民法の相続ルールをケースで確認|相続人・相続分・遺言の基本条文

民法の相続ルールを家族のケースに当てはめて確認する記事のアイキャッチ

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親が亡くなって、『民法では誰がいくら相続することになっているの?』と調べ始めた方も多いはずです。ただ、条文をそのまま読んでも、自分の家族に当てはめるのは難しいですよね。

結論から言うと、相続の基本は民法の5〜6本の条文でほぼ決まります。この記事では、よくある家族のケースに条文を当てはめて、誰がどれだけ受け取るかを確認します。

目次

妻と子2人のケースで、民法はどう決めている?

このケースではこうなる

夫が遺言を残さず亡くなり、妻と子2人が残された場合、相続人は3人です。法定相続分は妻1/2、子はそれぞれ1/4で、遺産6,000万円なら妻3,000万円、子1人1,500万円が民法の目安になります。

この結論は、次の条文を順に当てはめると出てきます。

条文書いてあることこのケースでは
882条相続は、死亡によって開始する夫が亡くなった日に相続が始まる
887条被相続人の子は相続人となる子2人が相続人
890条配偶者は常に相続人となる妻も相続人
900条配偶者と子なら各1/2、同じ順位は均等妻1/2、子は1/2を2人で分けて各1/4
907条共同相続人は協議で分割できる3人で話し合えば目安と違う分け方もできる

ここが大事なところです。法定相続分は「話し合いがまとまらない時の目安」なんです。3人全員が合意すれば、妻が自宅を全部受け取るといった分け方もできます。

例えば、こんな会話になる家族もあります。

「法律だと私たちは1/4ずつなんでしょ?」
「それは目安だから、お母さんの老後を考えて決めよう」

子がいない・遺言があるケースではどう変わる?

同じ遺産でも、家族の形と遺言の有無で結論は大きく変わります。

ケース当てはまる条文結論・注意
子がいない夫婦、夫の両親は他界、夫に兄が1人889条・900条妻3/4、兄1/4。妻だけにはならない
子が先に亡くなり、孫がいる887条2項孫が子の立場で相続する(代襲相続)
遺言で「長男に全部」と書いた(妻と子2人)902条・1042条遺言は有効。ただし妻1/4・次男1/8の遺留分を請求できる
内縁の妻と暮らしていた890条内縁の妻は相続人にならない

『遺言があれば全部その通りになるのでは?』と思いますよね。実は、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分という最低限の取り分があります。

遺産6,000万円を長男に全部残す遺言なら、妻は1,500万円、次男は750万円まで長男にお金で請求できます。請求できる期間は、相続開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年です。

妻と子2人の家系図に法定相続分と遺留分を書き込み、子のいない夫婦のケースと並べた図

亡くなった人を「被相続人」と呼ぶなど、条文に出てくる言葉の読み方は被相続人と相続人の違いを記入例で見る記事で確認できます。

相続法改正はいつから?何が変わった?

相続のルールは、ここ数年で何度か改正されています。『親の相続が昔の法律か今の法律か分からない』という方は、施行日を見てみてください。

施行日変わったこと
2019年1月13日自筆証書遺言の財産目録をパソコンや通帳コピーで作れる
2019年7月1日遺留分の請求が金銭に。介護などで貢献した親族の特別寄与料
2020年4月1日配偶者居住権・配偶者短期居住権
2020年7月10日法務局での自筆証書遺言の保管制度
2023年4月1日相続開始から10年を過ぎると特別受益・寄与分を主張できなくなる
2024年4月1日相続登記の義務化(知った日から3年以内、怠ると10万円以下の過料)
2026年4月1日住所・氏名の変更登記の義務化(変更から2年以内)

相続の義務化と言われるのは、相続登記のことです。2024年4月1日より前の相続で取得した不動産も対象で、2027年3月31日か、知った日から3年以内の遅い方が期限になります。

もう一つ、相談で出てくるのが「無権代理人が本人を相続する」ケースです。例えば、息子が父の代理権がないのに父の土地を売る契約をし、その後に父が亡くなって息子が1人で相続した場面です。

本来、無権代理の契約は本人が追認しなければ効力がありません(民法113条)。ただ判例では、息子が相続で父の立場になっても、追認を拒んで契約を逃れることは信義に反し許されないとされています。

相続人が多い、遺言と遺留分でもめそう、古い登記が残っている。こうしたケースは条文の当てはめに加えて相続税の計算も絡むので、早めに専門家に相談すると楽です。

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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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相続税の側の条文は、相続税法の条文をケースで読む記事で見ていきます。

よくある質問

民法の相続の条文はどこから読めばいいですか?

まずは882条(相続の開始)、887条・889条・890条(誰が相続人か)、900条(法定相続分)の5本です。この5本で、誰がどれだけ相続するかの目安が分かります。

法定相続分どおりに分けないといけませんか?

いいえ。相続人全員が合意すれば、法定相続分と違う分け方もできます。まとまらない時は家庭裁判所の調停や審判で決めます。

相続登記の義務化はいつからですか?

2024年4月1日からです。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記する必要があり、それ以前の相続も対象です。

まとめ

この記事の要点
  • 相続は死亡で始まり、配偶者は常に相続人、そのほかは子、親、兄弟姉妹の順
  • 妻と子2人なら妻1/2・子各1/4、子のいない夫婦で兄がいれば妻3/4・兄1/4
  • 法定相続分は目安で、全員が合意すれば違う分け方もできる
  • 遺言があっても、兄弟姉妹以外の相続人は遺留分をお金で請求できる
  • 2024年4月1日から相続登記が義務になり、過去の相続も対象
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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