ストックオプションを持ったまま亡くなった時の相続と行使

未行使のストックオプションを相続した時の扱いを解説する記事のアイキャッチ

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勤め先からもらったストックオプションを、まだ使わないまま夫が亡くなった。『家族が代わりに使えるの?それとも消えてしまうの?』と不安になりますよね。

結論から言うと、相続人が引き継いで行使できるかどうかは、会社との付与契約の決まりで決まります。引き継げる場合は相続財産になり、上場会社なら評価の方法も決まっています。この記事では、会社の状況ごとに分けて見ていきます。

目次

まだ行使していないストックオプションは家族が使える?

このケースではこうなる

未行使のストックオプションは、付与契約や新株予約権の発行要項で「相続人が行使できる」とされていれば、相続人が引き継いで行使できます。その場合は相続財産として相続税の計算に入ります。「死亡したら消滅する」とされていれば、相続する物はありません。まずは契約書の死亡時の条項を確認しましょう。

ストックオプションは、決められた値段(権利行使価額)で自社の株を買える権利です。株価が行使価額より高ければ、その差が得になる仕組みなんです。

ただ、会社によって死亡時の決まりはばらばらです。

相続人の行使を認める会社もあれば、死亡で権利がなくなる会社もあります。相続人が行使できる期間を短く区切っている会社もあります。

例えば、会社の担当者とはこんなやり取りになります。

「夫のストックオプションは、家族が行使できますか?」
「付与契約では相続人の方が行使できます。ただし期間に定めがあるので、書類をお送りしますね。」

期間に定めがあると、気づいた時には過ぎていたということも。亡くなった後、早めに会社へ問い合わせてみてください。

会社が上場しているか、行使できる時期かで評価はどう変わる?

相続人が引き継ぐ場合、相続税の計算ではストックオプションの価値をお金に直します。会社の状況で、評価のしかたが変わります。

ケース結論理由・注意
上場会社で、亡くなった日が行使できる期間内(株価 − 行使価額)× 取得できる株数で評価国税庁の財産評価基本通達で決まっている方法です。マイナスになる時は0円です
上場会社で、まだ行使できる期間が来ていない上の計算式は使えない評価のしかたは個別に判断が要るため、税理士に確認を
未上場のスタートアップの会社上の計算式は使えない株の価値そのものを別の方法で評価する必要があり、判断が分かれやすいです
契約上、死亡で権利が消滅する相続財産にならない消滅を示す会社の書面を残しておきましょう

上場会社で行使期間内の場合を、数字で見てみます。例えば、亡くなった日の株価が2,000円、行使価額が1,200円、行使すると1,000株を取得できるケースです。

(2,000円 − 1,200円)× 1,000株 = 80万円。これがストックオプションの評価額になります。

ここでの株価は、上場株式の評価と同じです。亡くなった日の終値と、その月・前月・前々月の終値の平均のうち、最も低い価格を使います。

反対に、株価が行使価額を下回っていれば評価は0円です。『権利があるのに0円でいいの?』と思うかもしれません。行使しても得にならない権利なので、そう扱われるんです。

上場か未上場か、行使期間内かどうかでストックオプションの評価方法が分かれることを示したケース別の分岐表

相続人が行使した後の税金で気をつけることは?

相続税の評価とは別に、相続人が実際に行使した時や、手に入れた株を売った時の税金も考えておく必要があります。

実は、行使した時に所得税がかかるかどうかは、そのストックオプションが税制適格かどうかや、契約の中身で変わります。会社に確かめておきたいポイントです。

会社に確認しておきたいこと
  • 付与契約・発行要項の、死亡時の取り扱いの条項
  • 相続人が行使できる期間と、行使の手続き
  • 税制適格ストックオプションかどうか
  • 未行使の個数・行使価額・行使できる期間

相続税の申告と納付は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。行使の期限と申告の期限が重なると、手続きが一気に忙しくなります。

未上場の会社の評価が要るケース、行使するかどうかで税金の比較が要るケースは、相続税と所得税の両方に詳しい税理士に頼むと楽です。

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外資系の会社でRSUをもらっていた場合は、外資系企業の社員が持っていた自社株(RSU)は相続できる?で扱いの違いを確認してみてください。

勤め方や仕事ごとの相続の流れは個人事業主の親が亡くなった時に事業を引き継ぐ手続きと期限の一覧にもまとめています。

よくある質問

相続人が複数いる場合、誰が行使するのですか?

遺産分割の話し合いで、誰がストックオプションを引き継ぐかを決めます。会社によっては相続人の代表者を決めるよう求められることもあるので、手続きの書類で確認してみてください。

行使しないまま期間が過ぎたらどうなりますか?

行使できる期間が過ぎると権利はなくなります。相続税の評価は亡くなった日の時点で決まるので、行使するかどうかとは別に考える必要があります。

行使してもらった株は、また相続財産になりますか?

亡くなった方の相続財産として評価するのはストックオプションの権利です。行使して手に入れた株は、行使した相続人の財産になります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人が行使できるかは、付与契約や発行要項の死亡時の条項で決まる
  • 上場会社で行使期間内なら(株価 − 行使価額)× 株数で評価し、マイナスなら0円
  • 行使期間前や未上場の会社は評価に個別の判断が要る
  • 行使した時の所得税は、税制適格かどうかや契約の中身で変わる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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