相続手続きを自分でするか迷ったら|財産と家族の状況で決めるケース別判定

相続手続きを自分でするか専門家に頼むかをケース別に判定する記事のアイキャッチ

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相続手続きを全部頼むと費用がかかる。でも、自分でやると大変そう。どちらにするか決められず、手が止まっている方も多いですよね。

結論から言うと、「相続税の申告が要るか」「家族の話がまとまっているか」の2つで、ほぼ判断できます。両方クリアなら、自分でやれる部分はかなり多いんです。

この記事では、遺産額と家族の状況が違うケースごとに、自分でやるか頼むかを判定していきます。

目次

自分でできるのはどんなケース?

このケースではこうなる

例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人で、遺産が自宅と預金で合計4,000万円のケースです。基礎控除は3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円で、遺産がこれを下回るので相続税はかからず、申告も要りません。家族の話がまとまっていれば、銀行の手続きや相続登記は自分でやる方も多いケースです。

自分でやれるかどうかは、手続きの「量」と「難しさ」で決まります。量は時間をかければこなせますが、難しさは知識がないと越えにくいんです。

まず、判定表で自分のケースを当てはめてみてください。

ケース判定理由・注意
遺産が基礎控除以下、相続人は配偶者と子、話がまとまっている自分でできる相続税の申告が要らず、手続きは銀行と登記が中心
遺産が基礎控除を超える、自宅と預金だけ申告は税理士へ、ほかは自分で申告は専門知識が要る。小規模宅地等の特例を使うなら申告が必須
相続人が兄弟姉妹や甥姪戸籍集めから頼むと楽集める戸籍がぐっと増え、相続人の数も多くなりやすい
相続人同士で話がまとまらない弁護士に相談交渉や調停の代理は弁護士の仕事
借金があるかもしれない早めに専門家へ相続放棄は3か月以内。財産を使うと放棄できなくなることがある
相続税の申告が要るか、家族の話がまとまっているか、相続人の範囲で、自分でやるか頼むかが分かれるケース別の判定表

『うちは自分でできそう』と思った方も、戸籍集めは想像より時間がかかります。集める範囲は相続に必要な戸籍謄本のケース別の範囲で先に確認しておくと安心です。

遺産額が違うと、どこで判断が変わる?

判断の大きな分かれ目は、相続税の申告が要るかどうかです。同じ家族構成で、遺産額だけ変えて比べてみます。

ケース基礎控除課税遺産総額相続税の総額申告
母と子2人、遺産4,000万円4,800万円0円0円不要
母と子2人、遺産6,000万円(法定相続分どおりに取得)4,800万円1,200万円120万円必要
子2人だけ、遺産6,000万円4,200万円1,800万円180万円必要

遺産6,000万円で母と子2人のケースでは、母の取得分3,000万円は配偶者の税額軽減で0円になります。子2人はそれぞれ30万円、納付額の合計は60万円です。

ここが大事なところです。母の税額が0円になるのは、申告をして配偶者の税額軽減を使うからなんです。「0円だから申告しなくていい」ではありません。

遺産6,000万円を母と子2人が法定相続分どおりに相続するケースで基礎控除から各人の納付額までを段組みで示した計算シートの図

同じ6,000万円でも、母がすでに亡くなっていて子2人だけが相続するなら、基礎控除が4,200万円に下がり、子1人あたり90万円になります。今は母がいるケースでも、母が亡くなった時の二次相続まで考えておくと分け方の判断がしやすくなります。

遺産に自宅の土地が入っているなら、小規模宅地等の特例も関係します。特定居住用宅地等は330㎡まで評価額を80%減らせますが、使えるのは申告をした場合だけです。誰が自宅を相続すれば要件を満たすかは、税理士に確認してみてください。

申告が要るなら、どこまで自分でやる?

相続税の申告は税理士の独占業務です。自分で申告書を作ることもできますが、土地の評価や特例の判断には専門知識が要ります。

『申告だけ頼んで、ほかは自分でやれないかな』と考える方もいますよね。実は、そういう分け方をするケースは多いんです。

手続き自分でやる場合頼む先
戸籍集め・法定相続情報一覧図市区町村・法務局で取れる行政書士・司法書士など
銀行・証券の名義変更窓口に書類を出す行政書士など
相続登記法務局に申請できる司法書士
相続税の申告申告書は作れるが難しい税理士(独占業務)
遺産分割の交渉・調停当事者同士で話し合う弁護士

相続登記を自分でやった場合の費用の差は相続登記の費用を自分と依頼で比べた記事で見られます。

自分でやると決めたら、何から始める?

自分でやる場合も、期限の短いものから順に進めれば、慌てずにすみます。

自分で進める時の流れ
  1. 死亡届(7日以内)、年金・健康保険の届け出を済ませる
  2. 遺言書があるか探す(自筆なら家庭裁判所の検認が要る)
  3. 戸籍を集めて相続人を確定する
  4. 財産と借金を洗い出し、相続放棄するかを3か月以内に決める
  5. 遺産分割協議書を作り、相続人全員が実印を押す
  6. 銀行・証券・不動産の名義を変える(相続登記は3年以内)
  7. 遺産が基礎控除を超えるなら、10か月以内に相続税を申告する

財産の洗い出しは、通帳が見つからない、ネット銀行があるかもしれない、と迷う所です。探し方は手がかり別の相続財産調査の進め方を参考にしてみてください。

「疲れた」「めんどくさい」と感じたら

相続手続きは、平日に役所や銀行へ何度も行くことになります。仕事をしながらだと、思った以上に疲れますよね。

「今週も銀行に行けなかった」
「書類が1枚足りなくて、また出直しになった」

こうなってきたら、全部を自分で抱えなくて大丈夫です。手間のかかる部分だけ頼む、という選び方もできます。

途中で頼むなら、どのタイミングがいい?

途中から頼む場合は、期限の前に余裕を持って相談するのがポイントです。

早めに専門家へ相談したいサイン
  • 遺産が基礎控除を超えそうで、申告の期限(10か月)が近づいている
  • 土地が複数ある、または貸している土地や建物がある
  • 亡くなった人に借金があるか分からない
  • 相続人に連絡がつかない人や、話し合いに応じない人がいる
  • 名義預金や生前の贈与があり、どこまで財産に含めるか迷っている

亡くなる前の生前贈与は、一定期間の分が相続財産に加算されます。2024年1月1日以降の贈与から加算の期間が3年から7年に延び、2027年1月以降の相続から段階的に伸びて、2031年1月以降の相続で7年になります。家族への贈与が多いケースは、自分で判断するのが難しい所です。

遺産が基礎控除を超えそう、土地がある、期限が近い。こうしたケースは、相続税の申告を税理士に頼み、銀行や戸籍などは自分でやる分け方にすると、費用と手間のバランスが取りやすくなります。

税理士ドットコム

わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道

相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。

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よくある質問

相続人が自分1人だけでも、手続きは大変ですか?

遺産分割協議が要らない分、楽になります。ただ、戸籍集めや銀行・登記の手続きは同じようにあります。遺産が基礎控除(相続人1人なら3,600万円)を超えるなら、申告も必要です。

相続税がかからないなら、税務署に何か出す必要はありますか?

遺産が基礎控除以下なら申告は要りません。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使って0円になる場合は、申告が必要です。

専門家の費用はどのくらいですか?

税理士報酬は自由化されていて公的な基準はなく、遺産総額の0.5〜1%程度が目安と言われることが多いです。見積もりを取って比べてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 判断の軸は「申告が要るか」「家族の話がまとまっているか」の2つ
  • 母と子2人で遺産4,000万円なら、基礎控除4,800万円以下で申告不要
  • 遺産6,000万円なら相続税の総額は120万円、母の軽減を使うにも申告が必要
  • 申告だけ税理士、戸籍や銀行は自分で、という分け方もできる
  • 借金が心配なら、相続放棄の3か月を意識して早めに相談
相続ケース案内

相続ケース案内 編集部

家族構成や財産の状況ごとに、相続・相続税がどうなるかを公的機関の公開情報をもとに解説しています。 公式サイト

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