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親が亡くなり、実家には誰も住む予定がない。『売ってお金で分けるのが公平そう。でも協議書には何て書くの?』と手が止まっている方も多いはずです。
結論から言うと、実家を売って代金を分ける「換価分割」なら、誰の名義で売るか、売却代金から何を差し引くか、どんな割合で分けるかを協議書に書きます。この記事では、共有で売るケースと代表者が売るケースの文例を比べていきます。
兄弟全員の名義にしてから売るなら?
母が亡くなり、長男と長女が実家を売って半分ずつ分けるケースなら、協議書に「次の不動産を売却し、売却代金から売却にかかった費用を差し引いた残額を、長男と長女が2分の1ずつ取得する」と書きます。名義を誰にするかで書き方が少し変わるので、先に売り方を決めておきましょう。
1つめは、長男と長女の共有で相続登記をしてから、2人そろって売る方法です。それぞれが売主になるので、代金の分け方もはっきりしています。
「第1条 相続人〇〇(長男)及び〇〇(長女)は、次の不動産を各2分の1の持分で取得し、これを売却する。
第2条 前条の売却代金から、仲介手数料、登記費用、測量費その他売却に要した費用を差し引いた残額を、長男〇〇及び長女〇〇が各2分の1の割合で取得する。」
ただ、共有だと売買契約や決済の場に全員が関わります。遠方に住んでいる兄弟がいると、日程を合わせるだけで一苦労なんです。
代表者1人の名義にして売るなら?
もう1つは、長男1人の名義で相続登記をして、長男が売主になる方法です。手続きは楽になりますが、書き方に注意が要ります。
「第1条 相続人〇〇(長男)は、換価分割のため、相続人全員を代表して次の不動産を取得し、これを売却する。
第2条 長男〇〇は、売却代金から売却に要した費用を差し引いた残額のうち、2分の1を長女〇〇に、売買代金の受領後〇日以内に支払う。」
『兄の名義にするなら、兄が全部もらうように見えない?』と思いますよね。ここが大事なところです。
「換価分割のため」「代表して」と書いておかないと、長男が実家を相続し、その代金を長女にあげたように見えて、贈与と扱われるおそれがあります。
| ケース | 名義 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 長男と長女が近くに住む | 2人の共有で登記して売る | 2人とも売主になり、分け方がはっきりする |
| 長女が遠方で手続きに来られない | 長男1人の名義で売る | 「換価分割のため代表して」と書かないと贈与と見られるおそれ |
| いくらで売れるか分からない | どちらでも可 | 最低価格や売る期限も書いておくと揉めにくい |
「いつまでに、いくら以上で売るの?」
「1年以内で、下限は不動産屋の査定を見て決めようか」
最低価格や期限を決めておくと、『もっと高く売れたはず』という揉め事を減らせます。

売った後に、どんな税金がかかる?
換価分割では、売却で利益が出れば、代金を受け取った割合に応じて、それぞれが譲渡所得の確定申告をします。代表者1人の名義で売っても、協議書に分ける割合が書いてあれば、その割合で各自が申告する形です。
相続した不動産の取得費や取得時期は、亡くなった人から引き継ぎます。
売った時に使える特例も2つ押さえておきましょう。
- 相続税を納めた人が、申告期限の翌日から3年以内に売ると、相続税の一部を取得費に足せる(取得費加算の特例)
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた空き家なら、2027年12月31日までの売却で3,000万円の特別控除がある
- 空き家の特別控除は、2024年1月1日以降の売却で相続人が3人以上なら1人2,000万円
なお、相続税は売れた値段ではなく、亡くなった日の評価額(路線価など)で計算します。協議書を書く時点では売値が決まっていないので、相続税の申告が必要な家は、期限の10か月以内に評価額で申告しておくことになります。
特例が使えるかどうかは、建てた時期や耐震リフォームの有無など細かい要件で決まります。要件を満たすかは税理士に確認を。
相続税の申告がいる、売却益が大きくなりそう、相続人が3人以上いる。こんなケースは、売る前に専門家に段取りを見てもらうと安心です。
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よくある質問
売る前に相続登記をしないといけませんか?
はい、亡くなった人の名義のままでは売れません。共有でも代表者1人でも、先に相続登記をしてから売買契約に進みます。登記で使う不動産の書き方は不動産だけを相続する時の記載例が参考になります。
売れるまでの固定資産税や管理費は誰が払いますか?
決まりはないので、協議書に「売却までの固定資産税・管理費は売却代金から精算する」と書いておくと公平です。立て替えた分の書き方は立替金の精算を書く時の文例も見てみてください。
協議書を作った後、なかなか売れなかったらどうなりますか?
協議書どおり売る努力を続けることになります。期限を過ぎたら価格を見直す、または誰かが買い取るといった取り決めを最初に入れておくと、やり直しの話し合いが楽になります。
まとめ
- 換価分割は、名義・差し引く費用・分ける割合を協議書に書く
- 共有で売ると2人とも売主になり、分け方がはっきりする
- 代表者1人の名義なら「換価分割のため代表して」と書く
- 売却益は分けた割合でそれぞれが確定申告する
- 取得費加算や空き家の3,000万円控除が使えるか確かめておく





