付言事項とは?遺言に家族への気持ちを書く意味とそのまま使える文例

遺言に家族への気持ちを書く付言事項の意味と文例を紹介する記事のアイキャッチ

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『遺言に財産の分け方だけ書くと、冷たく見えないかな』と気になっている方は多いですよね。

結論から言うと、遺言の最後に家族への思いや分け方の理由を書くことができます。これが付言事項です。この記事では、付言事項がどんな場面で役に立つかを、ケースと文例で見ていきます。

目次

「自宅を長男に多めに」と書く時、付言事項は何の役に立つ?

このケースの結論

付言事項は、分け方の理由や家族への感謝を伝えるための部分です。法律上の効力はありません。それでも「なぜこう分けたのか」が分かると、多めにもらえなかった家族も気持ちの整理がしやすくなり、もめにくくなります。

遺言の本文は「誰に何を渡すか」を決める部分です。付言事項はそれとは別に、遺言者の気持ちを家族に向けて書く部分なんです。

例えば、妻と長男・長女がいて、同居している長男に自宅を相続させるケース。本文だけだと、長女からは『どうしてお兄ちゃんばかり』と見えてしまうかもしれません。

そこに「長男は母さんと一緒に暮らし、家を守ってくれるので自宅を任せます」と一言あるだけで、受け止め方はずいぶん変わります。

ケース付言事項に書くこと効力・注意
同居の長男に自宅を相続させる自宅を任せる理由、残る家族への配慮理由が分かるともめにくい
介護をしてくれた長女に預金を多めに渡す介護への感謝感謝の言葉は他の兄弟にも伝わる
遺留分より少ない取り分の子がいる少なくした理由と「請求しないでほしい」という願い願いには法的な効力がなく、請求は止められない
再婚していて前妻の子がいる前妻の子への思い前妻の子も相続人なので、取り分の書き方に注意
付言事項に何を書くかを、自宅・介護・遺留分・前妻の子の4つのケース別に分けた分岐表

付言事項に法的な効力はある?

『書いておけば、その通りにしてもらえるのでは?』と思いますよね。実は、付言事項はあくまでお願いやメッセージで、相続人を縛る力はありません。

特に誤解が多いのが遺留分です。兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があり、取り分が少ない人は遺留分侵害額請求ができます。付言事項で「請求しないでほしい」と書いても、請求そのものは止められません。

ただ、効力がないから意味がない、というわけでもないんです。理由を知った家族が「それなら仕方ないね」と納得して、請求しないことを選ぶ場面は少なくありません。

付言事項に効力がないのとは逆に、遺言の本文の書き方を間違えると、財産の行き先そのものが変わってしまいます。「相続させる」と「遺贈する」の違いは「相続させる」と「遺贈する」の使い分けで確認できます。

そのまま使える付言事項の文例

ここでは、よくある場面ごとの文例を紹介しますね。自分の言葉に直して使ってみてください。

文例1:自宅を同居の長男に任せる場合

長男の〇〇には、母さんと一緒に暮らしてくれたこの家を任せます。長女の〇〇には預金を多めに残しました。二人とも、これからも母さんを支えてあげてください。

文例2:介護をしてくれた子に感謝を伝える場合

晩年、〇〇には通院や身の回りの世話で大変な苦労をかけました。その気持ちとして、預金を多めに残します。他のみんなも、どうか分かってほしい。

文例3:取り分が少ない子に向けて

〇〇には、家を建てる時に十分な援助をしたつもりです。だから今回は少なめにしました。どちらが大事ということではありません。兄弟仲よく過ごしてくれることが、何よりの願いです。

書く時は、特定の誰かを責める言葉は避けておきましょう。「〇〇は何もしてくれなかった」のような一文は、かえって争いの火種になります。

書き終えたら見直したいこと
  • 本文の分け方と、付言事項に書いた理由が食い違っていないか
  • 名前を出していない相続人がいないか(前妻の子なども含めて)
  • 誰かを責める言葉や、読んで傷つく言い回しが入っていないか
  • 「請求しないで」などのお願いを、命令のような言い方にしていないか

「お父さんは、私のこともちゃんと見てくれていたんだね」。付言事項は、家族がそう受け止められるように書くのが目標です。

自筆の遺言と公正証書、どちらでも書ける?

どちらの遺言でも付言事項は書けます。公正証書遺言なら、公証人に伝えると本文の後に入れてもらえます。

自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要です(法務局の保管制度を使ったものは不要)。検認の場で相続人がそろって遺言を読むことになるので、付言事項が最初に家族へ届くメッセージになります。検認の意味は検認とは何をする手続きかで詳しく見られます。

遺言の内容をきちんと実行してほしい時は、遺言執行者を指定しておく方法もあります。役割は遺言執行者の任務にまとめています。

遺言で自宅や土地を誰かに多めに渡すと、相続税の計算や小規模宅地等の特例の使い方も変わります。不動産があって遺産が基礎控除を超えそうなケースは、分け方を決める前に税理士へ相談すると楽です。

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よくある質問

付言事項を書かないと遺言は無効になりますか?

なりません。付言事項は書いても書かなくてもよい部分で、遺言が有効かどうかには関係しません。

付言事項はどのくらいの長さがいいですか?

決まりはありません。長すぎると本文の分け方とずれが出やすいので、理由と感謝が伝わる数行から1ページ程度が読みやすいです。

付言事項だけ後から書き足せますか?

自筆証書遺言なら、新しく遺言を書き直す形になります。公正証書遺言も作り直しが必要です。

まとめ

この記事の要点
  • 付言事項は、遺言に家族への思いや分け方の理由を書く部分
  • 法律上の効力はなく、遺留分侵害額請求も止められない
  • 理由と感謝が伝わると、取り分の少ない家族も納得しやすい
  • 誰かを責める言葉は避け、自分の言葉で書く
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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