自筆の遺言書の検認を早く済ませるための準備と当日の流れ

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父の机の引き出しから、封筒に入った手書きの遺言書が出てきた。『すぐに開けて中身を確かめたい』と思うのは自然なことですよね。

結論から言うと、自筆の遺言書は家庭裁判所の検認を受けてからでないと、登記や預金の手続きに使えません。この記事では、検認を早く済ませるための準備と、当日に何が起きるかを見ていきます。

目次

自筆の遺言書が見つかったら、まず何をする?

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、自宅で封をした自筆の遺言書が見つかったケースです。封は開けずに保管し、父の最後の住所地の家庭裁判所に検認を申し立てます。申立てをするのは、遺言書を保管している人か、見つけた相続人です。

封のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立ち会いのもとで開ける決まりです。うっかり開けても遺言が無効になるわけではありません。ただ、過料の対象になることがあるので、そのまま持っていきましょう。

検認は、遺言書の形や日付、署名などの状態を記録して、後から書き換えられないようにする手続きです。遺言の内容が有効かどうかを判断する場ではない、という点も知っておくと安心です。

誰が相続人かで、準備の手間はどう変わる?

検認を早く済ませるカギは、戸籍集めです。相続人が誰かで、そろえる戸籍の量が大きく変わります。

ケース主な必要書類理由・注意
妻と子が相続人遺言者の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍比較的そろえやすい
子がなく、妻と父母が相続人上に加え、父母の戸籍など相続人の順位で追加の書類が要る
子も父母もなく、兄弟姉妹が相続人上に加え、父母の出生から死亡までの戸籍など集める戸籍が多く、時間がかかりやすい
法務局で保管された遺言・公正証書遺言検認は不要すぐに登記や預金の手続きに使える

『戸籍って本籍地ごとに取り寄せるの?』と心配になりますよね。2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村窓口でも、本人や配偶者、父母、子などの戸籍をまとめて請求できるようになりました。

ただ、兄弟姉妹の戸籍は広域交付の対象外なので、郵送などで別に集めることになります。兄弟姉妹が相続人のケースは、ここに時間を見込んでおきましょう。

申立てを早くするために、先にやっておくこと

実は、書類集めより前にやっておくと早いことがあります。

申立て前の準備
  • 誰が相続人になるかを、手書きの家系図で書き出しておく
  • 相続人全員の連絡先を確認し、検認の予定を伝えておく
  • 連絡用の郵便切手の額を、申し立てる家庭裁判所に確認する
  • 遺言書は封のまま、なくさない場所に保管する

家系図を書いてみると、どの戸籍が足りないかが見えてきます。『あの叔父さんも相続人?』という見落としも、この段階で気付けるんです。

相続人が妻と子の場合と兄弟姉妹の場合で、検認の準備に必要な戸籍の量が変わることを示した家系図

検認当日はどんな流れ?欠席してもいい?

費用は、遺言書1通につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手です(裁判所 遺言書の検認)。

申立てから検認済証明書まで
  1. 戸籍などの書類をそろえ、家庭裁判所に検認を申し立てる
  2. 家庭裁判所から相続人に検認期日の通知が届く
  3. 当日、申立人が遺言書を持参して提出する
  4. 出席した相続人の立ち会いのもと、裁判官が遺言書を開けて状態を確認する
  5. 検認済証明書を申請する(1通につき収入印紙150円分)

当日は、遺言書と申立人の印鑑を忘れずに持っていきます。申立人以外の相続人は、出席するかどうかを自分で決めてかまいません。

「遠方なので行けない」という兄弟がいても、検認は進められます。ただ、内容を一緒に確かめたいなら、日程を早めに共有しておくと後のもめごとを防げます。

検認の後は何から手を付ける?

検認済証明書が付いた遺言書で、不動産の名義変更や預金の解約を進めます。登記の段取りは相続登記は誰がいつやるかで確認できます。

ご自身が遺言を残す側なら、法務局の自筆証書遺言書保管制度(手数料1通3,900円)を使うと、家族は検認をしなくて済みます。

検認に時間がかかっても、相続税の申告期限(知った日の翌日から10か月以内)は待ってくれません。遺言で自宅や土地を受け取る人がいて、相続税がかかりそうな場合は、検認と並行して税理士に相談しておくと楽です。

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相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

検認を受けないと遺言は無効になりますか?

無効にはなりません。ただ、検認済証明書がないと、相続登記や預金の手続きで遺言書を使えないのが普通です。

検認の当日、申立人以外は欠席してもいいですか?

かまいません。申立人以外の相続人が出席するかは各人の判断とされています。

遺言書に書かれていない保険金はどうなりますか?

受取人が指定された生命保険金は、遺言とは別に受取人が請求できます。順番は生命保険を請求する順番で確認してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 封のある自筆の遺言書は開けずに、最後の住所地の家庭裁判所へ
  • 兄弟姉妹が相続人のケースは戸籍集めに時間がかかりやすい
  • 費用は遺言書1通につき印紙800円分と切手。証明書は1通150円分
  • 申立人以外の相続人は、当日欠席しても検認は進む
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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