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何年か前に遺言書を書いたけれど、その後に家族や財産の様子が変わった。『このままで大丈夫かな』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、遺言書はいつでも書き直せます。ただ、放っておくと一部が効力を失ったり、思っていない分け方になったりすることも。この記事では、見直したほうがいい場面と、遺言の種類ごとの書き直し方を見ていきます。
わが家の遺言、書き直したほうがいい?
遺言に書いた財産を売った、受け取る予定の人が先に亡くなった、相続人が増えた。この3つのどれかに当たるなら、書き直しを考えるタイミングです。古い遺言と新しい遺言で内容がぶつかる部分は、日付の新しいほうが優先されます。
民法では、遺言はいつでも、遺言の方式に従って全部または一部を撤回できるとされています。前の遺言と後の遺言がぶつかる部分は、後の遺言で撤回したものとみなされるんです。
実は、書き直さなくても遺言の一部が働かなくなる場面があります。代表的なケースを並べてみます。
| ケース | 今の遺言はどうなる? | 書き直しで何をする? |
|---|---|---|
| 「自宅は長男に」と書いた後、自宅を売った | 自宅の部分は撤回したものとみなされ、売却代金は長男に行くとは限らない | 売却代金や買い替え先を誰に渡すか書き直す |
| 「全財産を妻に」と書いたが、妻が先に亡くなった | 妻に渡す部分は原則として効力がなくなる | 次に渡す人を決め直す |
| 遺言を書いた後に孫が生まれた、子が結婚した | 遺言は有効なまま。新しい家族には何も書かれていない | 渡したい人・額を見直す |
| 自筆で書いて自宅にしまってある | 有効でも、見つからない・検認が要るといった心配が残る | 法務局保管や公正証書に切り替える |
例えば「自宅は長男に」と書いた家を売り、そのお金で預金が増えたケース。遺言にはもう自宅がないので、預金は遺言に書かれていない財産として、相続人全員の話し合いで分けることになります。
『せっかく書いたのに、また書くのは面倒…』と感じるかもしれません。ただ、今の遺言のまま亡くなると、思っていた分け方にならないことがあるんです。

書き直しは、遺言の種類でどう違う?
『前の遺言を破って捨てれば済む?』と思いますよね。自筆の遺言なら、本人が故意に破棄した部分は撤回したとみなされます。ただ、公正証書遺言は原本が公証役場に残るので、手元の正本を捨てても撤回にはなりません。
| 今の遺言 | 書き直し方 | かかる費用の目安 |
|---|---|---|
| 自筆(自宅で保管) | 新しい遺言を全文自書で書く。古いものは破棄しておく | 用紙代程度 |
| 自筆(法務局で保管) | 保管の申請を撤回し、新しい遺言を保管し直す | 新たな保管の手数料3,900円 |
| 公正証書 | 新しい公正証書遺言を作るか、撤回の公正証書を作る | 撤回だけなら公証人手数料1万3,000円(公証人手数料令) |
新しい公正証書遺言を作る時は、財産額に応じた手数料がかかります。目安は公正証書遺言の費用の計算例で確認できます。
- 新しい遺言に「これより前の遺言はすべて撤回する」と書いておく
- 一部だけ変えるなら、どの遺言のどの部分を変えるのかを特定して書く
- 受け取る人が先に亡くなった場合の次の受け取り手も書いておく
- 書き直した後の配分が、子や配偶者の遺留分を下回っていないか確かめる
一部だけ書き直すと、古い遺言と新しい遺言の2通を読み合わせることになります。家族が混乱しやすいので、全体を書き直すほうが分かりやすいことが多いんです。
書き直す前に、家族と税金で確かめておくこと
書き直しで取り分が大きく変わると、外れた家族から遺留分を請求されることがあります。どこまで減らしても大丈夫かは遺留分のケース別計算で確かめてみてください。
また、渡す相手を孫や兄弟に変えると、その人の相続税には2割加算がかかります。配偶者に多く渡す内容にすれば、配偶者の税額軽減で税額が抑えられることもあります。
家族から「前の遺言と言っていることが違う」と言われるのが心配なら、付言事項に書き直した理由を残しておきましょう。
「家を売って住み替えたので、この遺言で分け方を決め直しました」
この一文があるだけで、残された家族の受け止め方が変わります。
不動産が複数ある、相続人が多い、税額まで見ながら配分を決めたい。こうしたケースでは、書き直す前に相続に詳しい税理士に試算してもらうと楽です。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
遺言書は何回でも書き直せますか?
はい、回数の制限はありません。遺言者は撤回する権利を放棄できないとされているので、「二度と書き直さない」と約束しても書き直せます。
新しい遺言を破棄したら、古い遺言が復活しますか?
原則として復活しません。撤回された遺言は、撤回した遺言をさらに取り消しても効力が戻らないとされています。古い内容に戻したいなら、改めてその内容で書き直してみてください。
自筆の遺言を公正証書で書き直すこともできますか?
できます。遺言の種類が違っても、日付の新しい遺言が優先されます。新しい遺言に、前の遺言を撤回する一文を入れておきましょう。
まとめ
- 遺言はいつでも、遺言の方式で全部または一部を撤回できる
- 書いた財産を売った、受け取る人が先に亡くなった時は書き直しどき
- 公正証書遺言は手元の正本を捨てても撤回にならない
- 書き直しても遺留分と2割加算のチェックは欠かせない




