増えるわけではないんです。

この記事では、介護の関わり方が違う2つのケースで、寄与分が認められやすいかと、取り分の計算を見ていきます。

目次

介護してきた長女は、本当に多くもらえる?

このケースではこうなる

例えば、母が亡くなり、相続人は長女・長男・次男の3人。長女が仕事を辞めて何年も自宅で母を介護し、その分ヘルパーや施設の費用がかからなかったケースです。この場合は寄与分が認められる可能性があり、兄弟で寄与分の額に合意できれば、長女はその分を上乗せして受け取れます。

寄与分は、相続人のうち親の財産の維持や増加に特別に貢献した人が、法定相続分より多く受け取れる仕組みです。

ここで大事なのは「特別に」という部分です。親子には、もともと助け合う義務があります。だから、通院の付き添いや時々の買い物など、家族として普通の範囲の手助けは寄与分になりにくいんです。

『こんなに大変だったのに、普通の範囲なの?』と感じる方もいるはずです。その気持ちは自然です。ただ、判断の目安になるのは「大変さ」よりも「お金で頼んでいたらいくらかかったか」という点なんです。

介護の関わり方で、結論はどう変わる?

よくある介護のケースを比べてみます。寄与分が認められるかどうかは、最終的には話し合いか家庭裁判所の判断になります。

ケース寄与分の見込み理由・注意
仕事を辞め、要介護の母を自宅で何年も無償で介護認められる可能性がある長期間・無償・介護に専念、という条件がそろいやすい
週に1〜2回通い、買い物や通院に付き添った認められにくい家族として通常期待される範囲と見られやすい
介護の間、母の年金から生活費をもらっていた減らされることがある無償とは言いにくく、受け取った分を差し引いて考える
長男の妻が義母を介護した寄与分ではなく特別寄与料相続人ではない親族は、相続人に金銭を請求する
遺産3,000万円を子3人で分ける時に、寄与分を300万円とした場合の長女と兄弟の取り分を比べた計算シート

寄与分があると、取り分はどう計算する?

遺産から寄与分を先に引き、残りを法定相続分で分けて、介護した人に寄与分を足します。寄与分の額に決まった相場はないので、ここでは兄弟の話し合いで仮に300万円と決まった例で計算します。

項目寄与分なし寄与分300万円で合意
遺産の額3,000万円3,000万円
寄与分を引いた残り3,000万円2,700万円
長男・次男の取り分(各1/3)各1,000万円各900万円
長女の取り分1,000万円900万円+300万円=1,200万円

寄与分は、遺産分割での取り分の話です。相続税は、実際にそれぞれが受け取った額に応じて按分して計算します。

寄与分を主張する時は、どう進める?

まずは兄弟の話し合いで伝えます。その時に役立つのが、介護の中身が分かる記録です。

寄与分を伝える前にそろえたい記録
  • 要介護認定の結果と、介護サービスの利用状況が分かる書類
  • 介護をした期間と、1日の流れを書いたメモや日誌
  • 仕事を辞めた・勤務時間を減らした時期が分かるもの
  • 介護のために自分で払った費用の領収書

例えば、こんな伝え方なら話し合いが進みやすくなります。

「5年間、毎日つきっきりだった分を、少しだけ考えてもらえないかな」
「記録があるなら、一度見せてもらえる?」

ここで気をつけたいのは、感情だけで伝えないことです。「大変だった」よりも「何年間、どんな介護を、どのくらいの頻度でしたか」を具体的に話すと、兄弟も受け止めやすくなります。

話し合いでまとまらなければ、家庭裁判所の調停や審判で決めてもらうことになります。

もう1つ注意したいのが時間です。相続開始から10年を過ぎると、原則として寄与分を主張できなくなり、法定相続分で分けることになります。

介護の記録が多い・兄弟の考えが分かれている・遺産に実家の土地がある、という場合は、取り分の計算と相続税の申告をあわせて専門家に相談すると、話し合いの材料もそろえやすくなります。

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兄弟が多い家の話し合いの進め方は兄弟が5人以上いる家の相続の段取り、親と同居していた場合の自宅の扱いは親と同居していた子は家を優先して相続できるかで見ています。

よくある質問

寄与分の金額に相場はありますか?

決まった相場はありません。介護を外部に頼んだ場合の費用などを参考に、介護の期間や内容を踏まえて話し合いや家庭裁判所の判断で決まります。

長男の妻が介護していた場合、妻は何か受け取れますか?

相続人ではないので寄与分はありませんが、特別寄与料として相続人に金銭を請求できます。相続の開始と相続人を知った時から6か月、相続開始から1年以内という期限があります。

母が遺言で長女に多く遺してくれた場合はどうなりますか?

遺言で多く受け取ることはできます。ただ、ほかの兄弟には遺留分があるので、遺留分を下回ると金銭での請求を受けることがあります。

まとめ

この記事の要点
  • 介護で親の財産が減らずに済んだと言える場合、寄与分として多く受け取れる可能性がある
  • 家族として普通の範囲の手助けは、寄与分になりにくい
  • 寄与分は遺産から先に引き、残りを法定相続分で分けて上乗せする
  • 介護の記録をそろえ、相続開始から10年を過ぎる前に主張する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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