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親が亡くなってしばらくすると、市役所から「相続人代表者指定届」の用紙が届くことがあります。『固定資産税のこと?誰の名前を書けばいいの?』と戸惑いますよね。
結論から言うと、これは固定資産税の通知を受け取る窓口役を決める届出です。名義変更とは別物なので、相続人のうち連絡がつきやすい人を選べば大丈夫です。
この記事では、家族の状況ごとに誰を代表者にするかと、記入のポイントを確認できます。
相続人代表者指定届は何のために出す?
相続人代表者指定届は、亡くなった人あての固定資産税の納税通知書などを受け取る相続人を、市区町村に知らせる届出です。不動産の名義を変える手続きではありません。家に住み続ける人や、書類の管理がしやすい人を代表者にするのが一般的です。
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に市区町村が課税します。所有者が亡くなると、納税の義務は相続人に引き継がれます。
ただ、相続人が何人もいると、市区町村は誰に通知を送ればいいか分かりません。そこで、代表して受け取る人を決めてもらうわけです。
多くの市区町村では、この届出が「固定資産現所有者申告書」と1枚になっています。現所有者とは、相続登記が済むまでの間、実際にその土地や家を持っている人のことです。
例えば、茨城県ひたちなか市の案内では、この届出は書類を受け取る代表者を決めるもので、相続手続き(名義変更)自体を行うものではないと説明されています(ひたちなか市の案内)。
誰を代表者にする?家族のケース別に見ると
『長男が書くものだと思っていた』という方も多いはずです。実は、決まった順番はありません。
| ケース | 代表者に向いている人 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 同居していた子がそのまま住む | 同居の子 | 通知がその家に届き、支払いも続けやすい |
| 母が健在だが書類の管理が負担 | 近くに住む子 | 母に代わって通知を受け、家族で負担を分ける |
| 相続人が遠方に散らばっている | 不動産のある地域に近い人 | 市役所とのやり取りや現地の確認がしやすい |
| 相続放棄した人がいる | 放棄していない相続人 | 放棄した人には納税の義務が引き継がれない |
代表者になっても、その人が税金を一人で背負うと決まるわけではありません。誰がどれだけ負担するかは、相続人どうしで話し合っておきましょう。
「通知はわたしの家に届くようにするね」
「じゃあ、払った分はあとで精算しよう」
こんなふうに、受け取る人と払う人の分担を先に話しておくと、後でもめにくくなります。
なお、山口県萩市の案内では、届出がない場合は相続人のうち1人を市が代表者に指定することがあるとされています。家族の考えと違う人が選ばれる前に、出しておくと安心です。

指定届の書き方と提出先は?
様式は市区町村ごとに違いますが、書く内容はだいたい共通しています。
- 亡くなった人の住所・氏名・亡くなった日
- 代表者の住所・氏名・続柄・連絡先
- 届出をする人の住所・氏名
- 相続人の氏名や続柄(様式によって欄がある)
- 現所有者申告と一体の様式なら、現所有者の氏名と持分
神戸市の案内では、届出に相続人全員の連署は要らず、届出をする人が相続人だと確認できればよいとされています。あわせて、本人確認書類や戸籍謄本の写しなど、相続関係が分かる書類を求められます。
提出先は、亡くなった人の不動産がある市区町村の税務担当の窓口です。郵送で受け付けるところも多いです。
不動産が2つの市にまたがっているなら、それぞれの市区町村に出します。ここは見落としがちなところです。
戸籍は、被相続人の戸籍謄本の集め方を参考にそろえてみてください。
期限はいつまで?出し忘れた時は?
期限は、全国一律ではありません。市区町村の条例や案内で決まっています。
例えば、ひたちなか市や福岡県太宰府市の案内では、亡くなったことや自分が現所有者であることを知った日の翌日から3か月を経過した日までとされています。届いた用紙や市区町村の案内を確認してみてください。
『期限を過ぎてしまった』という場合も、まずは窓口に連絡して出せば大丈夫なことが多いです。黙っていると、市が代表者を決めることもあります。
代表者を後から変えたい時は、変更届を出せる市区町村が多いです。遺産分割で家を相続する人が決まったら、その人に変えておくと分かりやすいですね。
相続登記が済むと、その後の1月1日を基準に、新しい名義人あてに通知が届くようになります。登記の流れは相続登記で使う遺産分割協議書の書き方で確認できます。
不動産が複数の市区町村にある、相続人が多くて話がまとまらない、相続税の申告もしそうだ。そんなケースは、税理士に相続全体の段取りを相談すると楽です。
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よくある質問
相続人代表者指定届を出すと、その人が家を相続したことになりますか?
なりません。固定資産税の通知を受け取る代表者を決める届出で、名義変更とは別の手続きです。誰が相続するかは遺産分割協議で決め、相続登記をします。
相続人全員のハンコが要りますか?
神戸市のように、相続人全員の連署は不要としている市区町村があります。必要な書類は様式や案内で確認してみてください。
相続放棄をした場合も届出が要りますか?
家庭裁判所で相続放棄をした人には固定資産税の納税義務は引き継がれません。萩市のように、相続放棄申述受理通知書などの写しの提出を案内している市区町村もあります。
まとめ
- 相続人代表者指定届は、固定資産税の通知を受け取る代表者を決める届出
- 名義変更ではないので、連絡がつきやすく書類を管理しやすい人を選ぶ
- 相続人全員の連署が要らない市区町村もある
- 期限は市区町村ごとで、知った日の翌日から3か月を経過した日までとする例がある
- 出さないと市が代表者を指定することがある





