遺産相続は負けるが勝ち?譲った方が良いケースと譲らない方が良いケース

遺産相続で兄弟に譲った方が良いケースと譲らない方が良いケースを比べる記事のアイキャッチ

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『兄弟とお金のことで揉めるくらいなら、譲ってしまった方が楽かも』。遺産の話し合いが長引くと、そう考えるのは自然なことですよね。

結論から言うと、「負けるが勝ち」になるケースと、譲ると後悔しやすいケースがあります。この記事では、譲るかどうかを決める目安を、家族の状況別に見ていきます。

目次

譲った方がいいのは、どんなケース?

このケースではこうなる

例えば、遺産が預金3,000万円、相続人が兄と自分の2人で、兄が長く親の介護をしてきたケースです。法定相続分は1人1,500万円ですが、兄の介護を考えて多めに渡しても、自分の生活に響かないなら譲る選択は十分にあります。反対に、自分の生活資金がかかっている、相手に使い込みが疑われるなら、簡単に譲らない方がいいケースです。

譲るかどうかで迷ったら、次の表で自分の状況に近いものを探してみてください。

ケース結論理由・注意
兄弟が長く親の介護をしてきた譲る余地あり寄与分として認められる可能性もある。争っても取り分が減ることがある
親の家に兄弟が住み続けている譲る余地あり家を分けるには売るか代償金が要り、相手の生活を壊しやすい
遺産が少なく、争う費用や時間が見合わない譲る余地あり調停や裁判は長引くことがあり、気持ちの負担も大きい
自分の老後や子の学費など生活がかかっている譲らない方がいい後から取り戻す手段はかぎられる
相手が親の預金を使い込んだ疑いがある譲らない方がいい先に通帳の記録を確かめないと、後から問題にしにくくなる
遺言で自分だけ外されたすぐ譲らない遺留分は1年で請求できなくなる。まず金額を確かめる
親に借金がある譲るより相続放棄を検討協議で取り分を0にしても借金の請求は残る
遺産を兄弟に譲る余地があるケースと、すぐ譲らない方がいいケースを左右に分けて並べた分岐表の図

例えば、こんな会話から迷いが始まることが多いんです。

「お母さんの面倒はずっと私が見てきたんだから、家は私がもらうね」
「それは分かるけど、全部となると…」

介護の負担をどう考えるかは、介護の寄与分を日当から計算する方法で一度数字にしてみると、譲る額の目安が見えてきます。

譲らない方がいいのは、どんなケース?

『波風を立てたくない』という気持ちは大切です。ただ、次のような時は、気持ちだけで決めると後悔しやすくなります。

自分の生活がかかっている

遺産を受け取らなかったことで、老後の資金や住まいに困るなら、無理に譲る必要はありません。相続人として正当な取り分を求めるのは、わがままではないんです。

使い込みや生前贈与の偏りが疑われる

親の通帳から多額のお金が引き出されていた、特定の兄弟だけ住宅資金をもらっていた。こんな時は、譲る前に事実を確かめておきましょう。

生前に大きな援助を受けた兄弟がいる時の取り分は、特別受益の持ち戻しの計算例で確認できます。相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなるので、時間を置きすぎないことも大事です。

遺言で外された

遺言で「全財産を兄に」とされていても、子には遺留分があります。例えば、遺産3,000万円・子2人なら、遺留分は全体の2分の1を2人で分けて750万円です。

遺留分侵害額請求は、相続開始と侵害を知った時から1年で請求できなくなります。譲るかどうかは、請求できる額を知ってから決めても遅くありません。

「遺産を独り占めした人の末路」や因果応報は気にするべき?

相続で揉めると、『独り占めした人はいつか報いを受ける』『争うとスピリチュアル的に良くない』という話を目にすることもありますよね。

こうした話は、法律や税金のルールとは関係がありません。気にしすぎて、自分に必要な取り分まで手放すことは避けましょう。

ただ、「争ったことで兄弟と会えなくなった」という後悔は、実際によく聞く話です。お金と関係のどちらを大事にしたいかを考えるきっかけにするのは、悪いことではありません。

譲る前に確かめておきたいこと
  • 遺産の全体(預金・不動産・借金)を財産目録で見せてもらった
  • 自分の法定相続分と遺留分の金額を計算した
  • 譲っても自分の生活に困らないか考えた
  • 親に借金がないか確かめた(借金があれば相続放棄を検討)
  • 譲る内容を遺産分割協議書に書いて残す

譲る方法でも結果が変わる

譲ると決めた時も、方法は1つではありません。遺産分割協議で取り分を少なくする、相続分を兄弟に譲渡する、家庭裁判所で相続放棄をする、などがあります。

借金を引き継がないのは相続放棄だけで、期限は相続を知った時から3か月以内です。譲渡の使い方は相続分の譲渡のケース別の注意で見ています。

譲る場合でも、相続税の申告が必要になることがあります。誰がどれだけ受け取るかで税額が変わるので、遺産が基礎控除を超えそうな時は、分け方を決める前に税理士に試算してもらうと安心です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

遺産を兄弟に譲ったら、相続税はどうなりますか?

実際に多く受け取った人の課税価格が大きくなり、その人の税額が増えます。譲った人は受け取った分だけで計算します。遺産の合計が基礎控除以下なら相続税はかかりません。

一度譲ると言ったら、取り消せますか?

遺産分割協議が成立した後は、原則として相続人全員の合意がないとやり直せません。協議書に署名する前に、よく考えて決めましょう。

遺産分割協議で何ももらわなければ、親の借金も払わなくていいですか?

いいえ、協議で取り分を0にしても、貸した側には法定相続分で返す義務が残ります。借金を引き継ぎたくない時は、3か月以内に家庭裁判所で相続放棄をします。

まとめ

この記事の要点
  • 介護をした兄弟がいる・家に住む兄弟がいる・遺産が少ない時は、譲る選択も十分ある
  • 生活がかかっている・使い込みが疑われる・遺言で外された時は、すぐ譲らない
  • 遺留分は1年、特別受益や寄与分は相続開始から10年で主張できなくなる
  • 因果応報やスピリチュアルの話は、法律や税金のルールとは関係がない
  • 借金を引き継がないのは相続放棄だけで、期限は3か月以内
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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