遺品整理はいつから始めていい?相続の前に捨ててはいけない物

遺品整理を始める時期と相続の前に捨ててはいけない物を解説する記事のアイキャッチ

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葬儀が終わって、親の家に残った荷物を前に『いつから片付けていいんだろう』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、借金の有無と相続の方針が見えるまでは、捨てるのも売るのも待ったほうが安全です。この記事では、家族の状況ごとに始めどきと、先に残しておくべき物を見ていきます。

目次

遺品整理はいつから始めればいい?

このケースの結論

遺品整理に法律上の決まった時期はありません。ただ、親に借金があるかもしれないなら、相続放棄の期限(相続の開始を知った時から3か月以内)の判断が済むまでは、財産になる物を処分しないでおきましょう。処分すると相続を認めたとみなされ、放棄ができなくなることがあります。

実は、遺品整理の始めどきは「気持ちの区切り」だけでは決められないんです。

親の物の中には、相続の手続きで使う書類や、それ自体が相続財産になる物が混ざっています。先に捨ててしまうと、後から取り戻せないことも。

始めどきは、家族の状況によってかなり変わります。

ケース始めどき理由・注意
借金の心配がない・持ち家書類の仕分けが済んだら急ぐ理由は少ない。相続人全員で形見分けの方針を決めてから
借金があるかもしれない放棄するかを決めた後財産の処分は単純承認とみなされることがある
賃貸住宅に一人で住んでいた貴重品と書類の回収を最優先退去を急がれることが多い。価値のある物は売らずに保管
相続税がかかりそう財産の一覧を作った後申告期限は10か月。貴金属や美術品も財産として評価する
相続人同士で話がまとまっていない遺産分割が決まった後勝手に捨てる・持ち帰ると、もめる原因になる
借金の心配や住まいの種類によって、遺品整理を始める時期が変わることを示したケース別の分岐表

借金があるかもしれない時、遺品整理で気をつけることは?

『片付けくらいなら大丈夫でしょ?』と思いますよね。ただ、どこまでが「片付け」で、どこからが「財産の処分」かは線引きが難しいんです。

例えば、こんな場面は注意が必要です。

  • 親の車や時計、着物を買取業者に売った
  • 価値のありそうな家具や貴金属を形見として持ち帰った
  • 親の預金を解約して、整理業者の費用に充てた

これらは相続財産を処分・消費したと見られ、相続を認めたこと(単純承認)になるおそれがあります。

買取業者から「まとめて引き取りますよ」と言われても、その場で決めずにこう返しておけば十分です。

「相続の手続きが済んでから、改めてお願いします」

一方で、明らかに価値のない日用品のごみを出す程度なら問題になりにくいとされています。とはいえ、判断に迷う物は「残しておく」が基本です。

もう一つ、相続放棄をしても、親の家を現に管理している人は、次の相続人などに引き渡すまで財産を保存する義務があります。放棄したから全部捨てていい、ということにはなりません。

借金が後から見つかった時の考え方は、親の借金を知らずに相続してしまった時の対応で詳しく触れています。

相続の前に捨ててはいけない物はどれ?

ここが大事なところです。遺品整理の初日は「捨てる日」ではなく「探す日」にしてみてください。

整理の前に探して保管しておく物
  • 遺言書(封がしてあれば開けない。自筆の遺言は家庭裁判所の検認が必要)
  • 預金通帳・キャッシュカード・ネット銀行や証券会社からの郵便物
  • 不動産の権利証(登記識別情報)と固定資産税の納税通知書
  • 生命保険の証券・保険会社からの通知
  • 借入の契約書・督促状・ローンの返済予定表
  • 確定申告書の控え・源泉徴収票・年金の通知
  • 貴金属・美術品・骨とう品(売る前に価値を確かめる)
  • 家族名義の通帳や印鑑(名義預金の確認に使う)

特に見落としやすいのが、家族名義の通帳です。子や孫の名前の通帳でも、実際は親がお金を出して管理していたなら、相続財産として扱われることがあります。

相続税の税務調査では、こうした預金が問題になりやすいんです。捨てずに残しておきましょう。

遺品から出てきた通帳で、相続税が変わることもある

例えば、母が亡くなり子2人が相続するケースです。最初に分かっていた財産は4,000万円でしたが、遺品の中から孫名義の通帳が見つかり、母が積み立てていた800万円が入っていたとします。

項目通帳が見つかる前名義預金800万円を含めた場合
課税価格の合計4,000万円4,800万円
基礎控除(相続人2人)4,200万円4,200万円
課税遺産総額0円600万円
相続税の総額0円60万円
子1人あたり0円30万円

通帳1冊で「申告不要」から「申告が必要」に変わるケースです。法定相続分どおりに分けた前提の数字です。

もし先に通帳を処分していたら、申告が必要なことに気づけなかったかもしれません。名義預金に当たるかどうかは、誰がお金を出し、誰が通帳と印鑑を管理していたかで判断されるので、要件は税理士に確認してみてください。

遺産の取り分の考え方は、家族構成から取り分を計算する方法で詳しく見られます。

確定申告書の控えや年金の通知も大事です。親に所得があれば、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に準確定申告をすることになります。

一方で、仏壇やお墓に関わる物は祭祀財産といって、相続税はかかりません。ただ、誰が引き継ぐかは家族で話しておいたほうがいいですよね。

片付けの段取りは、どの順番で進めると楽?

『遠方に住んでいて、何度も実家に通えない』という方も多いですよね。だからこそ、焦って業者を呼ぶ前に、相続人同士で一度だけでも話しておくのがおすすめです。

賃貸住宅だった場合は、大家さんから早めの退去を求められることもあります。その時も、まずは貴重品と書類だけを回収して、売れそうな物は手元で保管しておきましょう。

「片付けを始める前に、通帳と書類だけ先にまとめて見せ合わない?」

こんな声かけで十分です。誰が何を持ち帰ったか分からなくなると、後から「勝手に持っていった」ともめやすくなります。

段取りの目安は次のとおりです。

  1. 遺言書・通帳・権利証など、上のチェックリストの物を探して保管する
  2. 財産と借金の一覧を作り、放棄するかどうかを決める
  3. 相続人全員で形見分けと遺産分割の方針を決める
  4. 価値のある物は査定してから、売るか分けるかを決める
  5. 残った日用品を処分する

親の家を売るつもりなら、片付けの時期は売却の段取りとも関わってきます。特例の期限と合わせて考えると、相続した実家を売る時期と期限の一覧が参考になるはずです。

財産の一覧づくりと相続税の申告準備を、遺品整理と並行して進めるのは大変ですよね。土地や預金が多くて相続税がかかりそうな場合や、家族名義の預金がある場合は、税理士に早めに相談しておくと整理の順番も決めやすくなります。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

四十九日の前に遺品整理を始めても問題ありませんか?

時期を決めた法律はないので、問題はありません。ただ、借金の有無や相続の方針が決まる前は、財産になる物を処分しないでおきましょう。

遺品整理の業者費用は、相続税の計算で差し引けますか?

相続税で差し引けるのは、借入金・未払いの税金・葬式費用などです。香典返しや四十九日などの法要の費用は葬式費用に含まれません。遺品整理の費用を差し引けるかは、申告の前に税理士に確認してみてください。

形見分けで兄弟が先に持って帰ってしまいました。どうすればいいですか?

価値のある物なら相続財産なので、遺産分割の話し合いの中で扱います。まず何を持ち帰ったかを書き出して、全員で共有しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 遺品整理に決まった時期はないが、借金の心配があるなら放棄の判断が先
  • 財産を売る・持ち帰ると、相続を認めたとみなされることがある
  • 遺言書・通帳・権利証・家族名義の通帳は捨てずに保管する
  • 形見分けの前に、相続人全員で方針を話しておく
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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