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親が亡くなった時、持っていたアパートに空き部屋が何室かあった。『空室があると、相続税の評価に何か影響するの?』と気になりますよね。
結論から言うと、影響します。貸家と敷地の評価は「賃貸割合」が低いほど下がりにくくなり、空室が多いと評価額は上がります。
この記事では、賃貸割合の出し方と、空室の数で評価と税額がどう変わるかを計算例で確かめられます。
空室があるアパートは、評価がどれくらい上がる?
賃貸割合は「亡くなった日に貸していた部屋の床面積 ÷ 全部の部屋の床面積」です。同じ広さの10室のうち2室が空いていれば賃貸割合は80%で、満室の時より評価額が高くなります。ただし、一時的な空室なら貸していたものとして扱える場合があります。
貸家の建物は借家権割合30%、敷地は借地権割合 × 借家権割合の分だけ評価が下がります。この下がり幅に、賃貸割合をかけるんです。
だから空室が多いほど、下がる分が小さくなります。『空室で家賃も入らないのに、評価は高くなるの?』と思いますよね。でも計算の仕組み上、そうなります。
例えば、同じ広さの部屋が10室あるアパートで見てみます。建物の固定資産税評価額は3,000万円、敷地の自用地としての評価額は6,000万円、借地権割合は60%とします。
| ケース | 賃貸割合 | 建物の評価額 | 土地の評価額 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 満室(10室とも入居) | 1(全部) | 2,100万円 | 4,920万円 | 7,020万円 |
| 2室が空室 | 80% | 2,280万円 | 5,136万円 | 7,416万円 |
| 5室が空室 | 50% | 2,550万円 | 5,460万円 | 8,010万円 |
建物は「3,000万円 ×(1 − 0.3 × 賃貸割合)」、土地は「6,000万円 ×(1 − 0.6 × 0.3 × 賃貸割合)」で計算しています。

一時的な空室なら、貸していた扱いになる?
ここが大事なところです。亡くなった日にたまたま空いていただけの部屋は、貸していたものとして扱ってよいとされています。
国税庁は、次のような事実関係から判断するとしています。
- 亡くなる前から、その部屋が続けて貸されていた
- 前の入居者が出た後、すぐに次の入居者を募集していた
- 空室の間、ほかの用途(物置や家族の住まい等)に使っていない
- 空室の期間が、亡くなった日の前後の例えば1か月程度など一時的
- 亡くなった後の賃貸が、一時的なものではない
例えば、相続人の間でこんな会話が出がちです。
「亡くなった月にちょうど1室出ていったんだよね」
「すぐ募集して翌月に埋まったなら、一時的な空室で通るかもしれないよ」
逆に、長いあいだ空いたままで募集もしていなかった部屋は、一時的とは言いにくいです。
| ケース | 扱い | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 退去直後に募集し、翌月に入居 | 貸していた扱いにできる可能性 | 期間が短く、募集もしていた |
| 1年以上空室で、募集もしていない | 空室として計算 | 継続して貸していたとは言いにくい |
| 空いた部屋を親族の物置に使っていた | 空室として計算 | ほかの用途に使っている |
当てはまるかは、募集の記録や管理会社とのやり取りで説明できるかがカギになります。『うちのケースはどっち?』と迷ったら、税理士に確認しておきましょう。
税額にするといくら違う?
上のアパートに預貯金3,000万円を足して、子2人が相続するケースで計算してみます。配偶者は先に亡くなっているとします。
| ケース | 課税価格の合計 | 納付額の合計 |
|---|---|---|
| 満室 | 1億20万円 | 773万円 |
| 2室が空室 | 1億416万円 | 843万2,000円 |
| 5室が空室 | 1億1,010万円 | 962万円 |
2室空いているだけで、満室の時より70万2,000円多くなります。実は、空室が税額に跳ね返るんです。
賃貸割合は部屋の数ではなく床面積で計算します。広さが違う部屋が混ざっているアパートは、部屋ごとの床面積を足して計算してみてください。
建物の評価のもとになる数字の調べ方は、固定資産税評価額の調べ方で確認できます。借家権割合30%がなぜ引けるのかは、借家権割合の意味を数字で説明した記事で見られます。
空室がいくつもある、一時的な空室と言えるか迷う、アパートが何棟かある。こういうケースは評価の判断が細かいので、税理士に頼むと楽です。
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よくある質問
賃貸割合は部屋の数で計算してもいいですか?
計算は床面積で行います。全部の部屋が同じ広さなら部屋の数で割っても同じ結果になりますが、広さが違う場合は床面積で計算しておきましょう。
一時的な空室は何か月までなら認められますか?
国税庁は「例えば1か月程度」と例を挙げていますが、何か月までと決まっているわけではありません。募集の状況など全体で判断されるので、税理士に相談してみてください。
一戸建てを1軒だけ貸していて、亡くなった時に空き家だったらどうなりますか?
一時的な空室と言えなければ、借家権割合を差し引けず、自宅と同じように評価します。貸していた期間や募集の状況を確かめておきましょう。
まとめ
- 賃貸割合は「貸していた部屋の床面積 ÷ 全部の部屋の床面積」
- 空室が多いほど、貸家と敷地の評価は下がりにくくなる
- 10室中2室の空室で、合計評価額は7,020万円から7,416万円に上がる例も
- 一時的な空室なら、貸していたものとして扱える場合がある
- 預貯金3,000万円・子2人の例で、2室空室は満室より納付額が70万2,000円多い





