相続放棄するなら家の片付けはどこまで?賃貸・持ち家・形見のケース別に判定

相続放棄を考えている人が家の片付けをどこまでしてよいかをケース別に判定する記事のアイキャッチ

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親が亡くなり、借金がありそうなので相続放棄を考えている。でも部屋はそのままで、大家さんや近所から片付けを急かされている。そんな状況で迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、片付けは「価値のある物を動かさない・売らない・捨てない」の線を守れば、できる範囲があります。住まいが賃貸か持ち家かで、気をつける所が変わります。

目次

相続放棄を考えている時、片付けはどこまでなら大丈夫?

このケースではこうなる

例えば、一人暮らしの父が賃貸アパートで亡くなり、子が相続放棄を考えているケースです。生ゴミや腐る食品の処分、自分の荷物の持ち出しは問題になりにくい一方、家具や家電を売る・まとめて捨てる、部屋を解約して明け渡すといった行為は、相続を認めたと見られるおそれがあります。迷う物は手を付けずに残しておくのが安全です。

相続放棄の前に遺産を処分したり使ったりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、放棄できなくなることがあります。

ここで言う「処分」は、売ることだけではありません。価値のある物を捨てることも含まれうるんです。

『ゴミを捨てるだけなのに?』と思いますよね。ただ、何がゴミで何が財産かは、見る人によって変わります。そこで、物の種類と住まいごとに分けて考えてみましょう。

ケース結論理由・注意
生ゴミ・腐る食品・壊れた日用品処分してよい場合が多い財産としての価値がほぼない。衛生のための最低限の作業
自分の荷物(実家に置いていた私物)持ち出してよいもともと自分の物。故人の物と混ざらないよう分けて運ぶ
写真・手紙などの思い出の品少しなら問題になりにくい売って値段が付く物でなければ形見として受け取れることが多い
時計・貴金属・着物・ブランド品持ち帰らない価値がある物を受け取ると処分とみなされるおそれ
家具・家電・車売らない・捨てない中古でも値段が付くことがある
賃貸の解約・明け渡し自分の判断で進めない借りる権利を手放す行為になりうる
相続放棄を考えている人の家の片付けで、物の種類ごとに処分してよいか・残すべきかを分けたケース別の分岐表

賃貸・持ち家・同居、住まい別にどうする?

住まいの形によって、片付けで気をつける所が変わります。

親が賃貸で亡くなった場合は?

賃貸のケースで一番困るのが、大家さんや管理会社から「部屋を空けてほしい」と言われる場面です。

「早く片付けて、解約してもらえますか」
「相続放棄を考えているので、手続きが終わるまで待ってもらえませんか」

まずはこう伝えてみてください。部屋を借りる権利も遺産の一つなので、相続人として解約や明け渡しをすると、放棄の妨げになることがあるんです。

ただし、あなたが部屋の連帯保証人になっている場合は話が別です。保証人としての責任は相続放棄をしても消えません。保証の考え方は親が連帯保証人だった時の相続で詳しく見ています。

孤独死で特殊清掃が必要なケースは?

一人暮らしの親が亡くなって発見が遅れると、特殊清掃が必要になることもあります。

においや汚れを止めるための最低限の清掃は、財産を守るための作業と見られる余地があります。とはいえ、家財をまとめて運び出すと処分に当たるおそれも。

業者に頼む時は、放棄を考えていることを伝え、作業の範囲を消毒や清掃に絞ってもらいましょう。費用は自分のお金で払い、遺産の預金から出さないのが基本です。

実家が持ち家のケース、同居していたケースは?

持ち家の場合は、大家さんから急かされることはありません。そのぶん、片付けを急ぐ理由も少ないですよね。

実家にそのまま残しておけば、放棄の判断には影響しにくいです。

一方で、放棄したあとも、その家を現に使っていたり管理していたりする人には、次の相続人などに引き渡すまで保存する義務があります。2023年4月1日に施行された改正で定められたルールです。

ケース結論理由・注意
実家が空き家で、自分は別に住んでいる片付けずに残してよい現に占有していなければ保存義務を負わないことが多い
実家で親と同居していた自分の物だけ分けて管理放棄後も引き渡すまで家を保存する義務がある
ゴミ屋敷になっている衛生上の最低限だけまとめて捨てると価値のある物まで処分してしまうおそれ

『同居していた家を出なければいけないの?』と心配になる方もいるはずです。放棄後の家の扱いは、ほかの相続人がいるかで変わります。管理の考え方は、相続放棄の前後の行動をまとめた相続放棄の前後にしてはいけないことも参考にしてみてください。

遺品整理をしてしまった時は、もう放棄できない?

すでに遺品整理をしてしまった、という相談も少なくありません。

実は、片付けたからといって、すぐに放棄できなくなるわけではないんです。処分した物に価値がなかった、衛生のために必要だった、といった事情があれば、放棄が認められる例もあります。

家庭裁判所に放棄を受け付けてもらえても、あとで債権者から「遺産を処分していた」と争われることがあります。何をいつ処分したのか、写真やメモで残しておきましょう。

期限は、自分が相続人になったと知った時から3か月以内です。片付けに気を取られて、期限を過ぎないよう注意してくださいね。

借金と同じくらい土地や預金もあって、放棄すべきか判断がつかない。そんなケースでは、財産全体の評価と相続税の見込みを税理士に出してもらうと、放棄するかどうかを数字で考えられます。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

相続放棄する前に、形見分けで服や家電をもらってもいいですか?

着古した服など値段が付かない物なら問題になりにくいです。家電は中古でも値段が付くことがあるので、放棄が終わるまで受け取らないのが安全です。

遺品整理をしたら、相続放棄はバレますか?

家庭裁判所が部屋を調べに来ることは通常ありません。ただ、債権者があとで処分を問題にすることはあるので、処分した物の記録を残しておきましょう。

実家に置いていた自分の荷物は持ち出してもいいですか?

自分の物であれば持ち出して大丈夫です。故人の物と混ざっている時は、自分の物だと分かる物だけを運んでください。

まとめ

この記事の要点
  • 相続放棄の前に価値のある遺品を売る・捨てる・持ち帰ると、相続を認めたとみなされるおそれがある
  • 生ゴミや腐る食品、自分の荷物の持ち出しは問題になりにくい
  • 賃貸の解約や明け渡しは自分の判断で進めず、大家さんに放棄を考えていると伝える
  • 持ち家で同居していた人は、放棄後も引き渡すまで家を保存する義務がある
  • 放棄の期限は、相続人になったと知った時から3か月以内
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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