相続手続きをできるだけ早く終わらせる5つの段取り

相続手続きをできるだけ早く終わらせる段取りを解説する記事のアイキャッチ

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親が亡くなって、銀行・役所・法務局と手続きが山のようにある。仕事もあるし、できれば短い期間で一気に片づけたい、という方も多いはずです。

結論から言うと、相続手続きを早く終わらせるコツは、書類を「一度に・まとめて」そろえて、窓口ごとの手続きを同時に進めることです。順番を間違えると、同じ書類を何度も取り直すことになります。

この記事では、家族の状況ごとに、手続きを短くする5つの段取りを見ていきます。

目次

相続手続きは、どこで時間がかかる?

このケースではこうなる

相続人が妻と子1人で近くに住み、財産が預金と自宅だけなら、戸籍をまとめて取り、法定相続情報一覧図を作ってから、銀行と法務局の手続きを並行して進めると早く終わります。兄弟が遠方に散らばっているケースでは、遺産分割協議書を1通にまとめて郵送で回す段取りが、全体の早さを左右します。

時間がかかるのは、たいてい次の3つです。

  • 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍を集める
  • どんな財産があるかを調べる
  • 相続人全員で分け方を決め、署名と実印をもらう

『手続きの数が多いから時間がかかる』と思いますよね。

実は、手続きそのものより、その前の「集める・調べる・決める」で止まることが多いんです。ここを短くできると、あとの名義変更は流れ作業になります。

家族の状況で、詰まりやすい所が変わる

ケース詰まりやすい所早くするコツ
相続人が妻と子1人、近くに住んでいる。財産は預金と自宅銀行ごとに戸籍の束を出し直す法定相続情報一覧図を先に作り、各窓口に同時に出す
兄弟4人が遠方に住み、不動産が何か所かある協議書の署名・実印・印鑑証明書を集める全財産を1通の協議書にまとめ、持ち回りの順番を決めて郵送する
相続人の1人が海外に住んでいる印鑑証明書の代わりの書類の手配早めに連絡し、現地で取る書類を先に伝える
公正証書遺言がある遺言の内容どおりでよいかの確認検認が要らないので、すぐに名義変更へ進める

海外に住む相続人がいる時は、現地で取る書類に時間がかかることがあるので、亡くなったと伝える時に一緒に相談を始めておくと安心です。

相続人が近くに住む家族と遠方に散らばる家族で、手続きの詰まりやすい所が違う様子を示した家系図

手続きを早く終わらせる5つの段取り

全体の段取りは次のとおりです。

相続手続きを短くする5つの段取り
  1. 最初の1週間で、期限の近い順に「やることの表」を作る
  2. 戸籍は広域交付でまとめて取り、法定相続情報一覧図を作る
  3. 財産は通帳・郵便物・名寄帳で一気に洗い出す
  4. 遺産分割協議書は全財産を1通にまとめ、回す順番を決める
  5. 銀行・証券・法務局・役所の手続きを同時に進める

それぞれ、具体的に見ていきますね。

段取り1 期限の近い順に表を作る

相続の手続きには、短いものから長いものまで期限があります。

期限手続き
7日以内死亡届
10日・14日以内年金の受給停止(厚生年金10日・国民年金14日)、国保などの資格喪失、世帯主変更
3か月以内相続放棄・限定承認
4か月以内準確定申告
10か月以内相続税の申告と納付
3年以内相続登記
相続手続きの期限を短い順に並べた早見表

この表を最初に作っておくと、何から手をつければいいかで迷わなくなります。

借金があるかもしれない時は、3か月の相続放棄の期限が先に来ます。財産を使ったり売ったりする前に、放棄するかどうかを決めておきましょう。手順は相続放棄を自分で申し立てる時の手順で見ています。

段取り2 戸籍はまとめて取り、一覧図を作る

2024年3月1日から、戸籍証明書の広域交付が始まりました。

本籍地が遠くても、近くの市区町村の窓口で、亡くなった親や自分の戸籍をまとめて請求できます。郵送や代理人による請求はできないので、本人が窓口に行く必要があります。

戸籍がそろったら、法務局で「法定相続情報一覧図の写し」を交付してもらいましょう。無料で、必要な枚数を出してもらえます。

これが早さの分かれ目です。一覧図の写しを何枚か持っておけば、銀行や証券会社、相続登記、相続税の申告に同時に出せます。戸籍の束を1か所に出して、戻ってくるのを待つ必要がなくなるんです。

例えば、こんな場面を考えてみてください。

「銀行3つと法務局、全部に戸籍の束を出すんですか?」
「一覧図の写しを4枚もらっておけば、4か所に同じ日に出せますよ」

段取り3 財産は一気に洗い出す

財産の調べが後から何度も出てくると、そのたびに協議書を作り直すことになります。

最初にまとめて確認しておきたいのは、次のような物です。

最初に洗い出しておく物
  • 通帳とキャッシュカード(ネット銀行・ネット証券のメールや郵便物も)
  • 固定資産税の納税通知書と、市区町村で取る名寄帳
  • 証券会社からの取引報告書や年間報告書
  • 生命保険の証券
  • 借入金のローンの明細、クレジットカードの利用明細

名寄帳には、その市区町村で親が持っていた土地・建物が一覧で載っています。私道の持分など、納税通知書だけでは気づきにくい不動産も見つけやすくなります。

段取り4 協議書は全財産を1通にまとめる

遺産分割協議書は、銀行ごと・不動産ごとに分けて作るより、全財産を1通にまとめた方が早く済みます。

相続人が遠方に散らばっているなら、協議書を回す順番を決めておきましょう。署名と実印をもらったら、次の人に郵送してもらう形です。

『書き間違いがあったら、また全員に回すの?』と心配になりますよね。

だからこそ、回す前に全員に下書きを見てもらうのがコツです。内容に納得してから清書を回すと、出し直しを減らせます。

段取り5 窓口ごとの手続きを同時に進める

一覧図の写しと協議書がそろったら、銀行・証券会社・法務局・役所の手続きを同時に進めます。

法務局の窓口の使い方は法務局での登記申請・一覧図・相談予約の使い方、家の名義は相続登記を誰がいつやるかのケース別の手順も見てみてください。

相続税の申告がある家庭は、ここで時間をとられる

相続税の申告がある家庭は、10か月の期限に向けた準備に手間がかかりがちです。

遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える時は申告が必要です。相続人が妻と子1人なら4,200万円、兄弟4人なら5,400万円が基礎控除になります。

ケース申告が要るか理由・注意
遺産が基礎控除以下要らない名義変更だけで手続きを終えられる
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で0円になる要る特例を使うには申告が必要
期限までに分け方がまとまらない要る法定相続分で仮に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておく

自宅の土地や賃貸物件があり、評価や特例の判断が要るケースは、書類集めと並行して税理士に頼むと、全体の期間を短くしやすくなります。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

相続手続きは、全部でどのくらいの期間がかかりますか?

家族の状況や財産の数で大きく変わります。相続人が少なく財産が預金と自宅だけなら、書類がそろえば早く進みます。相続人が多い、不動産が何か所もある、話し合いがまとまらない時は長くなりがちです。

法定相続情報一覧図は、自分で作れますか?

作れます。戸籍をそろえて一覧図を書き、法務局に申し出ると、写しを無料で交付してもらえます。

手続きを一括で頼める所はありますか?

戸籍集めや協議書の作成は行政書士、相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、話し合いがまとまらない時は弁護士が担当します。何を頼みたいかで相談先を選んでみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 相続手続きで時間がかかるのは「戸籍を集める・財産を調べる・分け方を決める」の3つ
  • 最初の1週間で、期限の近い順にやることの表を作る
  • 戸籍は広域交付でまとめて取り、法定相続情報一覧図の写しを何枚か用意して同時に出す
  • 遺産分割協議書は全財産を1通にまとめ、下書きで合意してから清書を回す
  • 相続税の申告がある家庭は、書類集めと並行して税理士に相談すると全体が短くなる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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