兄弟が親の財産を隠しているかもしれない時の調べ方

兄弟が親の財産を隠しているかもしれない時の調べ方を解説する記事のアイキャッチ

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親と同居していた兄が、通帳を見せてくれない。「財産はこれだけ」と言われても、なんだか少なすぎる気がする。そんなモヤモヤを抱えている方も多いはずです。

結論から言うと、相続人であれば、兄弟の協力がなくても親の財産をかなりの所まで自分で調べられます。預金なら金融機関、不動産なら市区町村と法務局が窓口です。

この記事では、財産の種類ごとの調べ方と、見つかった後に話し合いをどう進めるかが分かります。

目次

兄弟が財産を見せてくれない。自分で調べられる?

このケースの結論

調べられます。預金は、親が口座を持っていた金融機関に、相続人として残高証明書や取引履歴を請求できます。兄が通帳を持っていても関係ありません。取引履歴で生前の大きな引き出しが見つかれば、遺産分割の話し合いで精算を求めたり、別に返還を求めたりする道があります。

よくある3つのケースで、何から手を付けるかを並べてみます。

ケースまず調べること理由・注意
同居の兄が通帳を管理していて、見せてくれない心当たりの金融機関に残高証明書と取引履歴を請求相続人なら単独で請求できる。手数料がかかる
親が施設に入っていた数年間に、口座から引き出しが続いていた取引履歴で日付・金額・引き出し方を確認施設費など親のための支出もあるので、使い道を兄に説明してもらう
兄が「財産は預金だけ」と言うが、土地や株があったはず名寄帳・登記事項証明書・証券口座の照会預金以外は、窓口がそれぞれ違う

『兄を疑うようで気が引ける…』と感じますよね。ただ、財産の一覧をはっきりさせるのは、兄弟どちらのためにもなることなんです。

預金・不動産・株・保険の財産ごとに、相続人が問い合わせる窓口と取れる書類を並べたケース別の表

財産の種類ごとの調べ方

調べる時は、まず戸籍で自分が相続人であることを示す書類をそろえます。法務局の法定相続情報証明制度を使うと、戸籍の束の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を無料で何枚も出してもらえるので、窓口をいくつも回る時に便利です。

財産窓口取れるもの
預貯金親が口座を持っていた銀行・信用金庫・ゆうちょ銀行残高証明書、過去の取引履歴
不動産不動産がある市区町村(固定資産税の担当)、法務局名寄帳(その市区町村にある親名義の不動産の一覧)、登記事項証明書
株・投資信託証券会社。どこか分からない時は証券保管振替機構口座のある証券会社の情報、残高
生命保険保険会社。どこか分からない時は生命保険協会の照会制度契約があるかどうか
借金信用情報機関ローンやカードの契約状況

どの金融機関か分からない時は、親の郵便物・カレンダー・粗品のタオルなどがヒントになります。自宅近くや勤め先近くの銀行に順に問い合わせる方法もあります。

不動産は、市区町村ごとの名寄帳で、固定資産税がかかっている親名義の土地・建物をまとめて確認できます。親が住んでいなかった地方の土地も、その市区町村に請求すれば分かります。

取引履歴で「引き出し」が見つかったら

取引履歴を取ると、亡くなる前に大きなお金が引き出されていた、という事実が分かることがあります。

ただ、引き出し=隠したとは限りません。施設の費用、入院費、生活費など、親のために使ったお金もあるからです。まずは兄に、使い道を聞いてみましょう。

例えば、こんなやり取りです。

「この3年で口座から1,000万円くらい出ているけど、何に使ったか分かる?」

「施設の費用と、家の修理代。領収書は箱にまとめてあるよ」

説明と領収書がそろえば、それで話は終わります。説明できない分が残った時が、次の段階です。

引き出しの中身扱い注意
施設費・医療費など、親のための支出遺産から差し引かれた正当な支出領収書などで確かめる
親が兄に渡したと分かるお金生前贈与。特別受益として持ち戻しを求められることも親の意思で渡したかが争点
兄が無断で自分のために使ったお金遺産分割の中で精算するか、別に返還を求める話し合いで解決しなければ弁護士へ

遺産分割協議書に入れておきたい1文

調べ尽くしたつもりでも、後から口座や土地が出てくることはあります。そこで、遺産分割協議書には「後日見つかった財産を誰が取得するか」を書いておくと安心です。

例えば「本協議書に記載のない財産が後日判明した場合は、相続人全員で改めて協議する」と書く方法があります。隠されていた財産が後で出てきた時に、話し合いをやり直す根拠になるんです。

逆に「後で見つかった財産はすべて兄が取得する」と書くと、兄が隠していた財産まで兄のものになりかねません。この1文は、署名する前に読み直しておきましょう。

援助や贈与を持ち戻す計算は、援助を受けた兄弟がいる時の遺産分割で具体例を見られます。

財産隠しは、相続税の面でも危ない

兄弟の間の問題だけでは済まないのが、相続税です。財産を隠して申告すると、税務調査で見つかった時に、相続人全員が追徴を受ける可能性があります。

国税庁の「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」では、実地調査9,512件のうち、申告漏れなどが見つかった割合は82.3%、1件当たりの追徴税額は867万円でした。

『家族名義の口座だからセーフ』ということもありません。家族名義でも、実際は親のお金なら名義預金として相続財産に入ります。

気をつけたいこと

兄が隠した財産でも、相続税の申告書は相続人がそれぞれ出すものです。申告漏れが見つかると、過少申告加算税や延滞税がかかることがあります。分かっている財産は漏れなく書き出しておきましょう。

相続税の申告・納付の期限は、亡くなった日の翌日から10か月以内です。財産の全体が分からないまま期限が近づいたら、分かっている範囲で申告し、後から見つかった分は修正申告で直す形になります。

財産の全体が見えず、相続税の申告も心配な人へ

預金が複数の銀行に分かれている・不動産がいくつもある・名義預金がありそう・兄弟が協力してくれない。こんなケースは、財産の洗い出しから相続税の申告までを税理士に任せると、漏れを防ぎやすくなります。

税理士が作った財産目録があれば、兄弟との話し合いでも「誰かの言い分」ではない資料として使えます。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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それでも兄が説明を拒む・返還に応じない時は、遺産分割調停や、弁護士を通した請求を考えることになります。話し合いが止まった時の手順は連絡を無視する兄弟がいる時の進め方も参考にしてみてください。

よくある質問

兄弟に知られずに、親の口座の取引履歴を取れますか?

相続人であれば単独で請求できるので、ほかの兄弟の同意は要りません。ただ、後で話し合う時は、取った資料を兄弟みんなで見られるようにしておくと、疑い合いになりにくいです。

取引履歴は何年前までさかのぼれますか?

金融機関によって保存している期間が違います。請求する前に、何年分まで出せるかを窓口で確認してみてください。

隠し財産が遺産分割の後に見つかったらどうなりますか?

見つかった財産について、改めて相続人全員で分け方を話し合います。相続税がかかる家なら、修正申告が必要になることもあります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人なら、兄弟の協力がなくても親の預金の残高証明書・取引履歴を請求できる
  • 不動産は名寄帳と登記事項証明書、株は証券保管振替機構、保険は生命保険協会の照会で探せる
  • 引き出しが見つかっても、まず使い道を聞く。説明できない分が問題になる
  • 財産隠しは相続税の税務調査で見つかりやすく、相続人全員の負担になる
  • 法定相続情報一覧図の写しがあると、窓口回りが楽になる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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