自己破産の手続き中に親が亡くなったら相続はどうなる?

自己破産の手続き中に親が亡くなった時の相続の扱いを解説する記事のアイキャッチ

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自己破産の手続きを進めている最中に、親が亡くなった。『遺産は全部取り上げられてしまうの?』『放棄したほうがいいの?』と頭が真っ白になりますよね。

結論から言うと、親が亡くなったのが「破産手続開始の決定」の前か後かで、答えがはっきり分かれます。この記事では、親が亡くなったタイミングごとに見ていきます。

目次

破産の手続き中に親が亡くなったら、遺産はどうなる?

このケースではこうなる

親が亡くなったのが破産手続開始の決定より前なら、あなたの相続分は破産財団に入り、破産管財人が管理して債権者への配当にあてます。決定より後に亡くなったなら、その遺産は破産財団に入らず、あなたが受け取れます。どちらの場合も、すぐに破産の手続きを頼んでいる弁護士に伝えておきましょう。

破産法では、破産手続開始の時点で本人が持っている一切の財産を「破産財団」とすると決められています。破産財団は、債権者に分けるための財産のまとまりです。

親が開始決定の前に亡くなっていると、その時点で相続はもう始まっています。だから相続分は「開始の時点で持っている財産」に入るんです。

反対に、開始決定の後に亡くなった場合は、相続は開始の後に始まっています。その遺産は破産財団に入らず、本人の物になります。

『じゃあ開始決定の前だと何もできないの?』と思うかもしれません。ここが大事なところです。破産法には、この場合の相続の承認や放棄についての決まりがあります。

申立て前・開始決定の前後・免責後。ケース別にどうなる?

親が亡くなった時期ごとに、扱いを表にしました。

ケース結論理由・注意
破産の申立て前(準備中)に亡くなった遺産も財産として申告する遺産を隠したり、取り分をゼロにする分け方をしたりすると、手続きや免責に影響することがあります
申立て後・開始決定の前に亡くなった相続分は破産財団に入り、破産管財人が管理する開始決定後にした単純承認は、破産財団に対しては限定承認の効力になります
開始決定の後に亡くなった遺産は破産財団に入らず、本人が受け取れる開始の時点で持っていなかった財産だからです
免責が確定した後に亡くなったふつうに相続できる破産の手続きとは関係なく相続します

開始決定の前に親が亡くなり、開始決定の後に相続を承認した場合を見てみます。破産法では、この承認は破産財団に対しては限定承認の効力を持つとされています。

つまり、親に借金があっても、破産財団がプラスの遺産以上の借金を背負わないようになっているんです。

相続放棄をした場合も、破産財団に対しては同じく限定承認の効力になります。ただし、破産管財人は放棄の効力を認めることもできます。

例えば、弁護士とはこんなやり取りになります。

「父が亡くなりました。相続はどうしたらいいでしょう。」
「亡くなった日はいつですか?開始決定の日と比べて、管財人と扱いを相談しますね。」

まずは亡くなった日を確かめて、遺産のおおまかな中身を伝えてみてください。

親が亡くなった時期が破産手続開始の決定の前か後か、免責後かで遺産の行き先が分かれることを示したケース別の分岐表

相続放棄を考える時に気をつけることは?

親に借金が多い場合、相続放棄は自然な選択です。期限は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内です。

ただ、プラスの遺産が多いのに、申立ての前に自分の取り分をゼロにする遺産分割をするのは危険です。債権者を害する行為として、後で問題にされることがあります。

弁護士に伝えておきたいこと
  • 親が亡くなった日(開始決定の日と比べるため)
  • 遺産のおおまかな中身(預金・不動産・借金)
  • ほかの相続人が誰か
  • 生命保険金の受取人になっているかどうか

開始決定の後に親が亡くなり、遺産を自分で受け取れるケースでは、ほかの相続人との分け方や相続税の手続きも出てきます。遺産全体が基礎控除を超えるかどうかも確認しておきましょう。

例えば、相続人が子3人なら、基礎控除は3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円です。

実家の土地がある、相続人が多いなど、評価や申告の手間がかかりそうなケースは税理士に任せると楽です。破産の手続きそのものの相談は、手続きを頼んでいる弁護士に伝えてください。

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任意整理や個人再生の途中の場合は、扱いが違います。債務整理中の人が相続人になった時に気をつけることも読んでみてください。

生活保護を受けている場合は生活保護を受けている人が相続人になった時の注意点にまとめています。

よくある質問

開始決定の後に亡くなった親の遺産を、債権者に取られることはありますか?

開始決定の後に始まった相続の遺産は破産財団に入らないので、破産の配当にあてられることはありません。免責に関わる事情がないかは、手続きを頼んでいる弁護士に確認しておきましょう。

生命保険金の受取人になっていた場合はどうなりますか?

生命保険金は受取人自身の財産です。いつ受け取る権利が生まれたかで破産財団に入るかが変わることがあるので、弁護士に伝えて扱いを確認してみてください。

親の遺産を隠したらどうなりますか?

財産を隠すことは、免責が認められない事情にあたるおそれがあります。破産の手続きでは、遺産も含めて正直に申告しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 親の死亡が破産手続開始の決定の前なら、相続分は破産財団に入る
  • 開始決定の後や免責の後に亡くなったなら、遺産は本人が受け取れる
  • 開始決定後の単純承認や相続放棄は、破産財団に対しては限定承認の効力になる
  • 申立て前に取り分をゼロにする分け方や、遺産を隠すことは避ける
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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