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『遺言に財産の分け方だけ書くと、冷たく見えないかな』と気になっている方は多いですよね。
結論から言うと、遺言の最後に家族への思いや分け方の理由を書くことができます。これが付言事項です。この記事では、付言事項がどんな場面で役に立つかを、ケースと文例で見ていきます。
「自宅を長男に多めに」と書く時、付言事項は何の役に立つ?
付言事項は、分け方の理由や家族への感謝を伝えるための部分です。法律上の効力はありません。それでも「なぜこう分けたのか」が分かると、多めにもらえなかった家族も気持ちの整理がしやすくなり、もめにくくなります。
遺言の本文は「誰に何を渡すか」を決める部分です。付言事項はそれとは別に、遺言者の気持ちを家族に向けて書く部分なんです。
例えば、妻と長男・長女がいて、同居している長男に自宅を相続させるケース。本文だけだと、長女からは『どうしてお兄ちゃんばかり』と見えてしまうかもしれません。
そこに「長男は母さんと一緒に暮らし、家を守ってくれるので自宅を任せます」と一言あるだけで、受け止め方はずいぶん変わります。
| ケース | 付言事項に書くこと | 効力・注意 |
|---|---|---|
| 同居の長男に自宅を相続させる | 自宅を任せる理由、残る家族への配慮 | 理由が分かるともめにくい |
| 介護をしてくれた長女に預金を多めに渡す | 介護への感謝 | 感謝の言葉は他の兄弟にも伝わる |
| 遺留分より少ない取り分の子がいる | 少なくした理由と「請求しないでほしい」という願い | 願いには法的な効力がなく、請求は止められない |
| 再婚していて前妻の子がいる | 前妻の子への思い | 前妻の子も相続人なので、取り分の書き方に注意 |

付言事項に法的な効力はある?
『書いておけば、その通りにしてもらえるのでは?』と思いますよね。実は、付言事項はあくまでお願いやメッセージで、相続人を縛る力はありません。
特に誤解が多いのが遺留分です。兄弟姉妹以外の相続人には遺留分があり、取り分が少ない人は遺留分侵害額請求ができます。付言事項で「請求しないでほしい」と書いても、請求そのものは止められません。
ただ、効力がないから意味がない、というわけでもないんです。理由を知った家族が「それなら仕方ないね」と納得して、請求しないことを選ぶ場面は少なくありません。
付言事項に効力がないのとは逆に、遺言の本文の書き方を間違えると、財産の行き先そのものが変わってしまいます。「相続させる」と「遺贈する」の違いは「相続させる」と「遺贈する」の使い分けで確認できます。
そのまま使える付言事項の文例
ここでは、よくある場面ごとの文例を紹介しますね。自分の言葉に直して使ってみてください。
長男の〇〇には、母さんと一緒に暮らしてくれたこの家を任せます。長女の〇〇には預金を多めに残しました。二人とも、これからも母さんを支えてあげてください。
晩年、〇〇には通院や身の回りの世話で大変な苦労をかけました。その気持ちとして、預金を多めに残します。他のみんなも、どうか分かってほしい。
〇〇には、家を建てる時に十分な援助をしたつもりです。だから今回は少なめにしました。どちらが大事ということではありません。兄弟仲よく過ごしてくれることが、何よりの願いです。
書く時は、特定の誰かを責める言葉は避けておきましょう。「〇〇は何もしてくれなかった」のような一文は、かえって争いの火種になります。
- 本文の分け方と、付言事項に書いた理由が食い違っていないか
- 名前を出していない相続人がいないか(前妻の子なども含めて)
- 誰かを責める言葉や、読んで傷つく言い回しが入っていないか
- 「請求しないで」などのお願いを、命令のような言い方にしていないか
「お父さんは、私のこともちゃんと見てくれていたんだね」。付言事項は、家族がそう受け止められるように書くのが目標です。
自筆の遺言と公正証書、どちらでも書ける?
どちらの遺言でも付言事項は書けます。公正証書遺言なら、公証人に伝えると本文の後に入れてもらえます。
自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要です(法務局の保管制度を使ったものは不要)。検認の場で相続人がそろって遺言を読むことになるので、付言事項が最初に家族へ届くメッセージになります。検認の意味は検認とは何をする手続きかで詳しく見られます。
遺言の内容をきちんと実行してほしい時は、遺言執行者を指定しておく方法もあります。役割は遺言執行者の任務にまとめています。
遺言で自宅や土地を誰かに多めに渡すと、相続税の計算や小規模宅地等の特例の使い方も変わります。不動産があって遺産が基礎控除を超えそうなケースは、分け方を決める前に税理士へ相談すると楽です。
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よくある質問
付言事項を書かないと遺言は無効になりますか?
なりません。付言事項は書いても書かなくてもよい部分で、遺言が有効かどうかには関係しません。
付言事項はどのくらいの長さがいいですか?
決まりはありません。長すぎると本文の分け方とずれが出やすいので、理由と感謝が伝わる数行から1ページ程度が読みやすいです。
付言事項だけ後から書き足せますか?
自筆証書遺言なら、新しく遺言を書き直す形になります。公正証書遺言も作り直しが必要です。
まとめ
- 付言事項は、遺言に家族への思いや分け方の理由を書く部分
- 法律上の効力はなく、遺留分侵害額請求も止められない
- 理由と感謝が伝わると、取り分の少ない家族も納得しやすい
- 誰かを責める言葉は避け、自分の言葉で書く




