遺言書が書き換えられたかもしれない時に確認すること

遺言書の書き換えの疑いを保管場所ごとに確かめる記事のアイキャッチ

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親が亡くなった後、兄弟の1人が「遺言書があった」と出してきた。でも中身が、生前に親から聞いていた話とまるで違う。そんな時、『もしかして書き換えたのでは』と疑ってしまいますよね。

結論から言うと、まず確かめるのは「その遺言書がどこで、どう保管されていたか」です。この記事では、保管の仕方ごとに書き換えの疑いをどう確かめるかを見ていきます。

目次

兄弟が出してきた遺言書、書き換えを疑った時はまず何をする?

このケースではこうなる

兄弟が自宅で保管していた自筆の遺言書なら、勝手に開けずに家庭裁判所の検認を待ち、その場で原本の状態を確かめます。法務局で保管された遺言書や公正証書遺言は、原本が役所側にあるので、書き換えの疑いはぐっと小さくなります。

自筆の遺言書を見つけた人は、家庭裁判所で検認を受けます。検認では相続人が立ち会い、日付・署名・訂正の跡などの状態を記録してもらえます。

ここが大事なところです。検認は「どんな状態の遺言書だったか」を残す手続きで、有効か無効かを決めるものではありません。

『検認が済んだなら、本物ということ?』と思う方も多いはずです。実はそうではなく、検認の後でも無効を争うことはできるんです。

だからこそ、検認の場では気になる点を遠慮せず見ておきましょう。

検認の場で見ておきたいところ
  • 筆跡が親の普段の字と比べて不自然でないか
  • 日付や金額の部分だけインクの色や太さが違わないか
  • 訂正や書き足しに、署名・押印のある正しい訂正の跡があるか
  • 封筒の封が、一度開けられたような跡になっていないか

保管の仕方で、書き換えの疑いはどれくらい変わる?

同じ「遺言書」でも、どこに原本があるかで書き換えの起こりやすさが大きく違います。ケースごとに並べてみます。

ケース書き換えの疑い理由・注意
兄弟が自宅で保管していた自筆の遺言書確かめる価値がある原本を1人が持っていたので、手を加えられる機会があった
親が自分の机にしまっていた自筆の遺言書発見の経緯しだい誰が最初に見つけ、いつ開けたかを聞いておく
法務局の保管制度を使った自筆の遺言書小さい原本は法務局が保管し、検認も要らない
公証役場で作った公正証書遺言ほぼない原本は公証役場に残り、証人2人の立ち会いで作られている

法務局の自筆証書遺言書保管制度は2020年7月10日に始まった制度です。手数料は1通3,900円で、預けた遺言書は検認が要りません。

例えば、自宅で見つかった遺言書の日付が、法務局に預けた遺言書より新しいケースもあります。内容が食い違う部分は日付の新しい方が優先されるので、自宅の1通が本物かどうかがそのまま結論を左右します。

遺言書の保管場所ごとに、書き換えの疑いの大きさと確認先を分けたケース別の分岐表

偽造や無効を疑った時、どう進めればいい?

『でも、兄弟を疑うなんて…』とためらう気持ちも自然です。ただ、疑ったまま遺産分割の話し合いを進めると、あとで不満が大きくなりがちです。

まずは、遺言書を出してきた兄弟に事情を聞いてみてください。

「この遺言書、いつどこで見つけたの?」

「父さんの机の引き出しにあったんだよ。封は自分で開けてない」

経緯を聞いても納得できない時は、親が書いた手紙や日記、署名した書類など、比べられる字を集めておきましょう。筆跡鑑定を頼む時の材料になります。

話し合いで決着しない時は、家庭裁判所の調停や、遺言が無効であることの確認を求める訴えで争うことになります。偽造は相続欠格にあたり、偽造した人は相続人になれなくなる制度もあります。

本物だった場合も考えておく

遺言書が本物で、自分の取り分が少ない内容だったケースもあります。この時は、兄弟姉妹以外の相続人に認められた遺留分を請求できることがあります。

遺留分侵害額請求は、相続の開始と侵害を知った時から1年で消えてしまいます。無効を争っている間も、この期限は進むので注意しておきましょう。いくら請求できるかは遺留分をケース別に計算した記事で確かめられます。

親に遺言を書くよう働きかけた疑いがある時は、兄弟が親に遺言書を書かせたかもしれない時の考え方も参考にしてみてください。

遺言の中身で相続税の額や誰が払うかも変わります。不動産がある、相続人が多い、申告期限の10か月が迫っている。こうしたケースは、税理士に早めに入ってもらうと手続きが進めやすくなります。

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よくある質問

検認を受けた遺言書は本物だと認められたことになりますか?

なりません。検認は遺言書の状態を記録する手続きで、有効か無効かは判断しません。検認の後でも無効を争うことはできます。

遺言書を書き換えた兄弟は遺産をもらえなくなりますか?

遺言書の偽造や変造は相続欠格にあたり、相続人になれなくなる制度があります。ただ、偽造かどうかは証拠で判断されるので、まずは専門家に相談してみてください。

無効を争っている間に遺留分の期限が過ぎることはありますか?

あります。遺留分侵害額請求は、相続の開始と侵害を知った時から1年で消えます。無効の主張と並べて、期限内に請求の意思を伝えておくと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 書き換えの疑いは、遺言書の保管場所で大きさが変わる
  • 自宅保管の自筆の遺言書は、検認の場で原本の状態を確かめる
  • 検認は有効か無効かを決める手続きではない
  • 法務局保管や公正証書遺言は、原本が役所側にあり書き換えの疑いは小さい
  • 無効を争う間も、遺留分の1年の期限は進む
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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