相続で兄弟仲が悪くなる前に知っておきたい話し合いの順番

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親が亡くなって、兄弟で遺産の話をしなければいけない。『仲は悪くないけど、お金の話になったらどうなるか不安』という方も多いはずです。

結論から言うと、兄弟仲が悪くなるのは、分け方そのものより「話す順番」を間違えた時が多いんです。財産が見えないまま希望を言い合うと、こじれやすくなります。

この記事では、揉めやすいケースと、兄弟で話し合う時の順番、まとまらない時の手続きが分かります。

目次

兄弟の相続、どこで揉めやすい?

このケースの結論

話し合いは「財産の一覧を全員で見る」ことから始めます。そのうえで、実家・介護・生前の援助など、兄弟ごとに事情が違う所を先に出し合い、最後に分け方を決める順番にすると、こじれにくくなります。

兄弟の相続で揉めやすいのは、事情が兄弟ごとに違うケースです。

ケースよくある言い分理由・注意
実家に兄が住んでいて、ほかの財産が少ない「住んでいる家を出ろというのか」実家を分けにくく、代償金の話になる
姉が親の介護をしていた「私がこれだけ世話をしたのに」寄与分として主張できることがある
弟だけ家を買う時に援助を受けていた「弟はもう先にもらっている」特別受益として考えることがある
兄弟の1人が財産を管理していた「通帳を見せてくれない」財産が見えないと疑いが生まれる

『うちはどれかに当てはまる』と思った方もいますよね。当てはまるなら、いきなり分け方の話をせず、順番を踏むことが大事なんです。

揉めないための話し合いの順番

兄弟で話し合う時は、次の順番で進めてみてください。

遺産分割の話し合いの順番
  1. 相続人を確定する(戸籍を集めて、ほかに相続人がいないか確かめる)
  2. 遺言書があるか確かめる
  3. 財産と借金の一覧を作り、全員に同じ資料を渡す
  4. 兄弟それぞれの事情(同居・介護・生前の援助)を出し合う
  5. 誰が何を取得するか、分け方の案を出す
  6. 全員が合意したら、遺産分割協議書を作って全員が署名押印する

順番を飛ばすと、こんなことが起きがちです。

「実家は俺がもらうから、預金は2人で分けてよ」
「待って、預金っていくらあるの?まだ通帳も見てないよ」

財産の一覧が出る前に希望を言うと、相手は『何か隠しているのでは』と感じてしまいます。管理していた人ほど、最初に全部を見せるのがコツです。

相続人の確定では、前の結婚で生まれた子や、認知された子がいないかも確認しておきましょう。前妻(前夫)の子も相続人なので、話し合いに加わってもらう必要があります。

遺言書が見つかった場合は、開ける前に手続きが要ることがあります。遺言の内容に納得できない時の考え方は、遺言書が不公平で納得できない時に取れる手段で紹介しています。

実家しか無い時は、どう分ける?

兄弟の相続で多いのが、財産の大部分が実家というケースです。

例えば、母が先に亡くなっていて、父の財産が実家(評価額3,000万円)と預貯金1,000万円、相続人は兄と弟の2人だとします。法定相続分は2分の1ずつなので、1人2,000万円が目安です。

分け方兄弟理由・注意
実家を兄、預貯金を弟(代償なし)3,000万円1,000万円弟が不公平に感じやすい
実家を兄、兄が弟に代償金1,000万円2,000万円2,000万円兄に代償金を払う資金が要る
実家を売って分ける2,000万円2,000万円売るまで時間がかかる。住んでいる兄は出ることになる
実家を2人の共有にする2,000万円2,000万円将来売る時に2人の合意が要る

代償金は、実家を取得した人が、ほかの兄弟にお金で調整する分け方です。兄に払うお金が無い時は、売って分けるか、払い方を話し合うことになります。

共有にすると、その場は丸く収まったように見えます。ただ、兄弟のどちらかが亡くなると、その子どもたちとの共有になり、話がさらに難しくなることも。

ちなみに、このケースの合計は4,000万円で、基礎控除(子2人で4,200万円)以下なので相続税はかかりません。財産がもっと多い場合は、家族構成から取り分を計算する方法で税額の目安を見てみてください。

兄と弟の2人が実家3,000万円と預貯金1,000万円を相続する家系図と、分け方ごとの取り分を並べた図

介護した・援助を受けた、はどう扱う?

『介護した分、多くもらいたい』『先に援助を受けた分は差し引いてほしい』という話は、どのケースでも出やすいですよね。

ケース考え方注意
相続人の姉が介護した寄与分として取り分を増やす話し合いができる認められるかは貢献の中身による
相続人でない兄の妻が介護した特別寄与料を相続人に請求できる相続と相続人を知った時から6か月・相続開始から1年以内
弟が家の購入資金の援助を受けた特別受益として考える話し合いができる相続開始から10年を過ぎると原則主張できない

2023年4月1日施行の改正民法で、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなりました。話し合いを先延ばしにすると、言いたいことが言えなくなることもあるんです。

ただ、介護や援助を金額に直すのは難しいところです。互いに記録(介護の日誌・送金の記録など)を出し合うと、感情的になりにくくなります。

話し合いがまとまらない時はどうなる?

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。1人でも反対していると、協議は成立しません。

まとまらない時は、家庭裁判所の調停を使えます。調停でもまとまらなければ、審判で裁判所が分け方を決めます。

その間も、期限のある手続きは進みます。

  • 相続放棄の期限は、相続を知った時から3か月以内
  • 相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
  • 相続登記は、不動産を取得したことを知った日から3年以内

相続税の申告期限までに分割がまとまらなければ、法定相続分で仮に申告します。その時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておくと、まとまった後に配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使えます。払いすぎた分が戻る流れは、払いすぎた相続税が戻るケースで確認できます。

当面の生活費や葬儀費用に困る時は、預貯金の仮払い制度もあります。1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額×3分の1×その人の法定相続分」、上限150万円まで単独で払い戻せます。

実家や土地の評価で意見が分かれている、相続税がかかりそうなのに分け方が決まらない、というケースは、税理士に入ってもらうと話が進みやすくなります。数字を第三者に出してもらうと、兄弟の間で疑い合わずに済むからです。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

兄弟の1人が話し合いに応じてくれません。どうすればいいですか?

協議は全員の合意が要るので、まとまらない時は家庭裁判所の調停を申し立てることができます。交渉や調停の代理を頼みたい時は弁護士に相談してみてください。

遺産分割に期限はありますか?

法律上の期限はありません。ただ、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を主張できなくなり、相続税の申告や相続登記には期限があります。

遺産分割協議書は自分たちで作れますか?

作れます。ただ、不動産の登記や銀行の手続きで使うので、財産の書き方に不備があるとやり直しになることがあります。不安な時は専門家に確認してもらうと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 兄弟仲がこじれるのは、財産が見えないまま希望を言い合った時が多い
  • 順番は、相続人の確定、遺言書の確認、財産の一覧、事情の出し合い、分け方
  • 実家3,000万円と預貯金1,000万円を兄弟2人なら、代償金1,000万円で1人2,000万円に
  • 特別受益や寄与分は、相続開始から10年を過ぎると原則主張できない
  • まとまらない時は家庭裁判所の調停、その間も相続税の申告期限は進む
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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