長男の嫁に相続権はある?義父母を介護した嫁がもらえる3つのケース

義父母を介護した長男の嫁が相続で財産を受け取れるケースを解説する記事のアイキャッチ

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長年、義父母の介護を続けてきたのに、いざ相続となると話に入れてもらえない。『私には何の権利もないの?』とモヤモヤしている方も多いはずです。

結論から言うと、長男の嫁はそのままでは相続人ではありません。ただ、養子縁組・遺言・特別寄与料の3つの道があり、どれを使うかで受け取れる形が変わります。

この記事では、嫁が財産を受け取れるケースと、それぞれの期限や税金の注意点を見ていきます。

目次

長男の嫁は義父の遺産を相続できる?

このケースの結論

義父が亡くなっても、長男の嫁(子の配偶者)は法定相続人ではないので、遺産分割の当事者にはなりません。受け取る方法は「生前に義父と養子縁組する」「義父に遺言で遺贈してもらう」「亡くなった後に特別寄与料を請求する」の3つです。介護の貢献だけを理由に相続分が生まれることはありません。

法定相続人は、配偶者と血のつながった子・親・兄弟姉妹だけです。嫁と義父は「姻族」の関係なので、どれだけ近くにいても相続人の枠には入らないんです。

誰が相続人になるかは家族図で見ると分かりやすいので、法定相続人を家族図で確認する記事も合わせて見てみてください。

例えば、義父が亡くなり、義母と長男・次男が相続人になるケース。長男の嫁が10年介護していても、遺産分割協議の席に名前は出てきません。

『夫が相続するんだから、同じことでしょう?』と思いますよね。ただ、夫が先に亡くなっていると話が変わります。

ケース嫁の立場理由・注意
夫(長男)が健在で義父が亡くなった相続人ではない夫が子として相続する。嫁は夫を通じて間接的に関わるだけ
夫が先に亡くなり、その後に義父が亡くなった相続人ではない夫の分は嫁ではなく、夫の子(義父の孫)が代襲して相続する
夫が先に亡くなり、子もいない相続人ではない義父の相続は義母・次男など他の相続人だけで進む
義父と養子縁組していた子として相続人になる実子と同じ相続分。夫が健在でも嫁自身が相続人

夫が亡くなった後も義父母の介護を続けているケースでは、何もしなければ嫁の手元には何も残りません。ここが大事なところです。

長男の嫁が義父の相続人になるかを、夫が健在・夫が先に死亡・養子縁組の3パターンで描いた家系図

介護した嫁がもらえる3つの方法は?

3つの方法は、義父が元気なうちに準備するものと、亡くなった後に動くものに分かれます。

方法いつ動く?もらえる額の決まり方注意
養子縁組義父の生前子として法定相続分を持つ実子と同じ相続分。夫の兄弟の取り分は減る
遺言で遺贈義父の生前に遺言を書いてもらう遺言に書かれた財産・割合他の相続人の遺留分に注意
特別寄与料義父の死後相続人との話し合い、まとまらなければ家庭裁判所知った時から6か月・相続開始から1年で請求できなくなる

特別寄与料はどんな人が請求できる?

特別寄与料は、相続人ではない親族が、無償で療養看護などをして財産の維持や増加に特別の寄与をした時に、相続人へお金を請求できる制度です(民法1050条)。2019年7月1日に始まりました。

対象は「親族」なので、長男の嫁は当てはまります。一方で、介護の報酬を受け取っていた場合は「無償」に当たらず、認められにくくなります。

期限はかなり短いです。相続の開始と相続人を知った時から6か月、または相続開始から1年を過ぎると、家庭裁判所に請求できなくなります。

例えばこんなやり取りが想定されます。

「お義父さんの介護、5年ずっと私がしてきたんです」
「気持ちは分かるけど、遺産は兄弟で分けることになってるから」

こうなったら、まずは介護の記録(日記・領収書・介護サービスの利用記録)をそろえて、相続人に金額を相談してみてください。話し合いがまとまらない時は家庭裁判所に決めてもらえます。

嫁がもらうと相続税はどうなる?

嫁が遺贈や特別寄与料で財産を受け取ると、その分は相続税の対象になります。特別寄与料が相続税の対象になることは、国税庁のNo.4105 相続税がかかる財産に載っています。

実は、ここで2割加算が関わります。嫁は配偶者でも一親等の血族でもないので、遺贈や特別寄与料で受け取った分の相続税は2割増しになります(No.4157 相続税額の2割加算)。

ケース2割加算基礎控除の人数
遺言で遺贈を受けた対象嫁は数えない
特別寄与料を受け取った対象嫁は数えない
義父と養子縁組していた対象外(子になるため)養子として数える。実子がいれば養子は1人まで

例えば、義父の相続人が長男・次男の2人なら基礎控除は4,200万円です。嫁が養子縁組をしていれば相続人は3人になり、4,800万円に広がります。

『養子縁組をすれば税金面も得なの?』と考える方もいますよね。ただ、夫の兄弟の取り分が減るので、家族の納得が先です。要件を満たすかは税理士に確認を。

遺言で遺贈を受けた、特別寄与料が決まった、という時は嫁自身にも相続税の申告が関わることがあります。義父に土地がある、相続人どうしの話し合いが進まないケースは、税理士に頼むと楽です。

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よくある質問

夫が亡くなった後、姻族関係終了届を出すと義父母の相続はどうなりますか?

民法728条2項で、配偶者が亡くなった後は姻族関係を終わらせる意思表示ができます。もともと嫁は義父母の相続人ではないので、相続権が増えたり減ったりはしません。ただ、特別寄与料は「親族」が対象なので、姻族関係を終わらせた後の介護は扱いが変わる可能性があります。出す前に専門家に相談してみてください。

婿入りした夫にも同じルールが当てはまりますか?

はい。妻の親と養子縁組していない婿は、嫁と同じく相続人ではありません。詳しくは婿養子のケースの記事で比べています。

嫁が義父の遺産分割協議に参加することはありますか?

相続人ではないので、原則として当事者にはなりません。義父と養子縁組をしている時や、包括遺贈で割合を指定して遺贈を受けた時は、話し合いに加わることになります。

養子縁組した婿・していない婿の違いは婿養子の相続権のケース比較で見ています。

まとめ

この記事の要点
  • 長男の嫁は義父母の法定相続人ではない。夫が先に亡くなっても代わりに相続するのは夫の子
  • 受け取る方法は養子縁組・遺言での遺贈・特別寄与料の3つ
  • 特別寄与料は知った時から6か月・相続開始から1年で請求できなくなる
  • 遺贈と特別寄与料は相続税が2割加算になる。養子縁組なら対象外
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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