田舎の実家が売れない時に相続人が取れる5つの選択肢

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親が一人で住んでいた田舎の実家。不動産会社に相談したら『この場所だと買い手がつきにくいですね』と言われてしまった、という方も多いはずです。

結論から言うと、売れない実家にも出口はあります。ただ、使える選択肢は「親が亡くなってからどれくらいたったか」と「ほかに財産があるか」で変わります。

この記事では、売れない実家を相続した時の5つの選択肢と、ケースごとにどれを選べるかが分かります。

目次

田舎の実家が売れない時、何ができる?

このケースの結論

選択肢は、①条件を変えて売る、②貸す・使う、③土地を国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)、④自治体や近所の人に譲る、⑤相続放棄、の5つです。親が亡くなって3か月以内なら相続放棄も選べますが、預貯金などほかの財産も全部手放すことになります。

まずは5つを並べて見てみます。

選択肢向いているケース理由・注意
①条件を変えて売る少しでも需要がある地域価格を下げる、買取業者や空き家バンクに出す
②貸す・使う家がまだ住める状態管理と固定資産税は続く
③国庫帰属制度建物を取り壊せる土地審査手数料1筆14,000円、承認後に負担金(原則20万円)
④自治体・近所に譲る隣の人が土地を広げたい等自治体は受け取らないことが多い
⑤相続放棄3か月以内で、ほかに財産が少ない預貯金も含めて全部手放す

『結局、どれを選べばいいの?』と迷いますよね。ここからは、ケースごとに見ていきます。

親の死亡から3か月以内かどうか、ほかの財産があるかどうかで、選べる出口が分かれるケース別の分岐表

親が亡くなって3か月以内なら、相続放棄も選べる?

相続放棄は、自分のために相続があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申述する手続きです。費用は収入印紙800円と郵便切手、戸籍などの取得費です。

ただ、ここが大事なところです。相続放棄は「実家だけいらない」ができません。預貯金や株など、プラスの財産も全部手放すことになります。

ケース相続放棄は向いている?理由・注意
財産は実家だけ、預貯金もほとんど無い向いていることがある次の順位の人(親の兄弟など)に相続が移る
実家のほかに預貯金がある向いていないことが多い預貯金も受け取れなくなる
すでに3か月を過ぎている原則選べない期間伸長の申立ては期限内に行う

もう1つ注意があります。放棄しても、実家を実際に管理している人は、次の相続人などに引き渡すまで保存する義務が残ります(2023年4月1日施行の改正)。

『放棄すれば、もう何もしなくていい』と思いがちですが、実はそうとも限らないんです。

また、実家の家財を処分したり、売ったりすると、単純承認とみなされて放棄できなくなることがあります。放棄を考えているなら、実家の片付けは手を付ける前に確認しておきましょう。

すでに相続した後なら、どう手放す?

3か月を過ぎた、またはほかの財産も受け取りたいから相続した、というケースでは、①から④の中から選ぶことになります。

①条件を変えて売る

価格を下げる、不動産の買取業者に出す、自治体の空き家バンクに登録する、といった方法があります。

1社に断られただけで『売れない』と決めてしまう方もいます。地元の不動産会社と、空き家の買取を扱う会社では、見方が違うこともあるんです。

売れた時は、相続税の申告期限の翌日から3年以内なら、取得費加算の特例が使えることがあります。相続税を払ったケースでは、売った時の税金が軽くなる場合があるので、売る時期も意識しておきましょう。

古い家なら、空き家の3,000万円特別控除が使えることもあります。1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家などが対象で、2027年12月31日までの売却が対象です。

2024年1月1日以降の売却で相続人が3人以上いる場合は、1人2,000万円になります。耐震や取り壊しなどの要件もあるので、使えるかは税理士に確認しておきましょう。

②貸す・使う

家がまだ住める状態なら、賃貸に出したり、週末の拠点として使ったりする道もあります。売れない間も固定資産税と草刈りなどの管理は続きます。

③相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう

2023年4月27日に始まった制度で、相続した土地を国に引き取ってもらえます。審査手数料は土地1筆14,000円、承認されたら負担金(原則20万円)を納めます。

ただ、建物がある土地や、担保がついた土地は申請できません。実家の場合は、家を取り壊して更地にしてからの申請になります。

④自治体や近所の人に譲る

『自治体に寄付すれば引き取ってくれるのでは?』と考える方もいますよね。実は、使い道のない土地は自治体が受け取らないことが多いです。

それよりも、隣の家の人が「庭を広げたい」「駐車場にしたい」と考えていることがあります。

「お隣さん、前から畑を広げたいって言ってなかった?」
「一度、話だけでもしてみようか」

こんなふうに、身近な人に声をかけてみるのも手です。譲る時は、相続登記を済ませてから名義を移すことになります。

売れない実家を手放す前に確認しておくこと
  • 相続登記は済んでいるか(取得を知った日から3年以内・怠ると10万円以下の過料)
  • 家が建った年(1981年5月31日以前かどうか)
  • 土地に抵当権などの担保がついていないか
  • 隣の土地との境界がはっきりしているか
  • 固定資産税の課税明細書の評価額

実家の土地がいくらで評価されるかは、相続した土地の価格を自分で調べる方法で調べ方を確認できます。

売れない実家でも、相続税はかかる?

売れないからといって、相続税の評価額が0円になるわけではありません。土地は路線価か、固定資産税評価額に倍率をかけて評価します。

ただ、田舎の実家は評価額がそれほど高くないことも多いです。ほかの財産と合わせて、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、相続税の申告は要りません。

例えば、子2人で相続するなら基礎控除は4,200万円です。実家と預貯金の合計がこれ以下なら、相続税はかかりません。

一方で、実家のほかに預貯金や都市部の不動産があると、基礎控除を超えることもあります。誰が実家を取得するかで、兄弟の間の不公平感が出やすい場面でもあります。分け方で揉めそうな時は、兄弟仲が悪くなる前の話し合いの順番も読んでみてください。

実家を売る、取り壊して国庫帰属を使う、といった話は、税金の特例と期限が絡みます。実家のほかにも財産があって相続税がかかりそうな方や、空き家の特例が使えるか知りたい方は、税理士に頼むと楽です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

実家を相続しないで、ほかの財産だけ受け取ることはできますか?

相続放棄では選べませんが、遺産分割協議で「実家は兄、預貯金は自分」のように分けることはできます。ただし、誰も取得しないまま置いておくと相続人全員の共有の状態が続くので、誰が持つかを話し合っておきましょう。

国庫帰属制度は家が建ったままでも使えますか?

建物がある土地は申請できません。家を取り壊してから申請することになります。ほかにも要件があるので、法務局に相談してみてください。

売れるまでの固定資産税は誰が払いますか?

相続した人が払います。遺産分割が終わるまでの間は、相続人の間で負担を話し合っておくと後で揉めにくくなります。

まとめ

この記事の要点
  • 売れない実家の出口は、売る・貸す・国庫帰属・譲る・相続放棄の5つ
  • 相続放棄は3か月以内で、預貯金なども全部手放すことになる
  • 国庫帰属制度は建物がある土地は申請できず、審査手数料と負担金がかかる
  • 古い家なら空き家の3,000万円特別控除が使えることがある
  • 売れなくても評価額は0円にならないので、ほかの財産と合わせて基礎控除と比べる
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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