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葬儀が終わって少し落ち着いたら、家も口座も車も、名義が亡くなった人のまま。どこから手を付ければいいのか迷いますよね。
結論から言うと、名義変更は「誰が何を相続するか」が決まってから一気に進めるのが基本です。ただ、期限が短い届け出と、生活に直結する契約だけは先に動かします。
この記事では、家族の状況が違う3つのケースで、財産ごとの名義変更の順番と期限を見ていきます。
わが家の場合、名義変更はどの順番で進める?
例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続人で、遺言がないケースです。まず死亡届(7日以内)や年金・健康保険の届け出を済ませます。次に遺産分割協議で誰が何を受け取るかを決め、その協議書を使って銀行口座、不動産(相続登記は取得を知った日から3年以内)、車の順に名義を変えます。電気・ガス・携帯などの契約は、生活に困らないよう早めに切り替えるか解約しておきましょう。
『全部いっぺんに片付けたい』と思いますよね。ただ、預金や不動産は、誰が受け取るかが決まらないと名義を変えられません。
だから順番は「届け出」「話し合い」「名義変更」の3段階で考えるのが近道なんです。
| ケース | 名義変更の進め方 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 母が全部を相続する(遺言なし) | 遺産分割協議書を作り、母の名義に順に変える | 母1人の名義でも、子全員の実印と印鑑証明書が要る |
| 兄弟2人で実家と預金を分ける | 協議がまとまるまで預金は仮払い、まとまってから一括で変更 | 実家を共有にするかは慎重に。次の相続で持ち主が増える |
| 遺言書がある | 遺言書のとおりに名義を変える | 自筆の遺言は家庭裁判所の検認が要る(法務局保管なら不要) |

遺言がある場合は話し合いが要らない分、名義変更まで早く進むことが多いです。遺言の種類による違いは、単独相続・共有・遺言ありのケース別の手順でも確認できます。
「相続」と「名義変更」は何が違う?
相続は、亡くなった時点で財産が相続人のものになることです。名義変更は、その結果を登記や銀行の記録に反映させる手続きなんです。
例えば不動産の名義変更は「相続登記」と呼ばれます。どちらも同じ流れの中にあるので、相続が終わったら名義変更まで済ませておきましょう。
財産ごとの期限と手続き先は?
名義変更は、財産ごとに手続き先と期限が違います。法律で期限が決まっているものと、決まっていないものに分けて見てみましょう。
| 財産・契約 | 期限 | 手続き先 | 主に必要なもの |
|---|---|---|---|
| 不動産(土地・建物) | 取得を知った日から3年以内 | 法務局 | 戸籍、遺産分割協議書、固定資産評価証明書など |
| 銀行口座 | 法律上の期限なし | 各銀行 | 戸籍、協議書か遺言書、印鑑証明書など |
| 株式・投資信託 | 法律上の期限なし | 証券会社 | 戸籍、協議書、相続人の口座 |
| 車 | 運輸支局などで確認 | 運輸支局など | 戸籍、協議書、車検証など |
| 携帯電話 | 法律上の期限なし | 各携帯会社 | 死亡の分かる書類など |
| 火災保険 | 法律上の期限なし | 保険会社 | 新しい所有者の情報 |
法律上の期限がない財産でも、放っておいていいわけではありません。相続税の申告(10か月以内)が必要なケースでは、残高証明書などをそろえるために早めに銀行へ連絡しておくことになります。
銀行口座は、協議前でもお金を出せる?
『葬儀代を払いたいのに、口座が止まって困った』という声は多いですよね。
実は、遺産分割の前でも、1つの金融機関ごとに「相続開始時の預金額 × 1/3 × その相続人の法定相続分」まで、上限150万円で引き出せる仮払い制度があります。急ぎの支払いがある時は使ってみてください。
銀行での書類の違いは銀行の相続手続きのケース別の書類で詳しく見られます。
固定資産税・火災保険・太陽光発電も忘れずに
固定資産税の納税通知書は、相続登記が済むまで亡くなった人の名前で届くことがあります。市区町村から「相続人代表者」の届け出を求められることもあるので、届いたら誰が払うか家族で決めておきましょう。
火災保険は、持ち主が変わったのに名義が亡くなった人のままだと、いざという時に保険金の請求で手間取ることも。保険会社に連絡して契約者を変えておきましょう。
屋根に太陽光発電を載せている家なら、売電の契約も名義変更が要ります。電力会社などの窓口に、相続での変更だと伝えると案内してもらえます。
借地の上に家が建っているケースでは、借地権も相続財産です。地主の承諾は相続では原則不要とされますが、地代の支払い先や連絡先の変更は早めに伝えておくと関係がこじれません。
期限がある届け出は、何を先にやる?
名義変更の前に、期限の短い届け出があります。ここは家族の話し合いを待たずに進めましょう。
- 死亡届を出す(死亡を知った日から7日以内)
- 年金の受給を止める(厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内)
- 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失の届け出(14日以内)
- 世帯主の変更届(14日以内。残った世帯員が1人なら不要)
- 相続放棄を考えるなら3か月以内に家庭裁判所へ
- 亡くなった人の準確定申告(4か月以内)
「死亡届を出したら、銀行口座も勝手に止まるんでしょ?」
「役所から銀行に連絡は行かないから、自分で連絡が要るよ」
こんな会話、よくあります。銀行は家族からの連絡で口座を止めるので、名義変更の準備を始める時に連絡すると考えておきましょう。
全体の期限をカレンダーで確認したい方は、死亡日から10ヶ月までのやることカレンダーも見てみてください。
相続前に名義変更しておけば楽になる?
『元気なうちに、親の家を子の名義にしておけば楽なのでは』と考える方もいますよね。
ただ、生きているうちの名義変更は相続ではなく贈与になります。贈与税の基礎控除は受け取る人ごとに年110万円で、家のような大きな財産だと贈与税が高くなりやすいんです。
| ケース | 名義変更の扱い | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 親が亡くなった後に子の名義へ | 相続(相続登記) | 登録免許税は評価額の0.4%。相続税は基礎控除を超えた時だけ |
| 親が生きているうちに子の名義へ | 贈与 | 年110万円を超えると贈与税の対象。相続時精算課税などの制度を選ぶ方法もある |
| 婚姻20年以上の夫から妻へ自宅を | 贈与(配偶者控除) | 最高2,000万円まで控除。申告が必要 |
どれが得かは、家の評価額やほかの財産で変わります。要件を満たすかは税理士に確認してみてください。
財産が多くて相続税の申告が要りそう、名義変更する財産の種類が多い、相続人の間で話がまだまとまらない。こうしたケースは、相続税の申告と一緒に全体の段取りを税理士に相談すると、名義変更の順番も整えやすくなります。
税理士ドットコム
わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
名義変更にかかる費用はどのくらいですか?
不動産なら登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)がかかります。銀行や証券会社では、残高証明書などの発行手数料がかかることがあり、金額はそれぞれ違うので確認してみてください。
名義変更をしないままだと、どうなりますか?
不動産は相続登記の義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。預金も、次の相続が起きると相続人が増えて手続きが大変になります。
遺産分割がまとまらない時、不動産の登記はどうすればいいですか?
相続人申告登記という簡易な制度で、自分が相続人であることを法務局に申し出れば、登記の義務を果たせます。
まとめ
- 名義変更は「届け出」「話し合い」「名義変更」の3段階で進める
- 死亡届は7日以内、年金は10日・14日以内、健康保険は14日以内
- 不動産は取得を知った日から3年以内に相続登記
- 預金は遺産分割前でも、1金融機関あたり上限150万円まで仮払いできる
- 生きているうちの名義変更は贈与になり、贈与税を確認する





