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『割合は分かったけど、うちの場合に金額で何円になるのか知りたい』。計算ツールに入れる前に、自分で一度解いてみたい方も多いですよね。
結論から言うと、法定相続分の計算は「グループの割合」を「同じ立場の人数」で割るだけです。この記事では、遺産8,000万円の家族ケースを6つ並べ、実際に手を動かしながら確かめていきます。
法定相続分の計算は、どんな順番で解けばいい?
まず誰が相続人かを決め、配偶者と相手グループの割合を当てはめます。次に、相手グループの割合を人数で割り、最後に遺産額を掛ければ1人あたりの金額が出ます。遺産8,000万円で配偶者と子2人なら、配偶者4,000万円、子は2,000万円ずつです。
計算の手順は次の4つです。どのケースでも、この順番で解けば迷いません。
- 相続人を決める(配偶者と、子・親・兄弟姉妹のどのグループか)
- グループの割合を当てはめる(子なら2分の1、親なら3分の1、兄弟姉妹なら4分の1)
- グループの割合を、同じ立場の人数で割る
- 1人あたりの割合に遺産額を掛ける
グループの割合は、配偶者がいる時の数字です。配偶者がいなければ、そのグループが全部を人数で分けます。
誰が相続人になるかで迷う時は、先に相続順位を家系図で確認する記事で当てはめておきましょう。
遺産8,000万円の6ケースを実際に解くと?
では、同じ8,000万円で家族の形だけを変えて解いてみます。
| ケース | 1人あたりの割合の出し方 | 1人あたりの金額 |
|---|---|---|
| 1 配偶者と子2人 | 子: 2分の1÷2人=4分の1 | 配偶者4,000万円・子2,000万円 |
| 2 配偶者と子3人 | 子: 2分の1÷3人=6分の1 | 配偶者4,000万円・子約1,333万円 |
| 3 配偶者と父だけ | 父: 3分の1÷1人=3分の1 | 配偶者約5,333万円・父約2,666万円 |
| 4 配偶者と兄弟姉妹3人 | 兄弟姉妹: 4分の1÷3人=12分の1 | 配偶者6,000万円・兄弟姉妹約666万円 |
| 5 配偶者と子1人と孫2人(子1人が先に死亡) | 孫: 4分の1÷2人=8分の1 | 配偶者4,000万円・子2,000万円・孫1,000万円 |
| 6 兄弟姉妹3人だけ(うち1人は父だけ同じ) | 両親とも同じ2人と、父だけ同じ1人を2対2対1で分ける | 3,200万円・3,200万円・1,600万円 |
『ケース3で親が1人だけの時は?』と迷いますよね。親のグループの3分の1を、1人で受け取ります。もう1人の親が先に亡くなっていても、祖父母には回りません。
ケース5は、亡くなった子の4分の1を孫2人で分けています。孫は、親である子の取り分をそのまま引き継ぐんです。
ケース6は少し難しいので、次で解き方を見ておきます。
計算に慣れないうちは、最後に全員の金額を足してみるのがおすすめです。合計が遺産額と同じになれば、割合の当てはめは合っています。ずれていたら、人数の数え方か、グループの割合を見直してみてください。
父母の片方だけ同じ兄弟姉妹がいる時の解き方
父母の片方だけが同じ兄弟姉妹の取り分は、両親とも同じ兄弟姉妹の2分の1です。そこで、両親とも同じ兄弟を「2」、片方だけ同じ兄弟を「1」として数えます。
ケース6なら、2+2+1=5です。両親とも同じ2人は5分の2ずつ、父だけ同じ1人は5分の1になります。
8,000万円に当てはめると、3,200万円、3,200万円、1,600万円です。足して8,000万円になれば、計算は合っています。

相続税まで計算すると、ケースごとにいくら?
法定相続分は、相続税の計算でも使います。相続税の総額は、法定相続分どおりに分けたと仮定して出すからです。
ケース1から4を、法定相続分どおりに取得した時の相続税で並べてみます。
| ケース | 基礎控除 | 課税遺産総額 | 相続税の総額 | 納付額の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1 配偶者と子2人 | 4,800万円 | 3,200万円 | 350万円 | 175万円 |
| 2 配偶者と子3人 | 5,400万円 | 2,600万円 | 274万9,900円 | 137万4,900円 |
| 3 配偶者と父だけ | 4,200万円 | 3,800万円 | 469万9,800円 | 156万6,600円 |
| 4 配偶者と兄弟姉妹3人 | 5,400万円 | 2,600万円 | 307万4,800円 | 92万2,200円 |
どのケースも、配偶者の納付額は0円です。配偶者の税額軽減で、法定相続分相当額までは税金がかからないためです。
実は、ここで差が出るのは「相手グループ1人あたりの金額」です。ケース1の子1人は87万5,000円、ケース2の子1人は45万8,300円になります。
ケース4の兄弟姉妹1人は30万7,400円です。兄弟姉妹は2割加算の対象なので、この金額は加算後の数字になっています。
計算で使う式を、ケース1で書き出しておきます。
| 計算の段階 | ケース1の数字 |
|---|---|
| 課税価格の合計 | 8,000万円 |
| 基礎控除(3,000万円+600万円×3人) | 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 3,200万円 |
| 配偶者の法定相続分(2分の1)に応じた税額 | 1,600万円×15%から50万円を引いて190万円 |
| 子1人の法定相続分(4分の1)に応じた税額 | 800万円×10%=80万円 |
| 相続税の総額(190万円+80万円×2人) | 350万円 |
金額の組み合わせ別の取り分をもっと見たい方は、遺産1億円で組み合わせ別に計算した記事も参考にしてみてください。
計算どおりに分けないといけないの?
ここで、よくある会話を1つ。
「計算したら、私の取り分は2,000万円だった。でも家は母が住み続けたいって」
「話し合いで決めれば、計算どおりじゃなくても大丈夫だよ」
法定相続分は、遺言がない時に話し合いの出発点になる割合です。相続人全員が合意すれば、違う割合で分けても問題ありません。
ただし、分け方を変えると相続税の各人の負担も変わります。総額は法定相続分で出しますが、それを実際に取得した割合で分けるからです。
『配偶者が多めに取れば税金が安くなるのでは』と考える方もいますよね。今回の相続だけならそうなりやすいものの、配偶者が亡くなる次の相続で税額が増えやすくなります。
自宅の土地がある、相続人が兄弟姉妹まで広がる、配偶者と子でどう分けるか迷っている。こんなケースでは、次の相続まで含めた試算を税理士に頼むと、話し合いの材料がそろって楽になります。
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よくある質問
相続放棄した人がいる時は、どう計算し直しますか?
放棄した人は、はじめから相続人でなかったものとして数え直します。例えば配偶者と子2人のうち1人が放棄したら、残った子1人が2分の1を受け取ります。ただし相続税の基礎控除の人数には、放棄した人も含めます。
養子がいる時の法定相続分はどう計算しますか?
民法の相続分では、養子も実子と同じ1人として数えます。相続税の基礎控除で数える養子の人数には、実子がいれば1人、いなければ2人までという上限があります。
計算結果に端数が出た時はどうすればいいですか?
法定相続分は割合なので、端数は話し合いで調整して大丈夫です。預金を円単位で分ける、端数を誰か1人にまとめるなど、全員が納得する形を選びましょう。
まとめ
- 法定相続分は、グループの割合を同じ立場の人数で割り、遺産額を掛けて出す
- 遺産8,000万円で配偶者と子2人なら、配偶者4,000万円・子2,000万円ずつ
- 孫が代わりに相続する時は、亡くなった子の取り分を孫の人数で割る
- 父母の片方だけ同じ兄弟姉妹は、両親とも同じ兄弟姉妹の2分の1として数える
- 相続税の総額も法定相続分で計算し、ケース1なら総額350万円・納付額の合計175万円




