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親が起こした事故の賠償を求められた。あるいは、事故の相手が亡くなって『賠償金はもう払ってもらえないの?』と不安になっている。どちらの立場でも、相続放棄が関わってきますよね。
結論から言うと、加害者の家族は相続放棄で賠償の責任を引き継がずに済みます。その分、加害者に保険も財産もないと、被害者は泣き寝入りに近い形になることがあるんです。この記事では、加害者側と被害者側の両方からケースを見ていきます。
加害者が亡くなったら、損害賠償の責任は家族に移る?
父が事故を起こして賠償を求められたまま亡くなったケースでは、賠償の支払い義務は借金と同じように子に引き継がれます。子が3か月以内に相続放棄すれば、その責任は負いません。
相続人は、亡くなった人の財産に属した一切の権利と義務を引き継ぎます(民法896条・e-Gov法令検索 民法)。損害賠償の支払い義務もお金の義務なので、ここに含まれます。
『事故を起こしたのは父なのに、私が払うの?』と思いますよね。相続を承認すれば、払う義務が生まれます。逆に、放棄すれば初めから相続人でなかったことになるので、払う義務もなくなります。
相続放棄の期限は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。費用は申述人1人につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手です(裁判所 相続の放棄の申述)。
例えば、電車の事故で鉄道会社から賠償を求められたケースも同じ考え方です。本人の賠償義務であれば、家族は放棄で引き継がずに済みます。
相続放棄しても家族の責任が残るのはどんな時?
ただ、放棄で外れるのは「亡くなった本人の責任」だけです。家族自身に責任があるケースは別の話なんです。
| ケース | 相続放棄で免れる? | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 父が起こした事故の賠償を、子が求められた | 免れる | 父の義務を引き継がないだけ |
| 父が事故を起こし、子が父の連帯保証人だった | 免れない | 保証は子自身の契約 |
| 判断能力がない家族を監督する立場の人が求められた | 放棄とは関係ない | 監督義務者の責任は本人の義務(民法714条) |
| 父の生命保険金を子が受け取る | 放棄しても受け取れる | 受取人固有の財産。ただし非課税枠は使えない |
| 父の預金で一部を払ってから放棄したい | 放棄できないことがある | 遺産を処分すると単純承認とみなされる |

保証人になっていたケースは、保証債務と相続放棄の判断で詳しく見られます。
放棄を考えているうちに、賠償の一部を遺産から払うのは避けておきましょう。払うなら放棄の後に、自分のお金でという順番が基本です。
被害者側が泣き寝入りになるのはどんなケース?
加害者の家族が全員放棄すると、被害者は誰に請求すればいいのか分からなくなりますよね。
請求先は大きく2つです。1つは加害者が入っていた保険で、事故の時点で生じた責任なので、加害者が亡くなっても保険会社への請求ができることが多いです。
もう1つは加害者の遺産です。相続人がいなくなった時は、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらい、遺産の中から支払いを受ける道があります。
泣き寝入りに近くなるのは、加害者が保険に入っておらず、遺産もほとんどないケースです。家族は放棄で外れ、請求できる相手が実質いなくなってしまいます。
「相手の家族、全員放棄したそうです」
「保険に入っていたかどうか、まず確認してみましょう」
被害者の遺族が相続放棄すると、賠償金はどうなる?
逆に、事故で亡くなった被害者に借金があって、遺族が放棄を考えるケースもあります。
被害者本人が持っていた損害賠償の請求権は、遺産の一部です。遺族が相続放棄すると、この請求権も手放すことになります。
一方で、命を奪われた被害者の父母・配偶者・子は、自分自身の損害として加害者に賠償を求められます(民法711条)。これは相続とは別の権利なので、放棄しても残ります。
| 被害者の遺族の選択 | 受け取れるもの | 注意 |
|---|---|---|
| 相続する | 本人の請求権と遺族自身の請求権 | 被害者の借金も引き継ぐ |
| 相続放棄する | 遺族自身の請求権・受取人としての生命保険金 | 本人の請求権は次の相続人に移る |
借金と賠償金のどちらが大きいかで、判断は変わります。放棄すべきか迷ったら、相続放棄すべきかをケース別に判断する記事を読んでみてください。
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よくある質問
損害賠償の責任は相続放棄すれば免れますか?
亡くなった人が負っていた賠償責任は、相続放棄すれば引き継ぎません。ただし、家族自身が連帯保証人だった場合や、監督義務者として責任を問われる場合は、放棄とは関係なく責任が残ります。
加害者の家族が全員相続放棄したら、賠償金は払ってもらえませんか?
加害者が保険に入っていれば、保険会社への請求ができることが多いです。遺産があれば、相続財産清算人を通じて支払いを受ける道もあります。保険も遺産もないと、回収は難しくなります。
被害者の遺族が相続放棄しても、慰謝料は請求できますか?
被害者の父母・配偶者・子が自分自身の損害として求める賠償は、相続とは別の権利なので放棄しても請求できます。被害者本人が持っていた請求権は放棄で手放すことになります。
まとめ
- 加害者が負っていた損害賠償の義務は、借金と同じく相続人に引き継がれる
- 家族は3か月以内の相続放棄で、その義務を引き継がずに済む
- 連帯保証や監督義務者の責任など、家族自身の責任は放棄しても残る
- 加害者に保険も遺産もないと、被害者は泣き寝入りに近い形になりやすい
- 被害者の遺族が放棄しても、父母・配偶者・子自身の賠償請求は残る




