連帯保証人だった親が亡くなったら?保証債務と相続放棄の判断

連帯保証人だった親が亡くなった時に保証債務と相続放棄をどう判断するかを解説する記事のアイキャッチ

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父の書類を片付けていたら、知人の借金の連帯保証の契約書が出てきた。『保証人の立場も、子どもが引き継ぐの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、連帯保証人としての責任は相続されます。ただ、保証の種類や、借りた本人が返せているかどうかで、相続放棄が必要かは変わります。この記事では、よくある保証のケースごとに判断の目安を見ていきます。

目次

連帯保証人だった親の保証債務は、相続される?

このケースの結論

親が連帯保証人になっていた借金の保証は、相続人が法定相続分に応じて引き継ぐのが基本です。借りた本人が返せなくなりそうで、親の財産より保証の額が大きいなら、3か月以内の相続放棄を考えるケースです。賃貸や取引の根保証は、親が亡くなった後に発生した分は保証の対象外になります。

相続人は、亡くなった人の権利と義務を、一身に専属するものを除いて全部引き継ぎます(民法896条)。保証人としての義務も、ここに含まれるんです。

例えば、父が知人の借金1,000万円の連帯保証人で、母と子2人が相続人のケースです。法定相続分どおりなら、母が500万円分、子が250万円分ずつの保証を引き継ぐ形になります。

『借りた人が払っているなら関係ないのでは?』と思う方もいるはずです。確かに、借りた本人が返し続けていれば、保証人に請求は来ません。ただ、返済が止まった時に請求される立場は残ります。

保証の種類と状況で、判断はどう変わる?

親の保証がどんな形かで、引き継ぐ範囲が変わります。代表的なケースを並べてみます。

ケース結論理由・注意
知人の借金を金額を決めて保証、本人は返済中保証は引き継ぐが、すぐ請求は来ない返済が止まれば請求される
同じ保証で、本人がすでに返せていない相続放棄を前向きに考える親の財産より保証額が大きければ負担が残る
子のアパートの賃料などをまとめて保証(根保証)亡くなった後に生じた分は対象外亡くなった時点で確定した分は引き継ぐ
親が経営する会社の借入を保証会社の財務と合わせて判断事業を継ぐかどうかも関わる
父が連帯保証人だった時に、保証の種類と借りた本人の返済状況で相続放棄の判断が分かれるケース別の分岐表

3つ目の根保証は、範囲の決まっていない債務をまとめて保証する契約です。法務省の案内では、個人が保証人になる根保証は、主債務者や保証人が亡くなった時などは、その後に発生する主債務が保証の対象外になるとされています(法務省 保証に関する民法のルール)。

このルールは2020年4月1日以降の契約に当てはまります。借入金を含む根保証は、それより前の2005年4月1日から同じような決まりがあります。古い契約は、内容を確かめておきましょう。

相続放棄するか迷う時に、何を見ればいい?

保証がある時に難しいのは、請求が来るかどうかが、借りた本人しだいという点ですよね。

判断の目安は、親のプラスの財産と、保証も含めたマイナスの比べ方です。

保証がある時に確認したいこと
  • 保証の契約書(相手、金額、根保証かどうか)
  • 借りた本人が今も返済しているか
  • 金融機関などから保証人あての通知が来ていないか
  • 親の預金や不動産など、プラスの財産の総額
  • 自分が相続を知った日から3か月以内か

例えば、借りた本人に連絡するとこんな話になることも。

「父が保証人になっていた件、今の返済はどうなっていますか」

「毎月払っていますが、正直苦しい時期もあります」

こうした状況なら、プラスの財産が少ない場合は放棄も選択肢になります。一方で、実家や預金がまとまってあるなら、放棄するとそれも手放すことになります。

借金があると分かったのが3か月を過ぎた後のケースは、借金を知らなかった時の相続放棄で詳しく見られます。全体の判断の流れは相続放棄をすべきケースも参考にしてみてください。

保証債務は相続税の計算で差し引ける?

相続税では、借入金などの債務を財産から差し引けます。ただ、保証債務は原則として差し引けません。

国税庁の案内では、保証債務は、払った後に借りた本人へ請求して取り戻せる性質があるため、確実な債務とはいえないとされています(国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務)。

例外は、借りた本人が返せない状態で、保証人が払わなければならず、本人に請求しても取り戻せる見込みがないケースです。この場合は、返せない部分の金額を差し引けます。

保証の額が大きく、親の財産も相続税がかかる規模、保証を差し引けるかの判断が必要、相続放棄の期限が近い、といったケースは、専門家に任せると判断が楽になります。

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よくある質問

連帯保証人の立場は相続放棄すれば引き継がなくて済みますか?

済みます。相続放棄をすると初めから相続人でなかったことになるので、保証債務も引き継ぎません。ただ、プラスの財産も受け取れなくなり、次の順位の親族に相続が移ります。

親が亡くなった後に借りた本人が返済をやめたら、子に請求が来ますか?

親が金額を決めて保証していた場合は、相続人に請求が来ることがあります。賃料などの根保証なら、親が亡くなった後に生じた分は保証の対象外です。

保証債務は相続税の計算で差し引けますか?

原則として差し引けません。借りた本人が返せない状態で、取り戻せる見込みもない部分だけは差し引けます。要件を満たすかは税理士に確認してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 親の連帯保証債務は、相続人が法定相続分に応じて引き継ぐのが基本
  • 借りた本人が返済中なら、すぐに請求は来ない
  • 個人の根保証は、親が亡くなった後に生じた分は対象外
  • 保証額が親の財産より大きくなりそうなら、3か月以内の相続放棄を考える
  • 保証債務は相続税で原則差し引けない。返せない部分だけは例外
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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