推定相続人とは?生前の対策で名前が出るケースで法定相続人との違いを確認

推定相続人とは誰のことかを家族のケースで確認する記事のアイキャッチ

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公正証書遺言を作ろうとしたら、「推定相続人の方は証人になれません」と言われた。生前の相続対策では、こんなふうに急にこの言葉が出てきますよね。

結論から言うと、推定相続人とは「もし今この人が亡くなったら、相続人になるはずの人」のことです。この記事では、家族の形ごとに誰が当てはまるかと、法定相続人との違いを具体例で確認します。

目次

「推定相続人」と言われたのは誰のこと?

このケースではこうなる

夫婦と子2人の家族で、夫が遺言を作る場面なら、推定相続人は妻と子2人の3人です。夫が亡くなるまでは「推定」が付き、亡くなった時点で同じ3人が「相続人(法定相続人)」になります。

民法では、推定相続人を「相続が開始した場合に相続人となるべき者」と書いています(民法892条)。相続はまだ始まっていない、という前提の言葉なんです。

『法定相続人と何が違うの?』と思う方も多いはずです。違いは、言葉を使う時期にあります。

言葉使う時期中身
推定相続人本人が生きている間今亡くなったら相続人になるはずの人
法定相続人本人が亡くなった後民法の順位で実際に相続人になった人
相続人亡くなった後放棄した人を除いて実際に相続する人

例えば、生きている父について「長男は推定相続人です」と言います。父が亡くなった後は「長男は法定相続人です」と言い換えるイメージです。

ちなみに「指定相続人」という言葉は、民法には出てきません。遺言で財産を受け継ぐ人を指して使われることがありますが、正式な用語ではないので、書類では「受遺者」や「相続人」と書かれます。

家族の形で、推定相続人の範囲はどう変わる?

推定相続人の範囲は、法定相続人と同じ順位のルールで決まります。配偶者は常に入り、そのほかは子、親、兄弟姉妹の順です。

ここが大事なところです。家族の誰かが亡くなったり、子が生まれたりすると、推定相続人の顔ぶれはその都度変わります。

ケース(夫が本人)推定相続人理由・注意
妻と子2人がいる妻・子2人子がいれば親や兄弟姉妹は入らない
子がいない、両親は他界、兄が1人妻・兄第3順位の兄弟姉妹まで回ってくる
子のうち1人が先に亡くなり、孫が1人妻・存命の子・孫孫が亡くなった子の立場を引き継ぐ(代襲)
妻とは離婚、前妻との子が1人前妻との子前妻は入らないが、子は入る
内縁の妻と暮らしている子(子がいなければ親や兄弟姉妹)内縁の妻は入らない

『子どもがいない夫婦なら、妻だけだと思っていた』という声はよく聞きます。実際には、両親が他界していれば兄弟姉妹も推定相続人になるんです。

夫を本人にした家系図で、妻と子2人のケース、子がいないケース、子が先に亡くなったケースの推定相続人を色分けした図

家族の顔ぶれを図で見たい方は、法定相続人を家族図で確認する記事も参考にしてみてください。

生前の対策で推定相続人の名前が出るのはどんな場面?

推定相続人という言葉は、生きている間の手続きでこそ出てきます。代表的なのは次の場面です。

推定相続人が関わる生前の場面
  • 遺言の証人: 推定相続人とその配偶者・直系血族は証人になれない(民法974条)
  • 相続人の廃除: 遺留分を持つ推定相続人から相続権を外すよう家庭裁判所に求める(民法892条)
  • 遺留分の放棄: 生前に放棄するには家庭裁判所の許可が要る(民法1049条)
  • 生前贈与: 相続で財産を取得する人への贈与は、相続開始前の一定期間(2031年以降の相続で7年)の分が相続財産に加算される

例えば、公正証書遺言の証人を長男にお願いしようとした場面です。

「長男に証人をお願いできますか」
「長男さんは推定相続人なので、証人にはなれないんです」

公正証書遺言には証人2人が要ります。家族ではなく、利害のない知人や専門家に頼むのが一般的です。

もう一つ大事なのは、相続放棄は生前にはできないことです。『兄には今のうちに放棄してもらおう』と考えても、放棄は亡くなった後に家庭裁判所へ申述する手続きなんです。

生前にできるのは遺留分の放棄までで、これも家庭裁判所の許可が要ります。放棄しても推定相続人のままなので、遺言がなければ遺産分割に加わることになります。

推定相続人を確かめるには、本人の出生から現在までの戸籍をたどるのが確かな方法です。前の結婚の子や認知した子がいる場合、家族が知らないこともあるからです。

推定相続人が多い、前の結婚の子がいる、土地を誰に継がせるか決めたい。こうしたケースは、遺言と相続税の対策を一緒に考えておくと後が楽です。生前の段階から税理士に相談してみてください。

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亡くなった後に誰が相続人になったかを書類でどう書くかは、被相続人と相続人の違いを書類の記入例で見る記事で確認できます。

よくある質問

推定相続人と法定相続人の違いは何ですか?

推定相続人は本人が生きている間の言葉で、今亡くなったら相続人になるはずの人を指します。法定相続人は亡くなった後に、民法の順位で相続人になった人のことです。

推定相続人は自分で確認できますか?

本人の出生から現在までの戸籍を取り寄せると確認できます。前の結婚の子や認知した子も戸籍に出てきます。

推定相続人に生前に相続放棄してもらえますか?

できません。相続放棄は亡くなった後に家庭裁判所へ申述する手続きです。生前にできるのは、家庭裁判所の許可を受けた遺留分の放棄です。

まとめ

この記事の要点
  • 推定相続人は「今亡くなったら相続人になるはずの人」で、生きている間に使う言葉
  • 範囲は法定相続人と同じ順位で決まり、家族の変化で顔ぶれが変わる
  • 子のいない夫婦では、兄弟姉妹が推定相続人になることがある
  • 遺言の証人になれない、廃除や遺留分の放棄の対象になる、といった場面で名前が出る
  • 相続放棄は生前にはできず、生前にできるのは許可を受けた遺留分の放棄
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相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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