相続人が行方不明ならどうする?音信不通・海外在住のケース別の進め方

相続人が行方不明・音信不通・海外在住の時の進め方をケース別に解説する記事のアイキャッチ

当サイトは国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに編集部が執筆しています。記事内のサービス紹介には広告を含みます。

父が亡くなったのに、何年も音信不通の兄と連絡がつかない。『兄抜きで遺産を分けてもいいの?』と困っている方もいるはずです。

結論から言うと、相続人が1人でも欠けた遺産分割協議は無効です。ただ、住所を探す、家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選んでもらうなど、前に進める方法はあります。この記事では、状況ごとの進め方を見ていきます。

目次

連絡が取れない相続人がいたら、どう進める?

このケースの結論

父が亡くなり、母と自分と兄が相続人。兄は住所も分からず連絡が取れないケースなら、まず戸籍の附票で兄の住所を探します。それでも見つからなければ、家庭裁判所に不在者財産管理人を選んでもらい、その管理人が兄の代わりに遺産分割協議に加わります。

『連絡がつかないなら、いない人として進めればいいのでは』と思いますよね。でも、遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。1人でも欠けていると、銀行の解約や相続登記も進みません。

だからこそ、「探す」と「探しても見つからない時の手続き」を順番に進めていくのが近道です。窓口役を誰にするかは、代表相続人の決め方も参考にしてみてください。

音信不通・住所不明・海外在住、ケース別の進め方

連絡が取れないと言っても、状況はさまざまです。ケースごとに進め方を並べてみました。

ケース進め方理由・注意
住所は分かるが、手紙や電話に返事がない手紙で事情を伝え、だめなら遺産分割調停調停は家庭裁判所が間に入って話し合う手続き
住所が分からない戸籍の附票で住民票上の住所を調べる附票には住所の移り変わりが記録されている
附票の住所にも住んでいない不在者財産管理人の選任を申し立てる管理人が家庭裁判所の許可を得て分割に参加
生死が7年間分からない失踪宣告を申し立てる法律上、死亡したものとみなされる
海外に住んでいて住所は分かる郵送やメールで連絡し、書類をやり取りする印鑑証明の代わりの書類を現地の在外公館で用意することが多い
音信不通・住所不明・生死不明・海外在住のケースごとに、相続人が行方不明の時の進め方を示した分岐表

海外在住のケースで多いのが、住所は分かっていても書類のやり取りに時間がかかることです。日本の印鑑証明書が取れないため、代わりの書類を用意してもらう必要があり、郵送の往復だけで日数がかかります。期限のある手続きがあるなら、早めに連絡を始めておきましょう。

例えば、前妻の子の居場所が分からないケース。亡くなった人の戸籍をたどると前妻の子の本籍が分かり、そこから戸籍の附票を取り寄せれば、住民票上の住所が見つかることがあります。

「会ったこともない相手に、どう連絡すればいいの?」
「まずは丁寧な手紙で、亡くなったことと相続の話がしたいことを伝えてみてください」

そもそも誰が相続人なのかを洗い出すところから迷う時は、家族構成を書き出して相続人を判定する手順を先に試してみてください。

不在者財産管理人と失踪宣告は何が違う?

探しても見つからない時の手続きは、この2つです。どちらも家庭裁判所に申し立てます。

比べる点不在者財産管理人失踪宣告
使う場面住所を離れて戻る見込みがない生死が7年間分からない(危難に遭った場合は1年)
結果管理人が本人の財産を管理し、許可を得て分割に参加本人が死亡したものとみなされ、その人の相続が始まる
申立て費用収入印紙800円+郵便切手、予納金が要ることも収入印紙800円+郵便切手+官報公告料5,298円
申立先不在者の従来の住所地などの家庭裁判所同じ

実は、不在者財産管理人が分割に加わる場合、兄の取り分をゼロにする内容は通りにくいんです。管理人は兄の財産を守る立場なので、兄の取り分を確保した分け方を求められると考えておきましょう。

相続税の期限が迫っている時はどうする?

行方不明の相続人を探している間も、相続税の申告期限は止まりません。亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

分割がまとまらない時は、法定相続分で分けたものとして期限内に申告し、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておきます。そうすれば、分割が決まった後に配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を受けられます。

『兄が見つかるまで待とう』と申告を後回しにすると、延滞税や無申告加算税がかかることもありますよね。相続人に行方不明の人がいる、土地があって評価が難しい、期限まで数か月しかないといったケースは、申告だけでも先に税理士に頼むと安心です。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

紹介料無料税理士ドットコムで相続に強い税理士を紹介してもらう

(税理士ドットコムの紹介ページに移動します・24時間365日受付)

よくある質問

行方不明の相続人を外して遺産分割してもいいですか?

いいえ。相続人全員がそろわない遺産分割協議は無効になります。不在者財産管理人や失踪宣告の手続きで、代わりの人や扱いを決めてから進めます。

戸籍の附票は誰でも取れますか?

相続人として必要な理由があれば、ほかの相続人の附票を請求できる場合があります。請求できる範囲は市区町村の窓口で確認してみてください。

相続人と連絡は取れるのに、話し合いを拒否されたらどうなりますか?

話し合いに応じない時は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てられます。調停でもまとまらなければ審判で分け方が決まります。

まとめ

この記事の要点
  • 相続人が1人でも欠けた遺産分割協議は無効
  • 住所が分からなければ、まず戸籍の附票で探す
  • 見つからない時は不在者財産管理人、生死が7年分からなければ失踪宣告を申し立てる
  • 申立てはどちらも家庭裁判所で、収入印紙は800円
  • 相続税の申告期限は止まらないので、未分割でも10か月以内に申告する
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次