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銀行で「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本をお持ちください」と言われた。でも、何通集めればいいのか分からない。そんな方も多いですよね。
結論から言うと、集める範囲は「誰が相続人になるか」で大きく変わります。子が相続するなら比較的少なく、兄弟姉妹が相続するとぐっと増えるんです。
この記事では、子が相続するケースと兄弟が相続するケースで、集める戸籍の範囲と通数の考え方を見ていきます。
子が相続するケースは、どの戸籍を集める?
例えば、父が亡くなり、母と子2人が相続するケースです。集めるのは、父の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍を含む)と、母と子2人それぞれの現在の戸籍謄本です。父が本籍を移していなければ数通で済むこともありますが、転籍や結婚のたびに戸籍が分かれるので、本籍を移した回数が多いほど通数は増えます。
相続で戸籍を集めるのは、「相続人がほかにいないこと」を証明するためです。前の結婚で生まれた子や、認知した子がいれば、その人も相続人になります。
『うちは家族全員分かっているのに』と思いますよね。ただ、銀行や法務局は家族の話だけでは判断できません。だから、出生から死亡までの戸籍で、子が誰なのかを書類で確かめるんです。
「父の本籍は今の住所と同じだと思ってた」
「調べたら、結婚前は別の県に本籍があった」
こんなことはよくあります。戸籍は結婚や転籍、法律の改正による作り直し(改製)で新しくなるので、1人の一生分が何通にも分かれているんです。
謄本と抄本、相続で使うのはどっち?
戸籍謄本は戸籍に載っている全員分、戸籍抄本はその中の1人分の証明です。相続では、家族の関係をまとめて確かめるので、基本は謄本(全部事項証明書)を取ります。
相続人本人の現在の戸籍は、提出先によっては抄本でよい場合もあります。迷ったら、提出先の銀行や法務局に聞いてから取ると二度手間になりません。
子がいなくて兄弟が相続するケースは、なぜ多くなる?
子がいない人が亡くなり、親もすでに亡くなっていると、兄弟姉妹が相続人になります。このケースが一番、戸籍集めが大変です。
兄弟姉妹が相続する時は、「子がいないこと」「親がすでに亡くなっていること」「兄弟姉妹が誰と誰か」をすべて証明する必要があるからです。祖父母も相続人より先の順位なので、年齢によっては祖父母が亡くなっていることが分かる戸籍を求められることもあります。
| ケース | 集める戸籍の範囲 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 配偶者と子が相続 | 亡くなった人の出生から死亡まで+相続人の現在の戸籍 | 子がほかにいないかを確かめる |
| 子が先に亡くなり孫が相続 | 上に加えて、亡くなった子の出生から死亡まで | 亡くなった子にほかの子(孫)がいないかを確かめる |
| 子がいなくて親が相続 | 亡くなった人の出生から死亡まで+親の現在の戸籍 | 子がいないことを確かめる |
| 子も親もいなくて兄弟姉妹が相続 | 亡くなった人の出生から死亡まで+父と母それぞれの出生から死亡まで+兄弟姉妹の現在の戸籍 | 父母にほかの子(異母・異父の兄弟姉妹)がいないかを確かめる |
| 兄弟姉妹の一人が先に亡くなり甥姪が相続 | 上に加えて、亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡まで | 甥姪までが代襲する。甥姪の子は代襲しない |

兄弟が相続するケースでは、父と母の両方について出生から死亡までをそろえます。1人の一生分でも数通になるので、3人分ともなれば、子が相続するケースよりも通数がかなり増えます。
『兄弟は全員知っているから、そこまで要らないのでは』と思うかもしれません。ただ、父母に前の結婚の子がいれば、その人も兄弟姉妹として相続人になるんです。半血の兄弟姉妹の相続分は、全血の兄弟姉妹の1/2になります。
戸籍は何通取ればいい?提出先の数で決まる
何通取るかは、戸籍を出す先の数で考えます。例えば、銀行2つと法務局に出すなら、そのままだと3セット要りそうですよね。
でも実は、多くの手続き先では原本を見せた後に返してもらえます(原本還付)。1セットを順番に回せば、セット数は少なくて済むんです。
ただ、手続き先を同時に進めたいなら、2セット用意しておくと待ち時間が減ります。提出先ごとの必要書類は銀行・法務局・税務署のケース別一覧で確かめておきましょう。
手続き先が多いなら、法定相続情報一覧図が楽
銀行・証券会社・法務局・税務署と提出先が多いケースでは、法定相続情報証明制度を使うと楽になります。
集めた戸籍の束を一度だけ法務局に出すと、「法定相続情報一覧図の写し」を無料で交付してもらえます。この写しを戸籍の束の代わりに使えるので、何セットも集め直す必要がありません。
| ケース | おすすめの進め方 | 理由・注意 |
|---|---|---|
| 銀行1つと相続登記だけ | 戸籍1セットを原本還付で回す | 手続き先が少なければ一覧図なしでも回せる |
| 銀行3つ・証券・相続登記・相続税申告 | 戸籍1セットで法定相続情報一覧図を取り、写しを複数通もらう | 同時に進められて、戸籍の束を何度も出さずに済む |
損得の分かれ目は法定相続情報証明制度を使うべきケースで詳しく見られます。
戸籍はどこで、どうやって取る?
戸籍は本籍地の市区町村で取るのが基本です。ただ、2024年3月1日から始まった広域交付で、取り方がかなり楽になりました。
広域交付では、本籍地以外の市区町村の窓口でも、本人・配偶者・父母・子などの戸籍をまとめて請求できます。窓口では、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの本人確認書類を見せます(法務省 戸籍証明書の広域交付)。
ここが大事なところです。広域交付で請求できるのは、配偶者と、父母・祖父母・子・孫などの直系の家族の戸籍です。兄弟姉妹の戸籍は、広域交付では請求できません。 また、郵送や代理人による請求もできないので、本人が窓口へ行く必要があります。
- 近くの市区町村の窓口で、広域交付を使って父母の出生から死亡までの戸籍を請求する
- 亡くなった兄弟姉妹の戸籍は、本籍地の市区町村へ郵送などで請求する
- 届いた戸籍の一番古いものに、前の本籍地が書かれていないか確認する
- 前の本籍地があれば、そこへ続けて請求し、出生までさかのぼる
- そろったら、法定相続情報一覧図を取るか、原本還付で各手続き先に回す
郵送で請求する時の注意
本籍地が遠い時は、郵送で請求できます。請求書(市区町村のホームページにあることが多い)に、亡くなった人の本籍・氏名、請求する戸籍の種類、「相続手続きのため」などの使い道を書きます。
手数料は定額小為替で払うのが一般的で、金額は市区町村の窓口やホームページで確認してください。返信用封筒と、請求する人の本人確認書類の写しも同封します。
コンビニ交付は市区町村ごとに対応が違います。亡くなった人の除籍謄本や改製原戸籍は、窓口か郵送で取ることが多いので、本籍地の市区町村で確認してみてください。
戸籍集めに時間がかかると、ほかの期限も気になりますよね。相続放棄は3か月以内、相続税の申告は10か月以内です。兄弟姉妹が相続人で、相続税の申告もありそう、戸籍集めも終わらない。こうしたケースは、税理士に相談して戸籍集めから申告までまとめて任せると、期限に追われずにすみます。
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わが家のケースは、相続に強い税理士に聞くのが近道
相続税がかかりそう、土地や自宅がある、相続人が多い、期限が近いといったケースでは、相続税に詳しい税理士に早めに相談すると安心です。税理士ドットコムなら、全国7,500名以上の登録税理士から相続に強い税理士を無料で紹介してもらえます。
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よくある質問
相続人が子1人だけでも、出生から死亡までの戸籍は要りますか?
要ります。家族の間では分かっていても、ほかに子がいないことを書類で証明する必要があるからです。
戸籍謄本に有効期限はありますか?
法律で決まった期限はありませんが、銀行などが発行から何か月以内のものと独自に決めていることがあります。提出先ごとの扱いは事前に確認してみてください。
兄弟姉妹の戸籍を自分で取れないことはありますか?
広域交付では兄弟姉妹の戸籍は請求できません。本籍地の市区町村に、相続手続きで必要な理由を書いて郵送などで請求してみてください。
まとめ
- 子が相続するなら、亡くなった人の出生から死亡まで+相続人の現在の戸籍
- 兄弟姉妹が相続するなら、父と母の出生から死亡までも集める
- 甥姪まで代襲する。亡くなった兄弟姉妹の出生から死亡までも要る
- 通数は提出先の数と原本還付で決まる。多いなら法定相続情報一覧図が楽
- 広域交付では兄弟姉妹の戸籍は取れず、郵送・代理人もできない




