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結婚していない、子どももいない。自分が亡くなった後、届出や部屋の片付けは誰がしてくれるんだろう。そう気になっている方も多いですよね。
結論から言うと、おひとりさまの死後の手続きを誰がするかは「頼める親族がいるか」と「生前に契約を結んでいるか」で決まります。この記事では、よくある3つのケースで、手続きをする人と頼める先を比べていきます。
おひとりさまが亡くなったら、手続きは誰がする?
例えば、独身で子がいない人が一人暮らしのまま亡くなり、兄が1人いるケースです。死亡届や葬儀、年金の停止などは、兄が相続人としてすることになります。ただ、兄が遠方に住んでいる、高齢で動けないといった事情があると、手続きが止まりがちです。そんな心配がある方は、生前に「死後事務委任契約」で頼む人を決めておくと安心です。
おひとりさまの場合、配偶者も子もいないので、相続人は親か兄弟姉妹(亡くなっていれば甥・姪)になります。
ここで知っておきたいのは、相続人になることと、手続きを引き受けることは別の話だという点です。
『兄弟がいるから大丈夫』と思っていても、兄弟も同じように年を重ねていきます。いざという時に動ける人がいるかは、早めに確かめておきたいところです。
3つのケースで比べると?
おひとりさまといっても、家族の状況は人によって違いますよね。手続きをする人がどう変わるかを表にしました。
| ケース | 死後の手続きをする人 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 兄弟姉妹や甥・姪がいる | 相続人になる兄弟姉妹・甥姪 | 遠方・高齢だと手続きが遅れやすい。相続税は2割加算の対象 |
| 身寄りがない(相続人がいない) | 家主・自治体などが最低限の対応 | 財産は相続財産清算人を通じて整理される |
| 死後事務委任契約を結んでいる | 契約で頼んだ人(受任者) | 財産の分け方は契約では決められない。遺言も合わせて用意する |

兄弟や甥・姪がいるケース
親が先に亡くなっていれば、兄弟姉妹が相続人です。兄弟姉妹も亡くなっていれば、その子である甥・姪が代わりに相続人になります。
このケースでは、相続人が届出や財産の整理を進めます。ただ、甥や姪から見ると、普段あまり会っていない叔父・叔母の手続きを急に任される形になることも。
甥・姪が相続人になる時の流れは、独身の姉が亡くなり甥や姪が相続人になるケースで詳しく見られます。
身寄りがないケース
相続人が1人もいない場合、死亡届は同居者や家主、家屋の管理人なども出せます。法務省の案内では、届出ができる人として、親族のほかに同居者・家主・地主・家屋管理人・後見人・任意後見人・任意後見受任者などが挙げられています(法務省 死亡届)。
財産は、家庭裁判所が選ぶ相続財産清算人が整理します。遺言が無ければ、最後は国のものになる流れです。
『世話になった人や団体に渡したかったのに』とならないよう、渡したい相手がいるなら遺言が要ります。財産の行き先の違いはおひとりさまの財産が遺言の有無でどうなるかで比べています。
死後事務委任契約で頼めることは?
死後事務委任契約は、亡くなった後の事務を、生前に決めた人へ頼んでおく契約です。親族に頼みにくい方や、身寄りがない方がよく使います。
頼める内容は、契約で決めた範囲になります。よく入れられるのはこんな事務です。
- 死亡届の提出、火葬・葬儀・納骨の手配
- 病院や施設の費用の精算
- 賃貸住宅の解約と部屋の明け渡し、遺品の整理
- 電気・ガス・水道・携帯電話などの解約
- 年金の受給停止、健康保険の資格喪失の届出
- 親しい人への連絡
期限のある届出も多いんです。死亡届は死亡を知った日から7日以内、年金の受給停止は厚生年金が10日以内・国民年金が14日以内です。国民健康保険や後期高齢者医療の資格喪失も14日以内になっています。
例えば、こんな会話になることがよくあります。
「部屋の解約と片付けまで頼めますか」
「契約に入れておけば引き受けられます。費用をどこから払うかも決めておきましょう」
契約ではできないこと
ここが大事なところです。死後事務委任契約は「事務」を頼む契約で、財産を誰に渡すかは決められません。
財産の分け方は遺言で決めます。遺言の内容を実行する遺言執行者を、死後事務の受任者と同じ人にしておくと、手続きがひとつながりになって進めやすくなります。
頼める先と費用の考え方は?
『誰に頼めばいいの?』と迷いますよね。頼める先は大きく分けて次のとおりです。
| 頼む先 | 向いているケース | 注意 |
|---|---|---|
| 親族(甥・姪など) | 関係が良く、近くに住んでいる | 相手の負担が大きい。お願いの内容を書面にしておく |
| 友人・知人 | 親族とは疎遠だが信頼できる人がいる | 相手が先に亡くなる・高齢になることもある |
| 弁護士・司法書士・行政書士 | 親族に頼めない、財産の手続きもまとめたい | 報酬がかかる。見積もりで範囲を確認する |
| 法人(死後事務を扱う団体など) | 長い期間の見守りも含めて頼みたい | 運営の状況や預けるお金の管理方法を確認する |
費用は、頼む先と事務の範囲で大きく変わります。公的な基準は無いので、複数の見積もりを取って比べてみてください。
葬儀や片付けの費用を先に預けておく形をとる所もあります。預けたお金がどう管理されるかは、契約前に確かめておきましょう。
契約は書面で、公正証書にしておくと安心
死後事務委任契約は、口約束では受任者が窓口で説明しにくくなります。契約書を作り、できれば公証役場で公正証書にしておくと、内容がはっきりします。
生きている間の判断能力の低下に備えるなら、任意後見契約も合わせて考えておくといいですよ。
- 親や兄弟姉妹・甥姪のうち、誰が相続人になるかを確かめる
- 死後の手続きを頼める人がいるか考える
- 死後事務委任契約の内容(葬儀・解約・片付けなど)と費用の払い方を決める
- 財産を渡したい相手を決めて遺言を書き、遺言執行者を指定する
- 契約書と遺言のありかを、受任者に伝えておく
相続税の申告が要るのはどんな時?
死後の事務とは別に、財産が多い場合は相続税の申告も必要になります。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。例えば相続人が兄1人なら3,600万円になります。
兄弟姉妹や甥・姪が財産を受け取ると、相続税は2割加算になります。いくらになるかは独身の兄弟から相続した時の相続税の計算例で試算しています。
申告と納付の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。死後の事務で手いっぱいのうちに、期限が近づいてしまうことも。
自宅の土地がある、銀行口座がいくつもある、相続人が甥・姪で複数いる。こんなケースは、相続税に詳しい税理士に早めに相談しておくと、財産の評価から申告までまとめて任せられて楽です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
身寄りがない場合、遺体の引き取りや火葬はどうなりますか?
引き取る人がいない時は、自治体が対応することになります。希望する葬儀や納骨の方法がある場合は、死後事務委任契約で頼む人を決めておきましょう。
甥や姪に死後の手続きを頼んでもいいですか?
頼むことはできます。ただ負担が大きいので、事前に本人の了解を取り、内容と費用の払い方を書面にしておくと、お互いに安心です。
死後事務委任契約だけで財産を渡す相手を決められますか?
決められません。財産の分け方は遺言で決めます。遺言執行者を指定し、死後事務の受任者と同じ人にしておくと手続きが進めやすくなります。
まとめ
- おひとりさまの死後の手続きは、相続人になる兄弟姉妹・甥姪がするのが基本
- 身寄りがなければ家主や自治体が最低限の対応をし、財産は相続財産清算人が整理する
- 死後事務委任契約で、葬儀・解約・片付けなどを頼む人を生前に決められる
- 財産の行き先は契約では決められないので、遺言と遺言執行者もセットで用意する
- 費用は頼む先と範囲で変わる。公的な基準は無いので見積もりで比べる




