家族なのに相続できない人とは?相続欠格や廃除になる具体的なケース

家族なのに相続できない人になる相続欠格や相続廃除のケースを解説する記事のアイキャッチ

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『あの兄にも、本当に同じだけ相続させないといけないの?』。親の介護を一人で背負ってきた方ほど、そう感じる場面があるはずです。

結論から言うと、家族でも相続の権利を失う人はいます。ただ、その条件は思っているよりずっと限られているんです。この記事では、相続できなくなる具体的なケースと、その後に誰が相続するかが分かります。

目次

子や配偶者でも相続できなくなるのは、どんな時?

このケースの結論

家族が相続できなくなる主な道は3つです。法律で決められた悪い行いをした時に権利を失う「相続欠格」、親を虐待するなどした人を家庭裁判所が外す「相続廃除」、本人が自分から手放す「相続放棄」です。仲が悪い、介護をしなかった、というだけでは相続権はなくなりません。

相続欠格は、民法891条に当てはまる行いをした人が、法律上当然に相続人になれなくなる仕組みです。誰かが裁判所に申し立てなくても、権利を失います。

相続廃除は少し違います。親が生きているうちに家庭裁判所へ請求するか、遺言に書いておき、裁判所が認めた時に初めて外れます(民法892条・893条)。

そもそも相続人にならない人もいます。内縁の配偶者は相続人ではありません。逆に、前妻との子や認知された子は相続人です。

誰が相続人になるか自体を確かめたい方は、家族構成から取り分を計算する方法から見てみてください。

相続欠格になる具体的なケース

民法891条が挙げているのは、次の5つです。

相続欠格になる行い(民法891条)
  • わざと親や、先順位・同順位の相続人を死亡させた、または死亡させようとして刑に処せられた
  • 親が殺されたと知りながら、告発や告訴をしなかった(判断能力がない時や、犯人が自分の配偶者・直系血族の時は除く)
  • だましたり脅したりして、親が遺言を書く・書き直すのを邪魔した
  • だましたり脅したりして、親に遺言を書かせた・書き直させた
  • 親の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した

実際の相続で問題になりやすいのは、最後の遺言書の扱いです。例えば、実家の片付けで見つけた遺言書が、自分に不利な内容だったので捨ててしまったケース。

『黙っていれば分からないはず』と思っても、遺言書を隠したり捨てたりすると、その人が相続人になれなくなることがあるんです。見つけた遺言書は手を加えずに、家庭裁判所の検認など決められた手続きに進めましょう。

相続廃除や相続放棄とは、何が違う?

ここが混同しやすいところですよね。3つの違いと、その人の子どもが代わりに相続するか(代襲相続)を表にしました。

ケースどうして権利を失う?その人の子が代わりに相続する?理由・注意
長男が父の遺言書を隠した相続欠格(法律上当然)する民法887条2項で欠格は代襲の対象
次男が父をくり返し虐待していた相続廃除(家庭裁判所が認めた時)する親が請求するか遺言に書く必要がある
長女が借金を理由に相続放棄した相続放棄(本人の申述)しない初めから相続人でなかったことになる
兄弟姉妹だけが相続人で、弟と疎遠廃除はできない該当しない廃除の対象は遺留分がある人だけ。遺言で渡さない形にする

廃除の対象は「遺留分を有する推定相続人」に限られます。兄弟姉妹には遺留分がないので、廃除ではなく遺言で財産を渡さない形にすれば足ります。

例えば、こんな相談がよくあります。

「父は弟に財産を渡したくないと言っていました。遺言がないと弟は外れないんですか?」
「仲が悪いだけでは外れません。虐待や重大な侮辱などがあり、裁判所が認めた時だけです」

廃除は、親が後から家庭裁判所に取り消しを請求することもできます(民法894条)。

相続欠格・相続廃除・相続放棄で、権利を失う理由と孫が代わりに相続するかを比べた家系図

相続人から外れる人がいると、取り分や手続きはどう変わる?

欠格や廃除で相続人が外れても、その人に子がいれば、その子が代わりに相続人になります。つまり、残りの兄弟の取り分が増えるとは限りません。

一方で相続放棄なら、その人の子は相続しません。同じ順位の相続人がいなくなれば、次の順位の親や兄弟姉妹が相続人になります。

『あの人を外したいけど、話し合いで決めればいいのでは?』という方もいるはずです。実は、相続人全員が合意すれば、遺産分割の話し合いで特定の人が何も受け取らない分け方にすることはできます。

ただ、その人が合意しなければ話し合いはまとまりません。まとまらない時は、家庭裁判所の調停、審判へと進みます。

相続人が誰になるかで、相続税の基礎控除や税額も変わります。相続人の顔ぶれが複雑なケースや、遺言書の扱いで揉めそうなケースは、早めに専門家へ相談しておくと安心です。

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借金を理由に放棄を考えている方は、相続で引き継ぐ借金の範囲もあわせて確認してみてください。

条文は民法(e-Gov法令検索)で確認できます。

よくある質問

介護をまったくしなかった兄弟は、相続できない人になりますか?

介護をしなかったことだけでは、相続欠格にも相続廃除にもなりません。介護をした側の貢献は、遺産分割の話し合いで寄与分として主張する道があります。

相続廃除は、親が亡くなった後でもできますか?

親が遺言で廃除の意思を書いていれば、遺言執行者が家庭裁判所に請求します。遺言がなければ、亡くなった後に家族が廃除を求めることはできません。

相続欠格になった人の子どもは相続できますか?

できます。欠格や廃除で権利を失った人の子は、代わりに相続人になります。相続放棄の場合は代わりの相続はありません。

まとめ

この記事の要点
  • 相続できなくなる主な道は、相続欠格・相続廃除・相続放棄の3つ
  • 遺言書を隠したり捨てたりすると、相続欠格になることがある
  • 廃除は家庭裁判所が認めた時だけで、兄弟姉妹は対象外
  • 欠格・廃除ならその人の子が代わりに相続し、放棄なら代わりの相続はない
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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