指定相続分とは?法定相続分との違いと遺言での決め方

指定相続分の意味と法定相続分との違いを解説する記事のアイキャッチ

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遺言を書こうとして『妻に多めに残したいけど、法定相続分と違う割合にしていいの?』と迷う方は多いですよね。

結論から言うと、遺言で割合を決めれば、法定相続分より優先されます。これが指定相続分です。この記事では、同じ遺産で割合を変えた時に何が変わるかをケースで比べます。

目次

妻に多く残したい場合、遺言でどう決める?

このケースの結論

指定相続分とは、亡くなった人が遺言で決めた相続の割合です。法定相続分は民法が決めた目安の割合で、遺言で指定があればそちらが優先されます。例えば「妻に4分の3、子2人に8分の1ずつ」と書けば、その割合が各人の取り分の基準になります。

法定相続分は、遺言がない時に使う目安なんです。妻と子2人なら、妻が2分の1、子が4分の1ずつでした。

指定相続分は、この割合を遺言で書き換えるイメージです。「財産の何分の何を誰に」という割合で書くのが特徴です。

遺言には、例えば「妻〇〇の相続分を4分の3、長男〇〇と次男〇〇の相続分を各8分の1と指定する」のように書きます。誰の割合か、合計が1になっているかを書いた後に見直しておきましょう。

割合だけを決めた場合、どの財産を誰が取るかは、その割合をもとに相続人で話し合って決めることになります。自宅を誰が取るかで揉めそうなら、財産ごとに書く方法も考えてみてください。

これに対して、「自宅は妻に、預金は長男に」と財産ごとに書く遺言もあります。こちらは割合ではなく、特定の財産を渡す書き方です。違いは「相続させる」と「遺贈する」の違いで確認できます。

割合を変えると、相続税はどう変わる?

例えば、課税価格の合計1億円を、妻と子2人が相続するケースで比べてみます。数字は計算ツールで検算したものです。

ケース妻の取得子の取得納付額の合計理由・注意
遺言なし(法定相続分どおり)5,000万円2,500万円ずつ315万円妻は配偶者の税額軽減で0円、子は157.5万円ずつ
遺言で妻4分の3・子8分の1ずつ7,500万円1,250万円ずつ157.5万円子は78.75万円ずつ。子の遺留分8分の1は守られている
遺言で長男に全部0円長男1億円・次男0円630万円妻と次男の遺留分を侵害している

どのケースも、相続税の総額は630万円で同じです。基礎控除は4,800万円、課税遺産総額は5,200万円になります。

変わるのは、誰がどれだけ取るかと、配偶者の税額軽減がどれだけ効くかなんです。妻の取得が多いほど、家族全体の納付額は減ります。

ただ、妻が多く取ると、妻が亡くなった時の相続で子の税金が増えることもあります。割合を決める時は、その先まで見ておきましょう。

課税価格1億円を法定相続分どおり・妻4分の3・長男に全部で分けた時の取得額と納付額を並べた計算シート

指定相続分を決める時の注意は?

『遺言に書けば、どんな割合でも通るの?』と思うかもしれません。割合は自由に書けますが、気をつけたい点があります。

遺言で相続分を指定する前のチェック
  • 兄弟姉妹以外の相続人の遺留分を侵害していないか
  • 自筆証書遺言なら、全文・日付・氏名を自分で書いて押印したか
  • 借金がある場合、債権者との関係も考えたか
  • 相続人全員に、遺言の内容を伝える方法を決めたか

遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められた最低限の取り分です。妻と子2人のケースでは、全体の遺留分が2分の1で、子1人あたり8分の1になります。

上の表の「長男に全部」のケースでは、妻と次男が遺留分侵害額請求をすることがあります。請求は金銭で行うので、長男がお金を用意できるかも考えておきたいところです。

もう1つ、借金は指定相続分どおりには分かれないことがあります。債権者は、法定相続分で各相続人に請求できるんです。

例えば、こんなやりとりが起きることもあります。

「遺言で母さんが4分の3を相続したんだから、借金も母さんでしょ?」
「でも銀行は、法定相続分で僕にも請求できるって言ってるよ」

遺言と違う分け方をしてもいい?

指定相続分があっても、相続人全員が合意すれば、違う割合で分けることもあります。遺言執行者がいる時などは扱いが変わるので、事前に確かめてみてください。

具体的な取り分は、生前の贈与などを足し引きして変わることもあります。詳しくは具体的相続分の考え方で見られます。

遺言で割合を決めたい、配偶者の税額軽減や二次相続まで計算して割合を考えたい、というケースは税理士に相談すると楽です。いくつかの割合で税額を比べてもらえます。

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よくある質問

指定相続分と法定相続分、どちらが優先されますか?

遺言で指定があれば、指定相続分が優先されます。指定がない部分や遺言がない時は、法定相続分が目安になります。

相続税の計算も指定相続分で行いますか?

相続税の総額は法定相続分で分けたと仮定して計算します。各人が納める額は、実際に取得した割合で按分します。

相続分の指定を第三者に任せることはできますか?

遺言で第三者に割合の決定を任せる方法もあります。使う場面は限られるので、遺言を作る前に専門家に相談してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 指定相続分は、遺言で決めた相続の割合で、法定相続分より優先される
  • 課税価格1億円・妻と子2人なら、相続税の総額は割合に関係なく630万円
  • 妻の取得を増やすと配偶者の税額軽減で納付額が減る(315万円と157.5万円)
  • 兄弟姉妹以外の相続人の遺留分を侵害すると、請求を受けることがある
  • 借金は、債権者から法定相続分で請求されることがある
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相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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