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親が亡くなって相続の書類を見ていたら、『実印と印鑑証明書をご用意ください』の文字。でも、自分は印鑑登録をしていなかった、という方も多いはずです。
結論から言うと、相続で実印が要るのは「遺産分割協議書」に関わる場面がほとんどです。この記事では、どんなケースなら実印が不要で、実印がない時はどう準備すればいいかを順に見ていきます。
相続で実印が要らないのはどんなケース?
相続人全員で遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作るケースでは、相続人全員の実印と印鑑証明書が要ります。一方で、遺言どおりに分けるケースや、法定相続分どおりに登記するケース、相続放棄の申述では、相続人全員の印鑑証明書を集める場面は基本的にありません。
実印が求められる理由は、『本当にこの人が分け方に同意したのか』を証明するためなんです。
だから、話し合いの書類が要らないケースでは、実印の出番も減ります。まずは、自分の家がどのケースに当たるかを見てみてください。
| ケース | 実印・印鑑証明書 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 相続人全員で話し合って分ける(遺産分割協議) | 要る | 遺産分割協議書に全員が実印を押し、印鑑証明書を付ける |
| 遺言書どおりに分ける | 相続人全員の分は基本的に不要 | 話し合いの書類が要らない。遺言の種類で手続きは変わる |
| 法定相続分どおりに不動産を登記する | 相続人全員の分は不要 | 協議書を作らないため。共有名義になる点に注意 |
| 相続放棄をする | 不要 | 家庭裁判所の添付書類は戸籍謄本などで、印鑑証明書は入っていない |
| 預貯金の解約・名義変更 | 金融機関しだい | 多くの場合、協議書か金融機関の書式に実印を求められる |

遺産分割協議書を作るなら、相続人全員の印鑑証明書が要る
ここが大事なところです。不動産を誰か1人の名義にするなど、法定相続分と違う分け方をする時は、遺産分割協議書が要ります。
法務局の案内では、遺産分割協議書には相続人全員が印鑑証明書と同じ印(実印)を押し、その印鑑証明書を各1通付けるとされています。ただし、登記を申請する本人の印鑑証明書は添付不要です。
『印鑑証明書は3か月以内の物じゃないとダメ?』と心配になりますよね。実は、相続登記に付ける遺産分割協議書の印鑑証明書には、作成後3か月以内といった制約はないと法務局の案内に書かれています。
ただ、銀行など金融機関では、発行から一定期間内の物を求められることがあります。手続き先ごとに確認しておきましょう。
例えば、母と子2人が相続人で、実家は長男が継ぎ、預金は母と次男で分けるケース。
「全員の実印が要るんですか?」
「はい。母・長男・次男の3人とも、協議書に実印を押して印鑑証明書を用意します」
このように、1人でも実印がない人がいると、協議書が完成しないんです。協議がまとまるまでの期間の目安は遺産はいつもらえるかのケース別の目安で確認できます。
実印がない時は、まず印鑑登録から
『そもそも実印を持っていない』という方も心配いりません。実印とは、住民登録のある市区町村で印鑑登録をしたはんこのことです。
登録して印鑑証明書を取るまでの流れ
- 印鑑登録に使うはんこを用意する(ゴム印のように変形しやすい物は使えないことが多い)
- 住民登録のある市区町村の窓口で印鑑登録を申請する
- 登録後に交付される印鑑登録証(カード)を受け取る
- 窓口やコンビニ交付で印鑑証明書を取る
本人確認書類の種類や、その日のうちに登録できるかは市区町村ごとに違います。行く前に、住んでいる市区町村のホームページを見ておくと安心です。
マイナンバーカードがあれば、コンビニで印鑑証明書を取れる市区町村もあります。相続人が遠方に住んでいる時は、この方法を伝えてあげると手間が減りますよ。
海外に住んでいる相続人がいる時は?
海外に住んでいて日本で住民登録がない人は、印鑑登録ができません。その場合は、現地の日本の在外公館で署名証明(サイン証明)を取って代える方法があります。
必要な書類は手続き先によって違うので、早めに確認しておきましょう。時間がかかりやすいので、海外の相続人には最初に連絡しておくのがおすすめです。
実印が要らないケースでも、気をつけたいこと
遺言書があるケースでは、相続人全員の印鑑証明書を集める手間は減ります。ただし、自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要です(法務局で保管されていた物は検認不要)。
法定相続分どおりに登記するケースも、実印は要りません。ただ、実家が兄弟の共有名義になり、あとで売る時に全員の同意が要ることも。手間を先送りしているだけ、という場合もあるんです。
相続放棄では、家庭裁判所に出す添付書類は戸籍謄本などで、印鑑証明書は求められていません。期限は相続の開始を知った時から3か月以内です。
手続きをしないまま放っておくと何が起きるかは、相続手続きをしなかったケースにまとめています。
相続人が多くて書類集めが大変、不動産があって協議書と相続税の申告をまとめて進めたい。こんなケースは、専門家に頼むと楽になります。相続税がかかるかどうかも含めて、一度税理士に相談してみてください。
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よくある質問
認印で遺産分割協議書を作ってもいいですか?
相続登記や金融機関の手続きに使う協議書は、実印と印鑑証明書を求められます。認印で作ると、手続きで受け付けてもらえないことがあります。
相続人全員の印鑑証明書は何通いりますか?
相続登記では各1通です。金融機関でも求められることがあるので、手続き先の数と原本を返してもらえるかを確かめてから取りましょう。
亡くなった親の実印や印鑑証明書は使いますか?
相続人側の手続きで、亡くなった人の印鑑証明書が求められることは基本的にありません。必要なのは、亡くなった人の戸籍や住民票の除票などです。
まとめ
- 相続で実印が要るのは、遺産分割協議書を作るケースが中心
- 協議書には相続人全員の実印と印鑑証明書が要る(登記申請する本人の分は添付不要)
- 遺言どおり・法定相続分どおりの登記・相続放棄では、全員の印鑑証明書は基本的に不要
- 実印がない人は、住民登録のある市区町村で印鑑登録をしてから印鑑証明書を取る
- 海外に住む相続人は、在外公館の署名証明で代える方法がある




