当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。
親が亡くなって、相続税の申告を税理士に頼もうと決めた。でも『相続に強い税理士って、どう見分ければいいの?』と手が止まっている方も多いはずです。
結論から言うと、選び方の軸は「わが家の相続で特に手間がかかりそうな所」に合わせることです。遺産額、土地や自宅があるか、家族がもめそうか。この3つで、見るべきポイントが変わります。
相続に強い税理士、うちの場合はどう選べばいい?
遺産が基礎控除を少し超える程度で、財産が預金中心なら、相続税申告の実績があって見積もりが明確な税理士で十分です。土地や自宅がある場合は「土地評価の経験」を、家族がもめそうな場合は「弁護士と連携できるか」を優先して選びましょう。
税理士は、税金の仕事なら何でも同じように得意なわけではないんです。会社の決算や確定申告が中心の事務所もあれば、相続税の申告を多く扱う事務所もあります。
相続税の申告は税理士の独占業務です。ただ、相続税の申告は1人の税理士が経験する件数がそれほど多くない分野とも言われます。だからこそ「相続税の申告を何件くらい扱っているか」を聞く価値があるんです。
『ネットのランキングや口コミで決めちゃダメ?』と思う方もいますよね。参考にするのは自由ですが、ランキングの順位は、わが家の財産や家族の事情に合うかどうかまでは教えてくれません。
なので、この記事ではランキングではなく、ケースごとに「どんな税理士が合うか」を見ていきます。依頼するかどうか自体で迷っている方は、先に税理士に頼むか自分でやるかの判定表を見ておくと話が早いですよ。
遺産額で見ると、どんな税理士が合う?
まずは遺産の金額です。相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」なので、ここを超えるかどうかで必要なサポートが変わります。
例えば、夫が亡くなり妻と子2人が相続するケースなら、法定相続人は3人で基礎控除は4,800万円です。
| ケース(妻と子2人が相続) | 相続税の結論 | 合いそうな税理士・注意 |
|---|---|---|
| 遺産4,000万円 | 基礎控除4,800万円以下なので相続税はかからず、申告も不要 | 税理士に頼む必要は低め。財産の把握だけ確認を |
| 遺産8,000万円・法定相続分どおりに分ける | 相続税の総額350万円、妻は配偶者の税額軽減で0円、子は1人87万5,000円 | 相続税申告の実績と見積もりの明確さを重視 |
| 遺産8,000万円・子2人だけが相続(配偶者なし) | 基礎控除4,200万円、相続税は子1人235万円、合計470万円 | 配偶者軽減が使えない分、評価の精度が税額に響く |

ここで大事なのは、妻と子2人のケースで妻の税額が0円になっても、申告そのものは要るという点です。配偶者の税額軽減は、申告して初めて使える制度なんです。
「お母さんの分は0円なら、申告しなくていいんじゃない?」
「0円にするために申告が要るんだって。期限も10か月だよ」
こういう「0円でも申告が必要」なケースは、手続きを丁寧に進めてくれる税理士かどうかで安心感が大きく違います。
遺産が1億円を超えるような金額になると、財産の種類も増えがちです。上場株式や非上場株式、名義預金のように評価や判断が分かれる財産があるなら、相続税専門の税理士法人や、相続税申告の件数が多い事務所を候補にしておきましょう。
土地や自宅がある場合は、何を確かめればいい?
相続財産に土地が入ると、税理士選びのポイントはぐっと変わります。土地の評価は、市街地なら路線価方式、それ以外は倍率方式で計算します。
実は、同じ土地でも形や接している道路の状況で評価額が変わります。ここをどこまで丁寧に見てくれるかで、相続税額が変わることもあるんです。
もう1つの大きな分かれ目が、小規模宅地等の特例です。亡くなった人の自宅の土地なら、要件を満たせば330㎡まで評価額を80%減らせます。
| ケース | 確かめたいポイント | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 自宅の土地を同居していた子が相続 | 小規模宅地等の特例の要件を確認してくれるか | 適用には申告が必要。同居などの要件がある |
| 別居の子が実家を相続(持ち家なし) | いわゆる家なき子の要件を細かく確認してくれるか | 要件の判断が分かれやすい |
| アパートや貸地がある | 貸家建付地・貸付事業用宅地等の評価経験 | 貸付事業用は200㎡まで50%減額 |
| 地方の土地・山林が多い | 倍率方式の土地や売りにくい土地の扱いに慣れているか | 評価と売却の相談を同時にしたいことが多い |
『特例が使えるかどうかは、自分で調べれば分かるのでは?』と思うかもしれません。ただ、要件を満たすかどうかの判断は細かいので、最終的には税理士に確認してもらいましょう。
家族がもめそうな時は、税理士だけで足りる?
遺産の分け方で家族の意見が合わない時は、税理士選びにもう1つ条件が加わります。それが「弁護士とつながっているか」です。
税理士は相続税の申告を担当しますが、遺産分割の交渉や調停の代理はできません。交渉の代理は弁護士の仕事なんです。
| ケース | 合いそうな体制 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 話し合いは進んでいて、税金だけ不安 | 相続税申告の実績がある税理士 | 分け方が決まっていれば申告に集中できる |
| 兄弟姉妹で分け方がまとまらない | 弁護士と連携している税理士事務所 | 交渉は弁護士、税金の試算は税理士で分担 |
| 期限の10か月までに分割が終わりそう | 未分割の申告と分割見込書に慣れた税理士 | 後から特例を受ける手続きの経験が要る |
もめている時でも、相続税の申告期限は止まりません。期限内に分割がまとまらなければ、法定相続分でいったん申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておく流れになります。
こうしておくと、分割が決まった後に配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受けられます。弁護士探しも並行するなら、争点別の弁護士の探し方も参考にしてみてください。
面談で何を聞けば、相続に強いか見極められる?
候補の税理士が見つかったら、面談で次の点を聞いてみましょう。相続に詳しい税理士なら、どれもすぐに答えてくれるはずです。
- 相続税の申告を年に何件くらい扱っているか
- 書面添付制度に対応しているか
- 見積もりに何が含まれ、何が追加料金になるか
- 土地の評価をどこまで現地確認してくれるか
- 期限までのスケジュールを具体的に示してくれるか
- 質問した時の説明が分かりやすく、話しやすいか
報酬は自由化されていて、公的な基準はありません。遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われることが多いですが、土地の数や相続人の人数で上下します。
金額だけで比べるより、見積もりの中身で比べるのがおすすめです。「土地が1か所増えたらいくら増えるか」まで聞いておくと、後で慌てずに済みますよ。
ここが大事なところです。土地がある、相続人が多い、期限まで半年を切っている。このどれかに当てはまるなら、自分で何軒も事務所を回るより、相続税の申告に慣れた税理士をまとめて紹介してもらう方が楽なケースもあります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)
よくある質問
相続に強い税理士は、どうやって探せばいいですか?
相続税申告の件数や土地評価の経験を、面談で直接聞いて確かめるのが基本です。知人の紹介や税理士会の相談、税理士紹介サービスなど、候補の見つけ方は複数あります。
いつもの顧問税理士に相続税の申告を頼んでもいいですか?
頼むこと自体はできます。ただ、相続税の申告をどのくらい扱っているかは事務所ごとに違うので、件数や土地評価の経験を一度聞いておくと安心です。
相続税がかからない場合も、税理士に相談したほうがいいですか?
基礎控除以下で特例も使わないなら、相続税の申告は不要です。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例で0円になるケースは申告が必要なので、その場合は相談を考えてみてください。
まとめ
- 相続に強い税理士の選び方は、遺産額・土地の有無・もめ具合で変わる
- 妻と子2人で遺産8,000万円なら相続税の総額は350万円、妻は申告すれば0円
- 土地や自宅があるなら、土地評価と小規模宅地等の特例の経験を確かめる
- もめそうなら、弁護士と連携できる税理士を選ぶ
- 面談では申告件数・書面添付・見積もりの中身を聞く




