個人タクシーなど許可で営業していた親の事業は相続できる?

「個人タクシーなど許可で営業していた親の事業は相続できる?」を、子が二種免許を持つかどうかのケースの違いで解説する記事のアイキャッチ

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個人タクシーを営んでいた親が亡くなった。車庫には営業車が残り、許可証や運賃の書類も手元にある。『この許可、子どもが継いで走らせることはできるの?』と気になりますよね。

結論から言うと、個人タクシーの許可は相続で引き継げる仕組みがあります。ただ、継ぐ人が自分で個人タクシーの許可の基準を満たしていないと認められないんです。

この記事では、子が二種免許を持つケースと持たないケースで、何が変わるかを見ていきます。

目次

個人タクシーの許可は、子が相続できる?

このケースの結論

個人タクシーの事業を続けたい相続人は、親の死亡後60日以内に相続の認可を申請します。認可されるのは、継ぐ人が新しく個人タクシーの許可を受けるのと同じ基準を満たす場合です。基準を満たさない時は許可は引き継げず、車両などの財産だけを相続することになります。

道路運送法の第37条では、一般旅客自動車運送事業の事業者が亡くなった時に、相続人が事業を続けるための認可が決められています。相続人が2人以上いる時は、協議で引き継ぐ人を決めます。

申請してから認可・不認可の通知を受けるまでの間は、親の許可が相続人に対してしたものとみなされます。手続きの窓口は、地域を管轄する地方運輸局です。

『親が何十年も走ってきた許可なんだから、家族なら継げるのでは?』と思う方も多いはずです。実は、審査で見られるのは継ぐ人自身の条件なんです。

例えば、中部運輸局が公示している審査基準では、相続の認可について次のように決めています。

  • 被相続人の死亡時の年齢が75歳未満であること
  • 相続人が、新しく許可を受ける場合の基準を満たすこと
  • 申請が被相続人の死亡後60日以内であること
  • 認可には、おおむね3年間の期限が付くこと

新しく許可を受ける場合の基準には、申請日の年齢が65歳未満であること、有効な第二種運転免許を持つこと、運転経歴の要件、法令の試験などがあります。細かな基準は運輸局ごとに公示されているので、管轄の運輸局で確かめてみてください。

子が二種免許を持つ場合と持たない場合で、どう違う?

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人のケースで考えてみます。

ケース許可の扱い主な手続き理由・注意
長男がタクシー運転手で二種免許あり認可されれば継げる死亡後60日以内に相続認可を申請年齢や運転経歴などの基準を満たすかが審査される
子が会社員で二種免許なし引き継げない事業をやめる届け出、車両の相続継ぐ人が許可の基準を満たさない
親が75歳以上で亡くなった相続認可の対象外(中部運輸局の基準)事業をやめる届け出、車両の相続被相続人の年齢要件がある
子が二種免許を持つ場合・持たない場合・親が75歳以上の場合で、許可を継げるかと手続きを分けたケース別の分岐表

「お兄ちゃんが継ぐなら、私は何ももらえないの?」
「営業車や運転資金を兄が引き継ぐ分、預貯金を多めに回すなど遺産分割で調整できます」

許可を継ぐ人が決まっても、営業車や預貯金は相続財産です。誰が何を受け取るかは、相続人全員の遺産分割協議で決めます。

ここが大事なところです。60日は、葬儀や役所の手続きをしているうちにすぐ過ぎてしまいます。継ぐ可能性があるなら、四十九日を待たずに運輸局へ相談しておきましょう。

許可を第三者に譲る「譲渡譲受」という手続きもあります。ただ、これは事業者本人が譲り渡す手続きで、譲渡人の年齢などの要件があります。亡くなった後に相続人が許可を売れるかは、運輸局に確認してみてください。

営業車や事業の財産は、相続でどう扱う?

『誰も継がないなら、営業車は相続に関係ないのでは?』と思うかもしれません。実は、営業車は親個人の財産なので、相続財産になります。ナンバーの付いた登録自動車は、所有者が変わった日から15日以内に名義変更(移転登録)を申請することになっています。

車両の評価は、国税庁の財産評価基本通達で決まっています。原則は売買の実例や専門家の意見価格を参考にし、分からない時は同じ規格の新品の価格から、製造からの年数分の減価(定率法)を差し引きます。

亡くなった親の所得税は、準確定申告で相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告します。相続人が2人以上なら、連署で出すか、各人が別々に出すこともできます。

個人タクシーの親が亡くなった時に確かめること
  • 継ぐ予定の人が第二種運転免許を持っているか
  • 死亡日から60日の期限の日付
  • 営業車がローンやリースで残っていないか
  • 事業用の口座の残高と、未収の運賃
  • 準確定申告の期限(4か月以内)

子が事業を継ぐ場合、税務署には継ぐ人の名前で開業の届け出を出します(事業を始めた日から1か月以内)。親が青色申告だった時は、継ぐ人の青色申告の承認申請に、死亡日で変わる期限があります。死亡日が1月1日から8月31日なら死亡の日から4か月以内です。

事業の届け出の全体像は、個人事業主の親が亡くなった時の手続きと期限の一覧でまとめて見られます。同じ許可で営む仕事として、建設業の親方が亡くなった時の許可と重機の引き継ぎも参考になります。

営業車のほかに自宅や預貯金があって基礎控除を超えそう、継ぐ人と継がない人の取り分を調整したい。そんなケースは、相続税の申告を税理士に頼むと評価と分け方を一緒に考えてもらえます。

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よくある質問

個人タクシーの相続の認可は、いつまでに申請しますか?

道路運送法で、被相続人の死亡後60日以内に認可を受けることになっています。申請中は、親の許可が相続人に対してしたものとみなされます。

子が二種免許を持っていなくても、許可を相続できますか?

相続の認可は、継ぐ人が新しく個人タクシーの許可を受ける場合の基準を満たすことが前提です。第二種運転免許はその基準の1つなので、持っていなければ引き継げません。

許可を継がない場合、営業車はどうなりますか?

営業車は相続財産なので、遺産分割で引き継ぐ人を決めます。売却や名義変更をする時は、所有者が変わった日から15日以内に移転登録を申請します。

まとめ

この記事の要点
  • 個人タクシーの事業を続けるなら、親の死亡後60日以内に相続の認可を申請する
  • 認可されるのは、継ぐ人が新規許可と同じ基準(年齢・二種免許・運転経歴など)を満たす場合
  • 基準を満たさなければ許可は継げず、営業車などの財産だけを相続する
  • 準確定申告は4か月以内、継ぐ人は開業の届け出と青色申告の承認申請も確認する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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