相続の専門家への費用は誰が払う?遺産から出す方法とケース別の決め方

相続の専門家への費用を誰が払うか、遺産から出す方法を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

税理士に相続税の申告を頼もうと決めたら、次に気になるのが支払いですよね。『長男の自分が払うもの?親の遺産から出していいの?』と、兄弟に言い出しにくくて迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、専門家への費用は相続人全員が合意すれば遺産から払えます。この記事では、遺産の中身ごとに、遺産から出す具体的な方法が分かります。

目次

専門家の費用は、誰が払うと決まっている?

このケースの答え

相続の専門家への費用を誰が払うかは、法律で決まっていません。相続人の話し合いで決めます。全員が合意すれば、親の預金など遺産から払い、残りを分けるやり方も取れます。

税理士・司法書士との契約は、頼んだ人の名前で結びます。なので、何も決めずにいると、契約した人が全額を負担する形になりがちなんです。

『代表で動いたのに、費用まで自分持ち?』とモヤモヤするのは自然です。だからこそ、頼む前に「誰が払い、どう分けるか」を決めておきましょう。

費用の目安は、税理士報酬は自由化されていて公的な基準がありません。遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われることが多いです。

遺産の中身で、払い方はどう変わる?

遺産から出せるかどうかは、遺産に現金や預金がどのくらいあるかで変わります。代表的な3つのケースを比べてみます。

ケース払い方の例注意
預金がまとまってある。母と子2人で分ける費用を預金から払い、残りを分ける遺産分割協議書に費用の扱いを書いておく
遺産は自宅だけ。長男が自宅を継ぐ長男が立て替え、自宅を継ぐ人の負担にする立て替えた金額と領収書を残す
協議の前に支払い時期が来る。預金は凍結中預貯金の仮払い制度で払い戻して払う1金融機関ごとに上限150万円
遺産の中身ごとに専門家費用の払い方が変わることを示したケース別の分岐表

預金がまとまってあるケース

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人で、遺産に預金があるケースです。この家なら、税理士と司法書士の費用を預金から払い、残った預金を分け方どおりに分ける方法がすっきりします。

ポイントは、遺産分割協議書に「専門家への費用は遺産の預金から支払う」と書いておくことです。後から『そんな話は聞いていない』と言われるのを防げます。

「先に費用を引いてから分けるなら、誰か一人が損することもないね」

「うん。協議書にそのまま書いておこう」

遺産が自宅だけのケース

遺産が実家だけで預金がほとんどないと、遺産から払うお金がありません。この場合は、誰かが立て替えて、後で精算する形になります。

自宅を継ぐ人が費用も持つ、と決める家も多いです。家を継がない兄弟は登記の恩恵を受けないので、納得を得やすいんです。

支払いが分け方の決定より先に来たら?

『協議がまとまるまで、費用は待ってもらえるの?』と不安になりますよね。着手金や登記の時の登録免許税など、先にお金が要る場面はあります。

そんな時に使えるのが、預貯金の仮払い制度です。1金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 1/3 × その相続人の法定相続分」まで、上限150万円で単独で払い戻せます。

例えば、父の口座に600万円あり、相続人が母と子2人のケースです。

相続人法定相続分単独で払い戻せる額
母1/2600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円
子11/4600万円 × 1/3 × 1/4 = 50万円
子21/4600万円 × 1/3 × 1/4 = 50万円

払い戻したお金は、その人が遺産の一部を先に受け取った扱いになります。後の分割で調整することになるので、何に使ったかを記録しておきましょう。

費用を遺産から払う前のチェック
  • 相続人全員が「遺産から払う」ことに同意している
  • 誰の名前で専門家と契約するかを決めた
  • 立て替えた人・金額・日付を領収書つきで記録した
  • 遺産分割協議書に費用の扱いを書いた
  • 相続放棄した人を負担の話に入れていない

遺産から払えば、相続税も安くなる?

ここは勘違いしやすいところです。遺産から払っても、税理士や司法書士の費用は相続税の計算で差し引けません。

相続税で差し引ける債務は、亡くなった時点で実際にあった借入金や未払金などです。死亡後に相続人が頼んだ専門家の費用は、それに当たらないんです。理由は税理士費用が相続税の計算で引けない理由で詳しく見られます。

相続人が3人以上いる、土地がある、遺産から費用を払いたい。こんなケースは、見積もりの段階で費用の分け方まで相談できる税理士に頼むと、兄弟の話し合いも進めやすくなります。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

税理士の探し方で迷う時は、税理士紹介を使う前の注意点もあわせて見てみてください。

よくある質問

相続放棄した人も専門家の費用を負担しますか?

相続放棄した人は初めから相続人でなかったことになり、遺産を受け取りません。費用の負担には入れないのが一般的です。

遺産から払う時、相続人全員の合意は要りますか?

遺産をどう使うかは相続人全員の合意で決めるものなので、全員の同意を取っておきましょう。協議書に書いておくと安心です。

立て替えた費用は後で返してもらえますか?

返してもらう約束をしておけば、遺産の分け方で調整できます。金額と領収書を残し、全員が見られる形にしておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 専門家の費用を誰が払うかは法律で決まっておらず、相続人の話し合いで決める
  • 全員が合意すれば、遺産の預金から払って残りを分けられる
  • 遺産が自宅だけなら、立て替えと精算の約束を残す
  • 支払いが先に来たら、預貯金の仮払い制度(上限150万円)が使える
  • 遺産から払っても、相続税の計算では差し引けない
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次