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『兄が亡くなって、遺言には「全財産を妻に」とだけ。弟の自分には何もないの?』。そんな不公平さを感じて調べている方も多いはずです。
結論から言うと、亡くなった人の兄弟姉妹には遺留分がありません。ただし「兄弟が外された」と言っても、それが兄弟の相続なのか、親の相続なのかで話はまったく違います。この記事では、ケース別に遺留分があるかと、外された側に残る手段を見ていきます。
兄弟に遺留分はある?ケースで答えが変わります
例えば、子のいない夫婦で夫が亡くなり、遺言に「全財産を妻に相続させる」とあるケースです。夫の兄弟には遺留分がないので、この遺言が有効なら兄弟は何も請求できません。一方、親が「長男に全部」と遺言を残したケースで外された次男は、親から見れば子です。子には遺留分があるので、長男にお金で請求できます。
民法では、遺留分は「兄弟姉妹以外の相続人」に認められています。ここでいう兄弟姉妹は、亡くなった人から見た兄弟姉妹のことなんです。
同じ「兄弟が外された」でも、ケースごとに結論を並べるとこうなります。
| ケース | 外された人に遺留分は? | 取れる手段・注意 |
|---|---|---|
| 子のいない夫が「全部妻に」と遺言 | ない(夫の兄弟) | 遺言が無効と言える事情があるか、遺言に書かれていない財産があるかを確かめる |
| 独身の兄が「全部を友人に」と遺言 | ない(兄の兄弟) | 同上。甥姪が代わりに相続人になる場合も遺留分はない |
| 親が「長男に全部」と遺言し、次男が外された | ある(親から見た子) | 遺留分侵害額請求ができる。知った時から1年で請求できなくなる |
| 遺言が預金だけに触れ、実家の記載がない | 遺留分とは別の話 | 書かれていない実家は、兄弟を含む相続人全員で遺産分割する |

親の相続で外された兄弟は、いくら請求できる?
例えば、母がすでに亡くなっていて、父の遺産4,000万円を「全部長男に」と遺言したケースです。子は長男と次男の2人です。
全体の遺留分は財産の2分の1で、それを法定相続分で分けます。次男の遺留分は4,000万円の2分の1のさらに2分の1、つまり1,000万円です。
請求できるのは、相続の開始と遺留分を侵害する遺言があったことを知った時から1年以内です。相続開始から10年たった時も請求できなくなります。生前贈与がある場合の計算は遺留分の金額をケース別に計算した記事で見ています。
遺留分がない兄弟に残る手段は?
『遺留分がないなら、もう黙って引き下がるしかない?』と思いますよね。打てる手は多くありませんが、ゼロではありません。
- 遺言が法律の形式を満たしているか(自筆証書なら全文・日付・氏名の自書と押印)
- 書いた時に、内容を理解できる判断能力があったか
- 遺言に書かれていない財産が残っていないか
- 遺言を受け取った人や他の相続人が、話し合いに応じる余地があるか
遺言が無効だと考える時は、家庭裁判所の調停から始め、まとまらなければ地方裁判所で遺言無効確認の訴訟を起こす流れです。ただ、無効と認められるには根拠となる資料が要ります。
遺言に書かれていない財産があれば、その分は兄弟も相続人として遺産分割に加わります。この話し合いがまとまらない時は相続の調停のケース別の流れに進みます。
兄の介護をしてきた兄弟はどうなる?
例えば、こんなやりとりがよくあります。
「兄さんの通院、ずっと自分が付き添ってきたのに」
「でも遺言には妻に全部と書いてあるから」
介護の貢献を主張する「寄与分」は、遺産分割の中で考えるものです。遺言で全財産の行き先が決まっていると、分ける遺産がないため主張する場が残りません。悔しいところですが、ここは知っておきたい点なんです。
遺言が無い時、兄弟の取り分と相続税は?
遺言が無ければ、子のいない夫婦の相続では配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。法定相続分は配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1です。
例えば、夫の遺産6,000万円を、妻と夫の兄2人が法定相続分どおりに相続するケースで計算してみます。
| 計算の段階 | 金額 |
|---|---|
| 課税価格の合計 | 6,000万円 |
| 基礎控除(法定相続人3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 1,200万円 |
| 相続税の総額 | 120万円 |
| 妻(取得4,500万円) | 0円(配偶者の税額軽減) |
| 兄1人あたり(取得750万円) | 18万円(2割加算あり) |
兄弟姉妹が相続すると、相続税が2割増しになります。妻は税額軽減で0円ですが、軽減を使うには申告が必要です。
遺言で外されて納得できない、遺言が無く妻と兄弟で分けることになった。どちらも、相続人に兄弟がいるケースは話し合いがこじれやすく、申告期限の10か月も迫ってきます。相続税の計算と申告は税理士に任せると、配偶者の税額軽減の申告漏れなどを防げます。
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よくある質問
兄弟姉妹に遺留分がないのはなぜですか?
民法で遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認められると決められているためです。亡くなった人から見た兄弟姉妹と、その代わりに相続人になる甥姪には遺留分がありません。
親の遺言で兄だけが全部もらうことになりました。弟に遺留分はありますか?
あります。親の相続では弟は子にあたるためです。相続の開始と遺言を知った時から1年以内に、兄へ遺留分侵害額を請求できます。
子のいない夫婦は、遺言を書いておいた方がいいですか?
遺言が無いと、配偶者と亡くなった人の兄弟姉妹が一緒に遺産を分けることになります。配偶者に全部を残したい時は、遺言を残しておくと兄弟姉妹から遺留分を請求されることはありません。
まとめ
- 亡くなった人の兄弟姉妹と甥姪には遺留分がない
- 親の相続で外された兄弟は「子」なので遺留分があり、1年以内に請求できる
- 遺留分がない兄弟は、遺言の有効性と、遺言に書かれていない財産を確かめる
- 遺言が無い子なし夫婦の相続は、配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1
- 兄弟姉妹が相続すると相続税が2割加算される




