相続財産清算人の予納金はいくら?遺産の額と債権者の有無別のケースで目安

相続財産清算人の予納金を遺産の中身別に確認する記事のアイキャッチ

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相続人が全員相続放棄して、実家が宙に浮いてしまった。相続財産清算人を立てればいいと聞いたけれど、『予納金って結局いくらかかるの?』と身構えてしまいますよね。

結論から言うと、予納金の額は遺産の中身しだいで、決まった相場はありません。この記事では、遺産の額と債権者がいるかどうかのケース別に、予納金がかかりやすいか、誰が払うのかを見ていきます。

目次

予納金はいくら?まず結論から

このケースではこうなる

遺産に預金など清算人の報酬や管理費用をまかなえるお金があれば、予納金は少なくて済むか、求められないこともあります。空き家や山林しかなく、お金に換えにくい遺産ほど、申立てをした人が予納金を納める形になりやすいです。額は家庭裁判所が遺産の内容を見て決めます。

裁判所の案内では、相続財産の内容から清算人の管理費用(報酬を含む)が足りなくなるおそれがある時に、申立人に相当額を予納してもらうことがある、とされています(裁判所「相続財産清算人の選任」)。

つまり、予納金は清算人の報酬や管理の費用の「不足分の前払い」なんです。一律の金額表は公表されていないので、ネットで見かける額をそのまま当てにしないでおきましょう。

予納金とは別に、申立てそのものにかかる費用は決まっています。

費用金額注意
収入印紙800円分申立書に貼る
郵便切手裁判所ごとに異なる管轄の家庭裁判所で確認
官報公告料5,582円家庭裁判所の指示があってから納める
予納金遺産の内容で決まる不足が見込まれる時に求められる

遺産の額と債権者の有無で、こう変わる

予納金がかかりやすいかどうかは、遺産にお金がどのくらいあるか、清算人がどれだけ手間をかけるかで変わります。ケースごとに見てみてください。

ケース予納金の負担理由・注意
預金がまとまって残り、借金は少ない少ないか、求められないこともある報酬や費用を遺産から払える
古い空き家と土地だけ、預金はほぼ無い求められやすい売れるまで費用をまかなうお金がない
買い手がつきにくい山林・原野だけ求められやすい換金の見込みが立ちにくい
債権者(金融機関など)が回収のために申し立てる債権者が納める申し立てた人が予納する
全員放棄した親族が、管理を終わらせるために申し立てる親族が納める保存義務を終わらせる引き渡し先を作るため
遺産の預金の多さと換金のしやすさのケース別に、相続財産清算人の予納金を求められやすいかを分けた分岐表

例えば、父が亡くなり、子2人が借金を理由に全員放棄したケースを考えてみます。遺産は築年数の古い実家だけで、預金はほとんど残っていません。

この場合、清算人が家を売るまでの費用や報酬を遺産から払えないので、申立てをする子に予納金が求められやすくなります。

「放棄したのに、まだお金がかかるの?」

「実家に住んでいたなら、清算人に引き渡すまでは管理の義務が残るんだ」

放棄後の管理の義務については、相続放棄後の管理義務のケース別確認で詳しく見ています。

予納金は誰が払う?払えない時はどうする?

予納金を納めるのは、清算人の選任を申し立てた人です。申立てができるのは、債権者・特定遺贈を受けた人・特別縁故者などの利害関係人と、検察官です。

『予納金が払えないなら、申立てはあきらめるしかない?』と考える方もいるはずです。まず、申立てが本当に必要かを考えてみましょう。

故人の家を放棄の時に占有していなかった人なら、保存義務がないので、自分から申し立てる必要がないケースもあります。債権者が回収のために申し立てるなら、予納金は債権者が負担します。

申立てから終わるまでの流れ

清算人が選ばれると、家庭裁判所が6か月以上の期間を定めて、相続人を捜す公告をします。清算人も2か月以上の期間を定めて、債権者などに名乗り出るよう公告します。

その後、清算人が家庭裁判所の許可を得て不動産を売り、債権者への支払いをします。特別縁故者への分与を終えて残った財産は、国庫に引き継がれて手続きが終わります。

財産を売ったお金で報酬や費用がまかなえた場合の予納金の扱いは、事案ごとに違います。申立て前に、管轄の家庭裁判所に確かめておくと安心です。

申立てをする前に、相続放棄が自分の家にとって本当に正しい選択だったのかを確かめたい方もいると思います。放棄を判断する目安は相続放棄はどんな時にすべきかのケース別判断を参考にしてみてください。

遺産に不動産が多い、借金と財産のどちらが多いかまだ分からない、相続人の一部だけ放棄を考えている。こうしたケースは、清算人の話に進む前に相続に詳しい税理士に財産全体を見てもらうと、取れる道が見えやすくなります。

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よくある質問

相続財産清算人の予納金の相場はいくらですか?

一律の相場はありません。遺産から清算人の報酬や費用をまかなえるかを見て、家庭裁判所が決めます。申立て前に管轄の家庭裁判所で確認してみてください。

予納金は返ってきますか?

遺産を換金したお金で費用がまかなえたかどうかなど、事案で扱いが変わります。返還の有無は申立てをした家庭裁判所に確かめましょう。

相続財産管理人と相続財産清算人は違うものですか?

相続人がいない場合に選ばれる人は、2023年4月の改正で「相続財産管理人」から「相続財産清算人」に名前が変わりました。

まとめ

この記事の要点
  • 予納金は清算人の報酬や管理費用の不足分の前払いで、一律の相場はない
  • 預金が残っていれば少なく、空き家や山林だけなら求められやすい
  • 予納金を納めるのは申立てをした人
  • 申立て費用は収入印紙800円・郵便切手・官報公告料5,582円
  • 申立てが本当に必要かは、保存義務の有無から考える
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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