相続人を廃除できるのはどんな時?暴力・浪費などケース別に認められる目安

暴力や浪費などのケース別に相続廃除が認められる目安を解説する記事のアイキャッチ

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『暴力をふるう息子には、財産を一円も渡したくない』。そう考えて「相続廃除」という言葉にたどり着いた方もいるはずです。

結論から言うと、親への虐待・重大な侮辱・著しい非行があれば、家庭裁判所に請求して子を相続人から外せる可能性があります。ただ、認められるかは裁判所の判断で、ハードルは低くありません。この記事では、行為ごとに認められる目安を見ていきます。

目次

暴力をふるう子は、相続人から外せる?

このケースの結論

父に繰り返し暴力をふるい、けがをさせてきた長男のケース。これは民法892条の「虐待」に当たりうるので、父が家庭裁判所に請求すれば、長男を相続廃除できる可能性があります。一度きりの口論や、親子の不仲だけでは認められにくいのが目安です。

相続廃除は、親(被相続人)が「この子には相続させない」と家庭裁判所に請求する制度です。民法892条では、次のどれかに当たる時に請求できるとされています。

  • 被相続人に対する虐待
  • 被相続人に対する重大な侮辱
  • その他の著しい非行

ここが大事なところです。廃除は「親が外したい」と思うだけでは決まりません。最後は家庭裁判所が、行為の重さや経緯を見て判断します。

『ひどいことをされたのは事実だし、言えば分かってもらえるはず』と思うかもしれません。ただ、裁判所は話だけでなく、裏づけになる資料も見ます。

例えば、けがをした時の診断書、警察や市区町村の窓口に相談した記録、暴言を書き残したメモや日記などです。生前に廃除を考えているなら、こうした記録を日付つきで残しておきましょう。

暴力・浪費・口論…ケース別に認められる目安

どんな行為なら認められやすいのか、よくあるケースで目安を並べてみました。

ケース認められる目安理由・注意
親に繰り返し暴力をふるい、けがをさせている認められる可能性がある「虐待」に当たりうる。診断書や相談記録が大事
人前で親をひどくののしり続け、名誉を傷つけている認められる可能性がある「重大な侮辱」に当たりうる
親の財産を勝手に使い込む、多額の借金を親に払わせ続ける認められる可能性がある「著しい非行」に当たりうる。程度と回数しだい
一度だけ激しい口論になった認められにくい一時的な感情のもつれと見られやすい
何年も連絡がなく疎遠になっている認められにくい疎遠なだけでは非行とまでは言いにくい
兄弟姉妹(子・親がいない場合の相続人)対象外遺留分のない相続人は廃除の対象ではない
暴力・侮辱・浪費・口論・疎遠・兄弟姉妹のケースごとに相続廃除が認められる目安を示した分岐表

『浪費ぐせがある子を外したい』という相談もよくありますよね。ただ、本人のお金の使い方が荒いだけでは足りず、親に大きな迷惑をかけ続けたかどうかが見られます。

対象が遺留分のある相続人に限られる点も押さえておきましょう。配偶者・子・親は対象になり、兄弟姉妹はなりません。兄弟姉妹に渡したくない時は、遺言で全財産をほかの人に渡すと書けば足ります。兄弟姉妹には遺留分がないからです。

暴力や非行が「遺言書を隠した」「だまして遺言を書かせた」といった行為なら、廃除ではなく相続欠格の話になります。違いは相続欠格になるケースの記事で比べています。

廃除の手続きは、生前と遺言のどちらでできる?

廃除の方法は2つあります。

方法誰が請求する?ポイント
生前に請求親本人が家庭裁判所へ親が自分で事情を説明できる
遺言で廃除遺言執行者が家庭裁判所へ亡くなった時にさかのぼって効力が出る

遺言で廃除する時は、遺言執行者を決めておくことが大切です。遺言執行者が、遺言の効力が生じた後に家庭裁判所へ請求します。

「遺言に書いておけば、それで外れるの?」
「いいえ。遺言執行者が裁判所に請求して、認められて初めて外れます」

なお、廃除はいつでも取り消しを請求できます。また、廃除された子に子どもがいれば、その子が代わりに相続人になります(代襲相続)。長男を外しても長男の子が相続人として出てくるので、家系図で誰に移るかも確かめておきましょう。

廃除が認められなかった場合に備えて、遺言でほかの家族に多く残しておく方法もあります。ただ、子には遺留分があるので、ゼロにはできません。遺留分の金額は遺留分をケース別に計算した記事で確かめられます。

相続人が変わると、相続税の申告で使う人数や取り分の組み立ても変わります。土地がある、相続人どうしの関係が複雑といったケースは、早めに税理士に相談しておくと後が楽になります。

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よくある質問

相続廃除されると、遺留分も請求できなくなりますか?

廃除された人は相続人ではなくなるので、遺留分もありません。ただし、廃除された人の子が代襲相続人になる場合は、その子に遺留分があります。

廃除は戸籍に記載されますか?

廃除が認められると、市区町村への届出をして戸籍に記載されます。欠格と違い、手続きの記録が残るのが特徴です。

一度廃除した子と仲直りしたら、元に戻せますか?

親はいつでも家庭裁判所に廃除の取消しを請求できます。遺言で取消しの意思を示すこともできます。

まとめ

この記事の要点
  • 親への虐待・重大な侮辱・著しい非行があれば、相続廃除を請求できる可能性がある
  • 一度の口論や疎遠なだけでは認められにくい
  • 対象は配偶者・子・親など遺留分のある相続人で、兄弟姉妹は対象外
  • 生前に親が請求するか、遺言に書いて遺言執行者が請求する
  • 廃除された人の子は代わりに相続人になる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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